ICT建機とは?種類やメリットについて解説

ICT建機とは? 種類やメリットについて解説

近年、ICT建機を導入する建設現場も増えてきました。
注目が集まり、ニーズも高まっているICT建機とはどのようなものなのか、ICT建機の種類や導入するメリットについて解説していきます。

ICT建機とは

ICTとは、Informartion and Communication Technologyの略で、日本語に訳すと情報通信技術を意味します。
ICT建機とは、情報通信技術を取り入れた建設現場などで活用される重機を指します。

ICT建機の種類

ICT建機は大きく分けて、その機能により2種類が存在しています。
マシンコントロールとマシンガイダンスの2種類です。
それぞれ、どのような方法で動く建機なのか見ていきましょう。

マシンコントロール

マシンコントロールとは、建機をコンピューター制御などでコントロールできる建機のことです。
3D設計データなどを登録し、それにもとづき、建機を自動的で動かすことができます。
自動で追尾が行える位置検測装置が装着されており、施工箇所の2D設計データや3D設計データをリアルタイムで入手します。
入手したデータにもとづき現況地盤データとの差分算出を行い、その結果にもとづき重機が自動制御されて動く仕組みです。

送信されるデータの設計ラインから外れた重機操作は行えません。
万が一行おうとしても、重機の動きが自動的に制止する仕組みが搭載されています。
あくまでも、重機の動きは設計データと現況地盤データの差分算出からコンピューターによる自動制御で決定される仕組みです。

マシンコントロールに対応しているICT建機としては、ブルドーザやモータグレーダ、アスファルトフィニッシャなどがあります。
ICTによる正確なコントロールを受けるため、重機オペレーターの技術や経験が未熟でも、より高度な作業をスピーディーにこなせるようになります。

マシンガイダンス

マシンガイダンスとは、重機オペレーターをガイダンス機能でサポートし、正確でスムーズな重機操作を行うものです。
基本的なシステムはマシンコントロールと同じで、自動追尾の位置計測装置でリアルタイムに入手した設計データと現況地盤データの差分の算出が行われます。
マシンコントロールの場合は、その算出結果に基づき、重機が自動的に制御されて、自動で動作します。

これに対して、マシンガイダンスの場合、算出結果が重機オペレーターの操縦席に備わったモニターに映し出され、それにもとづいて重機オペレーターが操作を行う特徴です。
また、マシンガイダンスを備えたICT建機では、操作補助機能として、施工に関する音声によるガイドなども行うことが可能です。
たとえば、設計ラインと実際の操作に違いが生じると音声で知らせることやアラームで通知されるほか、設計ラインと操作するうえでの合致度などを音声で知らせてくれます。

マシンガイダンスが搭載できる重機としては、ブルドーザやバックホウなどが挙げられます。
送信されてくるデータにもとづき、重機オペレーターが操作を行う必要はありますが、経験が浅い重機オペレーターでも、自分の技術や能力をマシンガイダンスでサポートしてもらうことが可能です。
熟練の高度な技が必要であった作業も、マシンガイダンスにもとづきスムーズに行えるようになります。

ICT建機導入のメリット

ICT建機を導入すると、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。
ICT建機導入の主なメリットを見ていきましょう。

業務効率化による工期短縮

ICTによるサポートが得られることで、経験が浅いオペレーターでもスピーディーに作業ができるようになります。
熟練のオペレーターであれば、より正確かつスピーディーに作業が進みます。
従来のように、いちいち重機を降りて作業の確認を行ったり、指示を受けたりしていたような作業も、データにもとづきスムーズに行うことが可能です。
業務が効率化することで工期の短縮に結びつくのがメリットです。

人件費削減

ICT建機を導入することで、ICTによるサポートが得られるので、重機に自動的に任せる部分が増えることや熟練の重機オペレーターでなくても対応できるようになります。 従来より少ない人数で対応できるようになることや経験の浅い重機オペレーターでも対応できるようになり、人件費の削減につながります。

また、日本は少子高齢化が深刻化しており、労働人口が減り、どの業界でも人手不足が課題です。
建設現場は人力が必要な現場であり、特に若い労働力が求められています。
ですが、なかなか人手を得ることができません。
ICT建機を導入することで人手不足の緩和につながるほか、若手人材が興味を持って業界に入ってくることも期待できます。

施工品質の向上

あらかじめ設定した設計図や施工指示に従って、自動的に操作が行われることや重機オペレーターの操作をサポートすることができます。
そのため、重機オペレーターの技術や経験を問わず、より正確でスムーズな操作が可能となります。
微調整もしやすくなり、より精度の高い作業ができるので、施工品質の向上につながるのもメリットです。

安全性向上

設計ラインから外れた操作ができないように制御することや自動的に重機の動き止まって操作ミスなどが起こるのを防止してくれるため、建設現場の安全性も向上します。
どのような動きをするかを事前に設定でき、動きをコントロールできるので、現場で思わぬ動きをして、周囲の人が事故に巻き込まれるようなリスクも軽減できるのがメリットです。

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まとめ

ICT建機とは、情報通信技術が搭載された重機のことを指し、マシンコントロールとマシンガイダンスの2種類に分けることができます。
マシンコントロールは、あらかじめ設定したデータからコンピューターが算出を行い、それにもとづき自動的に動くものです。
マシンガイダンスは、モニターに表示される算出データにもとづき、重機オペレーターが操縦を行っていくもので、より正確な操作のサポートが受けられます。
ICT建機導入のメリットとして、業務効率化による工期短縮、人件費削減、施工品質の向上、安全性向上が挙げられます。

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