発注書を電子化する方法とは?メリットや保存要件も解説

発注書を電子化する方法とは?メリットや保存要件も解説

今は発注書や注文書のやりとりをアナログで行っていても、時代の流れに合わせて電子化したいと考えている企業は多いのではないでしょうか。
初めて導入する場合、メリットはもちろん、注意点なども知ってから検討したいでしょう。

こちらの記事では、発注書を電子化する方法やメリット、注意点、電子化する際の電子帳簿保存法の保存要件について詳しく解説していきます。

発注書を電子化する方法

発注書の電子化を考えた時、その方法にはいくつかあります。
まずはどんな方法があるのか知っておきましょう。
ここからは、いくつかある発注書を電子化する方法について詳しく解説していきます。

ワードやエクセルで作成する

経費を抑えて普段使っているパソコンを利用して電子化させたい場合は、ワードやエクセルを使うことも可能です。

企業の多くがマイクロオフィスを使用していると思いますが、そのまま普段活用する時と同じように利用できます。
何か新しいツールを取り入れるわけではないため、基本的に無料で使うことができます。

ほかにも、Googleアカウントがあれば、Googleのスプレッドシートなども活用可能です。

紙の発注書をスキャンする

手軽に発注書を電子化したいと思ったら、紙の発注書を自社でスキャンする方法もあります。
画像を撮影しPDF化させれば、簡単に電子化させられます。

しかし、自動で行われるわけではないため、自社の従業員がすべてを行わなければなりません。
そのため、業務効率面で見ていくと、紙の発注書をスキャンする方法はあまりおすすめできない方法です。

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OCRソフトを導入する

OCRソフトでは、発注書などに書かれている手書きなどの文字を自動でデジタル文字に変換できます。

自動で読み込んでくれるため大変便利なソフトではありますが、文字を正しく読み込まない場合もあります。
特に文字が手書きで雑に書かれていると、OCRが正しく読めません。
認識ミスが起き、後からトラブルに発展してしまうデメリットもあります。

外部委託する

発注書を電子化するために、外部に委託して効率化を図る方法もあります。
間違いも起きにくいですし、自社の従業員はコアな業務に時間を割けるようになります。

しかし、自社の従業員が行う以上に、外注するとコストが高くなってしまうかもしれません。
継続的にも費用がかかってしまいますし、個人情報が漏洩する心配もあります。

電子商取引に移行する

多少費用はかかってしまいますが、電子的な手段によって取引を行う電子商取引に移行するのもおすすめです。
紙を自社の従業員が取り込む場合やOCRを活用するよりも効率的に電子化できます。

自社だけでなく取引先の負担も少なくなりますし、ほかにも便利な機能が付いていて業務全体で効率アップが図れます。

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発注書を電子化するメリット

発注書をアナログな方法から電子化させると、さまざまなメリットがあります。
ここからは、発注書を電子化させるメリットについて詳しくご紹介していきます。

業務効率化

特に電子商取引に移行した場合、すべてシステムの中で完結してしまいますので、従業員の手を煩わせる心配がありません。
わざわざ紙の注文書を自社まで取りにいかなければならない必要もないですし、本来力を入れなければいけない業務に集中できます。

万が一トラブルが起きた時にも、すぐにデータを探して確認できます。
紙の発注書の場合はデータを確認したいと思っても、まずは大量にある保管物から探さなければいけません。
電子データで検索すれば一発で出てくるシステムを活用していれば探す必要もありません。

運用も楽になり、従業員の業務もサクサクと進むようになります。

テレワークの促進

電子化により会社に必ず出社しなければ処理ができないこともなくなり、テレワークが可能になります。
何もない時には問題ないかもしれませんが、新型コロナウイルスのような事態が起きた時にも、自宅にいながら仕事ができます。
自宅でも出張先でも内容を確認できるようになるため、属人化も防げるでしょう。

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万が一紙の場合自社が火災で燃えてしまったら、発注書の保管物も消失してしまいます。
しかし、電子化しておけば、万が一の災害の時も紛失するリスクがなく安心です。

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コスト削減

紙でのやりとりには、インク代や用紙代、さらには郵送代などさまざまなコストがかかっていました。
発注書を電子化させることができれば、これらのコストを削減できます。

さらに、用紙代に関しては、地球環境を守ることにも貢献できます。
取引先が多い場合、紙を封入して郵送するまでにもかなりの時間を要すことがほとんどです。
電子化できれば手間暇もかからず、さらにコストも下げられるメリットがあります。

セキュリティ強化

紙の場合、書類をどこかに失くしてしまい、見つからない事態も出てくるかもしれません。
ほかにも、管理業務が甘く誰でも見られる状態になっていて、後から大変な事態になってしまうことも考えられます。

電子化を行えればデータ上で管理できるようになりますので、管理もしやすくなり紛失や盗難のリスクを抑えられます。

紛失・破損のリスクを回避

発注書は何かあった時に備えて、すぐには捨てません。
必然的に長期的な保管になってしまいますが、当初の状態をずっと保てるとは限りません。
経年劣化が進んでしまい、大切な文字が読めなくなってしまうことや紙が汚れてしまう可能性もあります。

大事な時に証拠となるため、データが確認できないのは大きなリスクです。
電子データの場合、紙と違い経年劣化しないため、破損のリスクもなく安心です。

発注書を電子化する際の注意点

発注書を電子化するためには、いくつかの注意点があります。
電子化を成功させて業務を効率化するためにも、どんな点に気を付けたら良いのか把握しておきましょう。
ここからは、発注書・注文書などの書類を電子化する際の注意点について詳しくご紹介していきます。

ファイル名やフォルダ名を工夫する

いざトラブルが起きた時などにすぐに発注書を検索できるようにするためには、検索しやすいようにしておくことが必要です。
分類をする時にファイル名やフォルダ名の工夫を行い、一発で検索できるように整えておくだけで後から楽になります。

何も考えずにデータを入れてしまうと、いざ検索する時に支障が出てしまいます。
自社で検索しやすいようにルールを決め、利用するようにしましょう。

セキュリティ対策を講じる

電子化を利用する場合、インターネットにつながっている分漏洩するリスクもあります。
データを盗み取られないよう、不正にアクセスされないためのセキュリティ対策も必要です。

誰もが簡単にアクセスできるようにするのではなく、権限を設定しておきましょう。
簡単にアクセスできなければ、情報漏洩を防げます。

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電子化する発注書を厳選する

発注書に付随する書類もありますが、中にはそこまで重要ではないものもあるでしょう。
万が一のためにすべてを電子化しようとすると、検索した時にも使いにくくなりますので、厳選するのがおすすめです。

さらに、費用も余分にかかってしまうため、必要ないものは電子化しないで捨てるようにしましょう。

電子帳簿保存法の保存要件

書類を電子化する際には、どんな方法でも良いわけではありません。
証拠としても使えるように、法律によって条件付きで電子データ保存が認められています。
ここからは、電子帳簿保存法ではどんな保存要件が定められているのか詳しくご紹介していきます。

国税庁『優良な電子帳簿の要件』

システム概要に関する書類の備付け

まず、システム関係書類なども一緒に備え付けるようにと決まっています。
たとえば、事務処理マニュアルやシステムの概要書、仕様書などです。
データが正しいものであるという真実性を確保するためにも必要です。

見読可能装置の備付け

電子データ保存を行うところへ、ディスプレイやプリンターなどの見読可読装置も一緒に備え付けるようにと定められています。
記録した内容を整った形式ですぐに確認できるようにしておかなければなりません。

検索機能の確保

検索した時にすぐデータが出せるように、検索可能であるという要件が定められています。
帳簿の種類において主要な項目がすぐに検索できるように、自社で設定しておかなければなりません。

特に日付と金額は重要で、範囲を指定して検索した時にすぐに調べられるようにしなければなりません。
税務職員に調べたい範囲を尋ねられた時、ダウンロードの求めに応じることができるようにする必要があります。

真実性の確保

万が一発注書の訂正、削除があった時にはその履歴を残せるようにしなければなりません。
真実性がなければ、正しいものと認識されないためです。

電子データ入力を業務のかかる期間を経過してから行った時には、内容の事実確認も必要です。

また、ほかの帳簿のデータとの関連性があるか見てわかるようにしておかなければなりません。

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まとめ

今アナログで発注書を作成している企業は、電子化することでさまざまなメリットが得られるでしょう。
何より自社の経費が削減でき業務を効率化させられるため、より利益につながるコアな業務が可能です。
発注書を電子化する方法には、紙をスキャンする、OCRソフトを導入するなどがありますが、より効率的に行いたいのであれば電子商取引に移行するのがおすすめです。

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