請求業務でミスをしてしまうと、取引先への信用にも関わってきます。
しかし、自社の中で請求業務が複雑化されていると、ミスも増えてしまい従業員の負担にもなります。
今すぐにでも、効率化させ働きやすい環境を作ることは重要です。
ここからは、請求業務の基本的な流れから課題、効率化させる方法について詳しく解説していきます。
請求業務とは
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企業を存続するためには、商品やサービスの売上が必要ですが、その代金を取引先へ請求する業務を請求業務と言います。
お金を請求する際に、口約束だけでやり取りすることも可能です。
絶対に請求書を発行しなければいけないとは決まっていません。
しかし、お互いのやり取りの証拠を残すためにも、請求書を発行する場合がほとんどです。
請求書を郵送で送る企業もまだ多いですが、以前に比べるとメールでPDFファイルを活用して送るケースも増えています。
請求書の役割
わざわざ時間を割いて請求書を発行するのには大きな理由があります。
商品やサービスを提供しても、見合ったお金が入ってこなければ企業としての経営が危ぶまれてしまいます。
しっかりと対価を支払ってもらい、利益を上げていくことが重要です。
請求書を発行することで、商品やサービスに対しての対価を得る権利の主張もできます。
取引先のすべてが、絶対に信用でき口約束だけでも間違いなくお金を振り込んでくれるとも限りません。
中には未払いや何かしらのトラブルが発生してしまいお金を振り込んでくれないケースもあります。
請求書があれば証明することが可能ですが、口約束では何もなくなってしまい泣き寝入りになってしまいます。
証憑(しょうひょう)書類でもあり、請求書や領収書は、上述のようなトラブルが遭った時にも自社を守ってくれるものです。
また、トラブル回避のとしてだけでなく、税務調査等でも取引の証明として用いることができます。
請求業務の流れ
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しっかりとお金を振り込んでもらい、自社の売上にするためにも、請求業務の流れもさまざまなことをこなさなければなりません。
ここからは、どのように請求業務が行われるのか、流れについて詳しく紹介していきます。
請求金額を決定する
取引先へ提供した商品やサービスを確認し、請求金額を決定します。
この時、決定する金額が間違ってしまうと信用問題にも発展してしまいます。
何回か見直して、間違いのないようにしなければなりません。
請求方法は、都度請求のほかに締め請求があります。
どちらを利用しても良いですが、信用度がまだわからない取引の場合は都度請求が良いでしょう。
長く取引を行い信用がある企業の場合は、締め請求を使用する企業が多いです。
請求書を発行する
金額が決定したら、今度は請求書を発行します。
この時、金額をしっかりと確認しながら従業員が手入力を行う場合もありますし、すでにシステムなどを導入している企業ではこれらを介して発行します。
請求書の記載項目
請求書を発行する場合は、自社も取引先もわかりやすいように、入れる項目がだいたい決まっています。
いざトラブルが遭った時に証拠となるように、しっかりと項目をチェックして記載しましょう。
- 発行者の会社名
- 取引年月日
- 内容
- 金額
- 請求先の氏名
- 会社名
- 請求書発行日
- 請求書の番号
- 合計請求額
- 商品やサービスについて詳しい数量や金額
請求書を送付する
請求書ができあがったら、今度は取引先へ送付を行います。
送り方は必ずこうでなければいけないというのはなく、従来通りの郵送でもメールへの添付でもOKです。
郵送は送付するまでにさまざまな手順があるので、メールで送る方が早くおすすめです。
入金を確認する
請求書を送付したらそこで終了ではなく、自社に入金があるか確認も行います。
自社で指定した期日までにしっかりと入金があれば、金額が合っているかも一緒に見ましょう。
万が一過不足がある時には連絡し、正しい金額を入金してもらいます。
請求書を確実に送ったにもかかわらず入金がなければ、取引先に連絡しましょう。
うっかり忘れていた場合や請求書が何かしらのミスで届いていない時には、改めて入金の期日を決めその日までに支払ってもらいます。
連絡をしてすぐに対応してもらえれば良いのですが、難しい場合は大変です。
督促などを行い、法的な裁判へ発展する場合もあります。
消込処理を行う
取引先から入金があり間違いがなければ、自社で消込作業を行います。
請求額はまだ入金済みではない段階の場合、売掛金として管理されます。
忘れずに消込作業を行っておかないと、帳簿がズレてしまうので注意が必要です。
そこまで取引先が多きない場合は問題なくても、結構多い場合は対応も大変です。
ミスが起きてしまうと、確認して正しいものへ修正するにも結構な時間を要してしまいます。
請求業務の課題
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請求業務にはさまざまな課題があり、実際担当している従業員は苦労しているケースも多いです。
ここからは、請求業務で発生しやすい課題を紹介していきます。
請求金額の算出に時間がかかる
昔ながらのやり方で手での計算を行っている場合、請求金額を出すまでに結構な時間がかかってしまいます。
エクセルを使っている場合でも、手入力する場面も多く発生して大変です。
そんなに難しい作業ではありませんが、取引先が多く複数の請求書を発行しなければならない場合は結構な時間がかかってしまいます。
請求書の発行・送付に時間がかかる
こちらも昔ながらのやり方で紙を使っている場合は、膨大な時間がかかってしまいます。
特に取引先が多くなってしまうと、一つひとつの作業は単純でも大変です。
取引先の宛名を書き封筒に入れるだけでも、1日では終わらないケースもあるでしょう。
さらに、複数の取引先がある場合、間違って請求書を本来送る先ではない場所へ送付してしまう場合も考えられます。
属人化しやすい
特定の人しかわからない状態も招きやすく、その人がいないと仕事が進まないケースもあります。
業務の属人化をなくすようにマニュアルを作り、誰でもできるような環境作りが大切です。
書類の管理が大変
取引先が多いと請求書を保管するだけでも大変です。
さらに、7年間は取っておかなければならないと法で決まっているため、捨てるわけにもいきません。
ファイリングしたものを一定期間保管するためのスペースづくりも必要になり、管理が大変です。
法令への対応が困難
法令も常に一緒ではなく、日々変化しています。
その度に覚えていかなければならないため、手作業を行う際は大きな負担となります。
帳票の保存に係る法律の記事はこちら
請求業務を効率化する方法
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課題を解決するためにも、効率化を試みましょう。
ここからは、請求業務を快適に効率アップさせる方法について紹介していきます。
業務フローを見直す
昔からのやり方を継続していたのでは改善されないため、業務フローを見直すことから始めましょう。
どこで時間がかかっているかを見つめ、対策を考えていきます。
請求書を電子化する
紙で請求書を保管している場合は、電子化してスッキリさせましょう。
システム上で計算を自動でも行え、紙の保管もしなくて良くなります。
無駄に印刷などで紙を使う必要もなく、効率的です。
代行業者に委託する
自社の従業員だけでは対応できないと感じたら、代行業者にお願いするのも一つの方法です。
専門家だからこそ、安心して任せられます。
請求書システムを導入する
請求業務を効率アップさせるためには、システムを導入しましょう。
費用が多少かかってしまったとしても、自動化できる部分が多く負担を減らせます。
本来時間を割きたい、コアな業務が行えるようになります。
請求書の電子化に関する記事はこちら
請求業務もできる『建設業向け管理システム アイピア』
まとめ
確実に取引先から対価を入金してもらうために請求書は重要なものですが、作作成から入金までの流れには手間がかかります。
特に紙や人の手ですべて行っていると、時間が足りず大変でしょう。
請求書の課題を解決するためにも、システムを導入してみましょう。
自動化できる部分が多く、一気に従業員の手間がなくなります。
企業にとって重要なコアな業務も行えるようになり、さらなる売上アップも期待できます。
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