近年、コロナによる影響でテレワーク、リモートワークという勤務体系が増え、見直されてきた中で電子印鑑に大きなスポットが当てられるようになりました。
今回は実際の印鑑と同様の効力を持つと言われる電子印鑑について、作成の仕方とともにわかりやすく解説していきます。
目次
電子印鑑とは
電子印鑑は、パソコンにおける電子文書へ押印することができるデータ化された印鑑を指しています。
まるで紙文書に印鑑を押印するように、エクセルデータやPDFデータに直接押印することができるシステムです。
文書を作成するうえで印鑑を押印する機会は多様にありますが、わざわざプリントアウトしてから押印する手間がなく、パソコン上で押印まですべて文書を完成させることができます。
電子印鑑の法的効力
電子印鑑は実際の印鑑のように法的な効力はあるのでしょうか。
電子印鑑には、ある一定の条件を満たしていれば法的効力が得られるようになっています。
電子署名法と呼ばれる法律で以下の通り定められています。
第三条 電磁的記録で会って情報を表すために作成されたものは、当該電磁記録に記録された情報について本人による電子署名が行われている時は、真正に成立したものと推定する
引用元:法務省HP:電子署名法の概要と認定制度について
つまり、本人による電子署名が行われた電子文書であれば、真正に成立されたものとなるので、法的効力を得られるのです。
電子印鑑には、印影を画像化しただけのタイプのものと印影に識別情報が保存されているものがあります。
ただし、画像化したタイプのものは、法的効力を得ることは少し難しいかもしれません。
しかし、識別情報が保存されているタイプのものは、印影の画像データに使用者の識別情報が保存されているといった特徴があります。
タイムスタンプ情報など組み込まれると、いつ誰により押印されたものなのかきちんと記録されていくシステムもあるので、こういったものを組み込むことによって法的効力を確実に得ることができます。
法的効力に関する記事はこちら
ワード・エクセルで電子印鑑を作成する方法
実は電子印鑑は、手軽に電子印鑑にて作成することができます。
こちらでは、電子印鑑を手軽にワードやエクセルで作成する方法についてご紹介しましょう。
ステップ1 図形機能で円形を挿入する
図形機能によって陰影の形にもなる円を作ります。
シフトキーを押しながら円を描くと正円を描くことができるでしょう。
枠線は赤色を選択して、太さも適度なものに合わせて印鑑のように作成します。
ステップ2 円の中身を「塗りつぶしなし」に変更
塗りつぶしを塗りつぶしなしへ変更し、円の外側の枠線が残るような状態にして、円の中が塗りつぶしされないようにしましょう。
ステップ3 名字や社名を入力
こちらに個人名であれば名字、会社名であれば社名をテキストで入力していきます。
デフォルトの状態では白の横書き文字に設定されていることから、色は赤に変更、さらに「レイアウト」タブから「テキストの方向」を縦書きへ変更します。
ステップ4 図として保存する
完成した印影の図を右クリックして「図として保存」をクリックすると作成した電子印鑑をデータとして保存できるようになります。
またこの時、背景は透過させる必要があるため、PNG形式にて保存するのです。
エクセルの場合は、アドインとして電子印鑑機能が追加できるようになっています。
アドインを有効にしている限り、いつでも気軽に使うことができるので大変便利です。
電子印鑑を無料で作成するメリット
では、エクセルなどを使って電子印鑑を無料で作成するメリットについてご紹介しましょう。
コストを削減できる
エクセルやワードはすでにパソコンにインストールされていることが多いアプリケーションソフトであることから、誰でも無料で作成することができます。
システムの導入費用が必要ありませんので、コストが削減できるのは、非常に大きなメリットです。
業務を効率化できる
わざわざ電子文書を印刷してから、手で印鑑を押印する手間が省けます。
また、社内稟議などで上長などへ稟議に回す際に電子印鑑であれば、上長が出張中でもチェックすることができますし、自身が社外にいても出先から上長へ電子印鑑で押印したデータをメールなどで送付することができます。
そのため、業務効率化を図ることができるのです。
電子印鑑に関連する記事はこちら
電子印鑑を無料で作成するデメリット
一方で、電子印鑑を無料で作成するにはデメリットもあります。
どういったデメリットがあるのでしょうか。
作成に手間がかかる
無料の電子印鑑の場合、すべて自作で一から作成することになるため、作成にとても手間がかかります。
作り方に慣れている方は良いですし、ワードやエクセルの使い方に慣れている方はある程度簡単に作成できるかもしれませんが、慣れていない人にとっては、先ほどもご説明したようなステップで一から作成していくため、時間がかかる方も多いでしょう。
セキュリティ面が不安
無料で作成している電子印鑑は、印影を画像化したタイプの印鑑です。
つまり、印影したデータは誰でも簡単に複製することができるので、セキュリティ面で言うと脆弱だと言えるでしょう。
セキュリティが甘いがゆえに悪用される可能性も否定できないです。
証拠能力が不十分
無料で作成した電子印鑑の場合、あくまで印影画像としての役割しか持つことができません。
つまり、先にも説明した通り印影を画像化したタイプの電子印鑑になりますから、法的な効力を得ることができないのです。
書面上なんらかのトラブルが起こった場合も、法的な効力を持たない書類となってしまうことから、非常に不利になってしまうことになるでしょう。
電子印鑑作成サービスとは
電子印鑑には、有料のソフトなどもありますが、もっと手軽にできる電子印鑑作成サービスという有料で利用できるWebサービスも用意されています。
電子印鑑作成サービスでは、高いセキュリティが担保できているため、法的な効力を持つことができるので安心です。
電子印鑑作成サービスを選ぶポイント
電子印鑑作成サービスは、あらゆる企業から提供されていますが、どのようなサービスを選ぶと良いのかについてポイントを紹介していきます。
無料でお試しできるサービスもありますので、まずはお試しで利用してみて使い勝手を比較されるのもおすすめです。
POINT01
導入コスト
まず、電子印鑑作成サービスは月額払いなどで継続的に使用していくことになるため、コスト面を考えて選ぶと良いでしょう。
コスト面で長く負担なく利用できるサービスかどうかをまず考えてから導入を検討されると良いです。
POINT02
セキュリティ
さらに、セキュリティ面も重要です。
電子印鑑作成サービスには各社あらゆるセキュリティ対策が採られていますので、それぞれを比較して信頼できるサービスであるかどうかを見極めてから選ばれると良いでしょう。
POINT03
書体の種類
また、印影を作成するにあたって使用できる書体の数の多さも重要です。
思ったような書体の印影が用意されていないと、後になって不便に感じられることもありますので、検討する時点で書体がどのくらい用意されているのかチェックしましょう。
電子印鑑サービスに関連する記事はこちら
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まとめ
いかがでしたか。
電子印鑑について説明してまいりました。
ワードやエクセルは、コストもかけずに簡単に作成することはできるものの、セキュリティ面でも心配ですし法的な効力を持つことができないので後になって困ることも出てきます。
そういったことがないように、手軽で便利な電子印鑑作成サービスを利用することで、信頼できる電子文書を作成することができます。ぜひ皆さんも文書の本格的な電子化に向けて、導入を検討されてみてはいかがですか。
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