建築現場の管理をどのような方法で行っていますか。
いまだに報連相や日誌など紙ベースのアナログ作業や、写真を撮影して事務所に持ち帰って表計算ソフトに記録する手間のかかる作業をしていませんか。
効率良く、スムーズな現場管理をするにはタブレットがおすすめです。
現場管理にタブレットを導入するメリットや活用術をご紹介します。
目次
現場管理にタブレットを導入するメリット
タブレットの導入や利用には費用もかかりますし、使うための研修も必要で、コストや手間がかかるのも事実です。
導入のコストや手間をかけても、導入したほうが良いと思えるメリットがないと、なかなか踏み切れないことでしょう。
そこで、現場管理にタブレットを導入するメリットを見ていきましょう。
業務効率化を実現
タブレットの導入で、時短や工程の削減など、業務を効率化できることがメリットの一つです。
現場にタブレットを持ち込み、専用のアプリ・ツールとインターネットを活用し、その場で写真撮影や記録、現場スタッフとのコミュニケーションができます。
事務所にいる施工管理者などともリアルタイムでやりとりができます。
これまで、現場監督が現場を終えてから事務所に戻って、管理台帳などを作成していたのが、タブレットを使って現場や移動中の車内などでもできるようになるので、時短につながり、残業も減らせるのがメリットです。
情報の一元管理が可能
タブレットに専用のアプリやツールを入れ、施工管理者や現場監督が利用したり、現場で作業にあたるスタッフにも活用してもらったりすることで、リアルタイムで情報を一元管理することが可能です。
下請業者などを含めることもできます。
情報共有がしやすく、工事の進捗管理がしやすくなり、工事の品質なども保ちやすくなります。
ペーパーレス化を実現
これまで管理台帳に記録したり、表計算ソフトを使って写真を貼り付けたりして報告書を作り、プリントアウトしていたのが、タブレット内のアプリやシステムでデータで管理ができるようになります。
そのため、ペーパーレス化を実現でき、紙代や印刷代、作成の手間をカットできるのもメリットです。
顧客に提出する場合など、必要があればプリントアウトも可能です。
業務効率化・ペーパーレス化に関する記事はこちら
現場管理におけるタブレットの活用術
現場管理におけるタブレットの活用術をみていきましょう。
タブレットを与える範囲を決める、アプリの機能ごとに使用権限を付与するなどすれば、企業機密や個人情報の保護も図りながら、さまざまなことに活用できます。
情報収集
タブレットでインターネットが使えるので、困ったこと、気になることや他社の情報、リアルタイムの天気予報やニュースなどあらゆる情報収集が可能です。
メーカーのホームページで資材や建材の情報をチェックするなど、瞬時に問題解決がしやすくなります。
メールの送受信
メールアプリやクラウドメールなどを用いてメールの送受信ができるので、会社に戻らなくてもメールをチェックし、返信できます。
現場のスタッフとの間でも、即時にメールで情報共有することが可能です。
ウェブ会議
ビデオ通話アプリを使い、お互いの顔や現場の様子を見せながらのウェブ会議をいつでもどこでも開催できます。
図面管理
タブレット内のファイルやクラウド上のファイルをはじめ、建築専用のアプリなどを用いて図面管理ができます。
すぐに図面を開いて、タブレット画面で確認しながら作業することも可能です。
工事写真の撮影・編集
工事工程ごとの写真撮影も、タブレットで高画質で撮影できるうえ、編集もその場でできます。
工程管理アプリを使えば、写真の貼り付けから、説明の編集まで瞬時に行うことができます。
スケジュール管理
カレンダー機能やスケジュールアプリ、進捗管理アプリなどを用いて、スケジュール管理も可能です。
個々人でのスケジュール管理に留まらず、互いに進捗状況を共有しながら、納期に向けて工事を効率良く進められます。
記録や資料の作成
タブレット内の文書作成ツールや表計算ソフト、クラウドツールを使ってさまざまな書類を作成し、記録がつけられます。
瞬時に保存され、編集もしやすいので便利です。
現場管理に関する記事はこちら
現場管理にタブレットを導入する際のポイント
現場管理にタブレットを導入するといっても、タブレットの種類や機種はさまざまです。
どのような点に気を付けて選べば良いのか、現場管理にタブレットを導入する際のポイントをみていきましょう。
搭載OS
タブレットの搭載OSにはiOS、Android、Windowsがあり、機種の数が多いのはiOSとAndroidです。
建築現場管理のためのアプリなどを導入したい場合、そのアプリが対応できるOSを搭載したタブレットを選ぶのがおすすめです。
iOSとAndroidの2つに対応しているアプリは多いものの、いずれか一方にしか対応していないアプリもあるので気を付けましょう。
通信方式
通信方式は大きく2つあり、いずれにするかで利便性や利用料金が異なります。
どんな環境で通信を利用したいかと、ランニングコストの両面から検討しましょう。
Wi-Fiモデル
Wi-Fiモデルはインターネット専用の無線の通信回線を使えるモデルです。
Wi-Fiの電波がないとインターネットに接続できません。
接続できる環境が限定される分、費用は安くなります。
セルラーモデル
セルラーモデルは、Wi-Fiに加えて4Gや5Gなどのモバイル通信回線も使えるモデルです。
Wi-Fi環境がなくても、契約したモバイル会社の電波が届く場所ならインターネット利用が可能です。
利用できる環境が広がる分、費用は高くなります。
耐衝撃性や防水機能
タブレットは落としたり、濡らさないように使うのが基本ですが、建築現場ではどうしても、うっかり落としたり、水濡れするおそれもあります。
そのため、衝撃に強く、防水性能に優れたモデルのほうが、壊れにくく長く使えて安心です。
ストレージ容量
ストレージ容量とは、データなどの保存容量のことです。
ストレージ容量が足りなくなれば、現場で写真を撮影しても画像の保存ができなくなります。
ストレージ容量が不足するとアプリの使用も制限されるなど、仕事にも支障が出ます。
重要な証拠となる写真が保存できないと困るので、ストレージ容量は大きめのものを選ぶのがおすすめです。
ただし、タブレットの価格は高くなります。
ストレージ容量を増やす方法として、すぐに使わないデータはオンラインストレージなどにバックアップしていく方法もあります。
サイズや重さ
サイズや重さは使い勝手の良いものを選びましょう。
図面などを確認するには画面サイズは大きめが見やすいものの、持ち歩くことや写真を撮影するには、大きすぎないほうが便利です。
重いよりは軽量のほうが持ち歩きやすく、使い勝手も良いので、実際に使用感を確かめて比較検討しましょう。
現場管理システム・ソフトに関する記事はこちら
現場管理でタブレットを活用する際のセキュリティ対策
タブレット内には顧客情報や従業員の情報、お金の流れや重要な図面・画像などが収納され、すぐに見ることができる状態に置かれます。
そのため、情報流出を防ぐためや不正な閲覧を防ぐためのセキュリティ対策も不可欠です。
セキュリティソフトをインストールする
メールなどでウイルスに侵入されたり、情報を盗られたりしないよう、タブレット用のセキュリティソフトを各タブレットにインストールしましょう。
その分費用はかかりますが、情報の安全のほうが重要です。
パスワードを設定する
不正な閲覧や改ざん、情報を盗まれるのを防ぐために、各タブレットにはパスワードを設定しましょう。
パスワードの入力なしに開けないようにするのが賢明です。
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まとめ
現場管理にタブレットを導入するメリットは業務効率化を実現できること、情報の一元管理が可能なこと、ペーパーレス化を実現できることです。
タブレットは、情報収集、メールの送受信やWeb会議、図面管理や工事写真の撮影・編集、スケジュール管理・記録や資料の作成などに活用できます。
現場管理にタブレットを導入する際のポイントとして、搭載OSの検討、通信方式はWi-Fiモデルかセルラーモデルにするか、耐衝撃性や防水機能はあるか、ストレージ容量はどのくらいか、サイズや重さは使いやすいかを検討しましょう。
現場管理でタブレットを活用する際のセキュリティ対策として、セキュリティソフトをインストールすることやパスワードを設定することが大切です。