発注書メールとは?わかりやすく送るためのポイントを解説

発注書メールとは?わかりやすく送るためのポイントを解説

商品やサービスを仕入れる際には、必ず発注書というものを作成して受注側へ提出します。
発注書は近年ファックスなどでなくメールでやり取りされることが多くなってきました。

業界や業種にもよりますが、特定の発注書フォーマットへ押印してメール添付するケースもあれば、メールでのやり取りだけで発注が完了するケースもあります。
郵送やファックスを使わずにメールだけで発注を完了させたい場合、発注書メールはどのように作成したら良いのでしょうか。

今回は発注書メールの書き方やポイントについてご紹介していきます。

発注書とは

発注書メールとは?わかりやすく送るためのポイントを解説

発注書とは、商品やサービスやサービスを仕入れ・購入するため、発注者側が受注者側へ発注の意思を伝えるために作成かつ交付される書類になります。

発注書を作成・交付する義務は特にありませんので、口頭だけのやり取りで注文をして受注側が受け付けるケースもありますが、下請法の対象となっている取引の場合は、公正取引委員会において、「親事業者は発注に際して下記の具体的事項をすべて記載している書面(3条書面)を直ちに下請事業者に交付する義務がある」と定められているため、できれば作成しておくと安心です。

下請法の対象となるケースは、自社製品の部品の製造委託や自社で請け負う業務を外部に委託する場合などのを指しています。

発注書を書く目的

先ほども解説しましたが、注文については口約束でも特に法律上の問題はありませんので、発注書を必ず作成・交付しなければならないということはありません。
しかし、発注書を書くことによりメリットや目的がありますので次に解説していきましょう。

発注をした証拠を残す

発注書は、取引先に対して発注の意思表示を伝えるものですから、取引先との受発注の証拠となり、発注書を介した受発注の契約をすることによってお互いに安心して取引ができるようになります。

特に取引先が個人事業主などであった場合は、個人事業主の方たちは企業に比べるとどうしても不安定に感じる場面も多いため、きちんと注文書として証拠を残しておくことで、自社の強い注文の意思表示ができるので先方の安心して受注し仕事に取り組んでもらうことができるでしょう。

自社のためだけでなく、取引先のことも考慮して証拠を残すことは、今後の継続的な円滑な取引のためである場合や取引先からの信用を得るためにも大切です。

認識の違いをなくすため

発注書を発行しないで口頭で注文をしてしまった場合、後になってから発注者側が「注文したのにきちんと発注できていないではないか。」となることや受注者側が「そのような発注は聞いていない。」といったようなトラブルが起こることが安易に想定できます。

発注書を交付するということは、つまり目に見える形で証拠となる書類を起こすことができますので、「発注した」、「内容が間違っている」、「注文はもらっていないから受注していない」といったトラブルを防ぐことが可能になるのです。

また、口約束であると商品名や商品の数量、納期などについて漏れが生じることや誤ってしまうようなこともあります。
発注書には、注文する商品名、発注日、単価、数量、納期などの内容が事細かに記載されますので、受注に必要な内容がすべて詰め込まれていますのでミスやトラブルを防ぐことができます。

発注メールのポイント

発注書メールとは?わかりやすく送るためのポイントを解説

取引先へ商品やサービスを発注する際は、発注書を対面で渡したり、ファックスで送付したり、郵送で送るといったケースもあります。

しかし、近年はIT化が進み多くの企業でメールによる発注を行うケースが少なくありません。
メールで発注することによって、取引先へ出かける手間や時間もなくなりますし、ファックスや郵送の手間を防ぐことができ、業務効率化につながります。

また、発注メールは、メールソフトの検索機能を使うことで簡単に過去にもらった発注メールを見つけ出すこともできるので、先方にとって発注内容の確認にも役立ちます。

ただし、発注メールもいくらメールとはいっても適当に送るのはタブーです。
ここでは、発注メールを作成する際に気を付けておきたいポイントについて詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考になさってください。

件名はわかりやすく

メールに添付するタイトル、いわゆる件名は、必ずひと目見ただけでわかりやすいものにしておくと良いでしょう。

会社のメールには発注書だけが届いているわけではなく、あらゆる社内メール・社外からのメールが大量に届きます。
発注書は、メールの中でも特に重要度の高い書類ですので、見過ごされてはいけないメールです。
確実に開いてもらうためにも工夫をしなければならないのです。

もちろん、受注者側もメールに関しては優先度を考慮して一つひとつ確認していることが多いですが、それでも件名がわかりにくいと見逃してしまうこともあります。

そのため、発注書であることを強調するように【】を使用して、「【発注書】〇〇の注文に関して」などのようにわかりやすい件名にすると、受注者側にいち早く確認してもらいやすくなります。

簡潔な内容にする

発注書メールの内容は、できるだけ明瞭にそして完結にわかりやすい内容にして送ることが重要です。

内容の構成としては、発注したい旨と発注内容についてが明確に記されていれば問題ありません。
ダラダラと長い文章で書かれても先方にとって読みづらくなります。

万が一発注の際に何か補足点や注意してもらいたいこと、要望などがある場合は別途電話で確認しながら発注書メールを確認していただくようにすると良いでしょう。
もしくは、メールではなく直接発注書を手渡しで渡して、対面で打ち合わせしながら発注するほうが確実です。

改ざん防止のためにPDFにする

発注書メールには、発注書を添付して送ることになりますが、この発注書を送付する際にワードやエクセルのデータで来るのはタブーです。
ワードやエクセルの文章は誰でも簡単に改ざんすることができるためです。

また、先方が使っているパソコンでは添付したワードやエクセルのデータが文字化けなどをして見られないといったこともあります。(たとえば自社のOfficeのソフトが最新式で先方のOfficeのソフトが古いバージョンの場合)
発注書の内容を第三者に勝手に改ざんされてしまっては、トラブルにもつながってしまいますので、確実に改ざんされないようなデータで送る必要があります。

エクセルの機能には、名前を付けて保存する場合にPDF変換できる機能があらかじめ備わっていますので、これを使ってPDF変換し、発注書をPDF化してメールに添付するようにしましょう。

電話で確認をする

発注書メールを送る際は、漏れがないように事前、もしくは事後に電話をして確認することが大切です。
あくまでメールを確認するのは生身の人間ですから、体調などによってつい発注書を見逃してしまうことも考えられます。

このようなことを防ぐためにも今から発注書メールを送る旨や発注書メールを送ったので確認してほしいといった内容を電話で担当者へ確認しておくと、トラブルになることがありません。
できれば確実な方法が、担当者が会社に在社している状態ですぐに発注書メールや発注内容をその場で確認してもらうことがおすすめです。

発注メールの例文

では、ここで実際に発注メールを送る際にどのような内容で送れば良いか、具体的に例文としてご紹介していきましょう。
以下のように送ると、先方に明瞭かつ簡潔に伝えることができスムーズな受発注が可能になります。

▼件名:【発注書】○○(商品名・サービス名を入れます)の注文に関しまして
▼本文
○○株式会社
○○部○〇課
○○様
いつも大変お世話になっております。
△△株式会社の□□です。
先日お見積もりいただきました○○の件につきまして社内で検討した結果、是非貴社でお願いしたいと考えております。
つきましては発注書を添付いたしますので、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。
PDFデータにて添付しておりますが、万が一ファイルが開けない場合はお手数ですがご連絡ください。
ご不明な点やご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。
———————————-
△△株式会社
△△部△△課 □□
メールアドレス:xxxxx@aaaaaa.com
———————————-

メールの中で、万が一注文書のファイルを先方が読み込めない時のために、発注内容について、品名や数量、納期、単価、備考について簡単に記載しておくのも良いですが、確実に発注書を確認していただくためにもできれば上記のように簡潔にまとめると良いでしょう。

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まとめ

いかがでしたか。
発注書をメールで送る際は、できるだけ先方に早く確実に気付いてもらえるように件名をわかりやすくする工夫、そして電話での確認をされると安心です。

また、メールの内容も先方が読みやすいように考えて簡潔にわかりやすく伝わるように心がけましょう。

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