限界利益とは?計算方法や意味を丁寧にご紹介します!

限界利益とは?計算方法や意味を丁寧にご紹介します!

企業や会社の事業の分析をする際、「限界利益」という言葉がよく出てきます。
利益を求める指標は事業の把握にかかせないものだからです。

今回はこの「限界利益」について、関連語彙も交えながら用語解説や計算方法など丁寧にご紹介していきます。

限界利益とは

限界利益とは、ある製品やサービスを1単位増やした場合に増加する収益から増加する変動費用を差し引いた値です。
限界利益は、英語でmarginal profitと言います。

なぜ、限界が “limit” ではなく”marginal” なのか疑問に思った方もいるのではないでしょうか?

実は、”marginal” という言葉は経済学やビジネスの場面でよく使用される用語で「限界の」という意味合いを持ちます。
限界的な意味で用いられる際には、一つの単位を追加して生じる変化を指します。
限界利益(marginal profit)の他には、限界費用(marginal cost)や、限界税率(marginal rate)などがあります。

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費用の種類

費用の種類は沢山あります。
今回は、その中でも限界利益を説明するにあたって、以下の2つの費用の種類を紹介します。

固定費用 企業が生産を行うために必要な費用で、売上に関係なく毎月や毎年必ずかかる費用
例)賃貸料、光熱費など
変動費用 企業が製品を生産・販売する際に発生する費用で、生産量に応じて変動する費用。
例)材料費、原材料費、労働費など

計算方法

限界利益は以下の式で求められます。

限界利益=売上高 ー 変動費用

お菓子を例に考えてみましょう。
1個100円の売値が付けられているチョコレートがあるとします。
このチョコレートの材料費(変動費用)が50円だとすると、限界利益は100円ー50円=50円となります。

限界利益からわかること

限界利益からわかることは、大きく分けて2つあります。
事業の収益力と最適な設定価格です。
以下で紹介していきます。

事業の収益力

限界利益からわかることの1つは、事業の収益力です。

先ほども説明した通り、限界利益では家賃などの固定費用を度外視します。
代わりに、商品やサービスの売上高と材料費などの変動費用に着目します。
そのため、その商品・サービスによってどれくらいの利益を得ているか、単純な事業の収益力の高さがわかります。

最適な設定価格

限界利益から分かることのもう一つは、最適な設定価格です。

限界利益を用いて価格設定を行うことで、商品やサービスの価格を適切に設定することができます。
限界利益を分析することで、製品やサービスを追加単位で生産・提供した場合の変動費用とそれに対する限界収益が分かるからです。

この情報を基に、価格を設定する際に以下の点を考慮することができます。

価格下限の把握

限界利益を考慮することで、商品やサービスの最低価格を設定する際にどの程度のコストをカバーできるかがわかります。
これにより、赤字を出すことなく価格を設定することが可能です。

価格上限の設定

同様に、限界利益を見ることで、市場の需要や競争状況に応じて商品やサービスの価格上限を設定することができます。
高すぎる価格設定は需要減少を招く可能性がありますが、適切な価格帯を見極めることで需要を最大限に引き出すことができます。

価格弾力性の理解

限界利益を通じて価格と需要の関係を理解することで、価格弾力性(価格変動に対する需要の反応度)を把握することができます。
価格弾力性が高い場合、価格変動が需要に大きな影響を及ぼすと考えられるため、戦略的な価格設定が求められます。

営業利益

限界利益とセットで知っておくと良い用語に、営業利益というものがあります。
営業利益とは、その名の通り、企業が営業活動から得る収益のことを指します。
計算方法や詳細については、以下でご紹介していきます。

計算方法

営業利益は以下の式で求められます。

営業利益=売上総利益 ー 販売費及び一般管理費

限界利益と異なる点

営業利益では、限界利益では考慮していなかった固定費用についても含めた指標になります。
そのため、企業が営業活動を行なっていく上で必要な土地代や水道光熱費、人件費、通信費など全ての費用を差し引いた際に、どれだけの利益が残っているかを求めることができます。

また、対処すべき問題も異なります。
営業利益が赤字の状態でも、限界利益が黒字の場合は事業そのものに問題がある訳ではありません。
そのため、固定費用の部分で見直しが必要になってきます。

営業利益と限界利益を別々に見るのではなく、組み合わせて見ることで企業の更なる利益の追求が可能になるのです。

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まとめ

いかがでしたか?

限界利益や限界利益率、営業利益など企業の利益に関する知識は非常に重要です。
各利益を分析することで企業の収益力や問題点が明らかになってくるからです。 より利益を出せる選択ができるよう、それぞれの意味をきちんと理解しましょう。

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