【建設業】工事写真とは?撮影の目的やポイントを解説!

【建設業】工事写真とは?撮影の目的やポイントを解説!

建設工事では、工事のすべての過程において工事写真の撮影が必要です

工事写真は、プライベートの写真のように自由にとっていいものではありません。
撮影の項目等に一定のルールがあり、最終的には第三者に提出が求められるものです。

では具体的に、何をどのように撮影したらよいのでしょうか。
この記事では、工事写真の目的や手順、ツールの活用についてご案内します

工事写真とは

工事写真とは、工事のすべての過程において、施工の様子を映した写真のことを指します。

工事写真は、なぜ必要なのでしょうか。
具体的に何を撮影するのでしょうか。

撮影の目的と対象について説明します

撮影の目的

工事写真は、材料や経過の記録によって、施工や補修が適切に実施されたことを証明するために撮影します。
具体的には、次の目的があります。

  1. 工事経過の記録
  2. 使用材料の確認
  3. 品質管理の確認
  4. 維持管理の資料
  5. 問題解決の資料

工事は完成してしまうと、外側から確認できない部分が多いため、工事写真によって施工の証拠を残しておくことが重要です。
定期メンテナンスや修繕を行う際にも、施工時との比較材料として役立てることができます。

撮影の対象

工事写真の撮影対象は、工事の種類によって異なりますが、どの工事でも共通して次の項目を撮影します。

  • 敷地内外の状況
  • 周辺の障害物
  • 許認可標識
  • 使用材料
  • 着工前の状況
  • 施工中の状況
  • 完工後の状況
  • 建設副産物・廃棄物

例えばコンクリート工事の場合、着工中の状況として、型枠の取り付けや試し塗りの状況を撮影します。
完成後の状況としては部位の高さや厚さを撮影します。

手順とポイント

実際に工事写真を撮影するときには、どのような手順で進めたらよいのでしょうか
ポイントと合わせてご案内します。

撮影計画

工事写真を撮影する前に、まず撮影計画書を作成します。
撮影計画書は、写真の撮り忘れがないよう撮影のタイミングを計画するものです。

写真を撮り忘れていると、材料や下地処理をあとから確認するのに労力がかかります。
そのため、最初に見通しを立てておくことが必要です。

機材の準備

撮影に入る前には、カメラや三脚、黒板等の機材を準備しておきましょう
カメラでなくても、スマートフォンやタブレットでも問題ありません。

工事黒板は、写真だけでは分かりづらい工事情報を文字で伝えるために使用し、対象物と一緒に撮影するものです。
工事黒板には、撮影日や工事名、撮影部位、施工状況、元請業者名、立会者氏名等などをを記載します。
撮影前に記載しておくとスムーズに撮影にはいれます。

最近では、アプリ上で電子黒板を作成し、写真に挿入することも可能です。

撮影のポイント

実際に撮影する際は、撮影計画書に基づいて行います。
その際は、次のポイントに注意しましょう。

  1. 着工前と着工後で比較できるよう、同じ対象へのアングルを固定する
  2. 文字や対象が不鮮明にならないよう手振れやストロボに注意する
  3. 施工部位の一定範囲と全景を撮影する
  4. 黒板等を用い、5W1Hがわかるよう撮影する
  5. 撮影後はすぐに写真を確認し、必要な場合は取り直す
  6. 公共工事の場合、提出写真の加工やトリミング等編集は行わない(電子黒板はOK)

上記4の工事写真の5W1Hとは具体的に次のものです。

  • WHO:請負業者や立会者
  • WHEN:工事の日時
  • WHERE:現場住所
  • WHAT:工事名、分類、種目
  • HOW:施工の方法や状況

写真の整理

撮影した工事写真を提出する場合は、工事台帳としてまとめる必要があります。
工事台帳は、写真のアルバムです。

工事台帳は表紙、目次、写真、写真の補足説明などで構成します。
見開きの冊子に、工事の工程順で写真を1ページに配置し、余白部分に補足情報を記入するのが一般的です

ExcelやWordで作成が可能ですが、最近ではアプリを使って簡単に作成できます。

アプリの活用

工事写真の撮影や保存、提出は、これまですべて手作業でするのが主流でした。
デジタルカメラで撮影した写真データをパソコンに移行し、工事台帳を作成する工程には、多くの時間と手間がかかります

しかし、スマートフォンやタブレット、工事専用写真アプリが登場し、それらの作業時間を抑えることができるようになりました。
ICTをどのように利用できるのかについて説明します。

機能

アプリには、電子小黒板機能があり、写真に黒板の図式を挿入することができます。
また、工事台帳機能がついていることが多く、テンプレートを利用して、簡単に工事台帳を作成することができます。

では、具体的にどのような手順でアプリを利用したらよいでしょうか

今注目のICT施工とは?導入目的や課題について解説

手順

スマートフォンやタブレット、アプリを組み合わる場合は、次の手順となるのが一般的です。

  1. 工事写真アプリをスマートフォンにやタブレットにインストールする
  2. スマートフォンやタブレットで工事写真を撮影する
  3. スマートフォンでアプリを開き、アプリ上で工事写真に電子小黒板を挿入する
  4. アプリ上で工事台帳を作成する
  5. アプリ上で工事台帳をPDFなどで出力し、メール等で提出する

上記によって、写真データの移行や黒板設置の手間を省くことができ、工事写真の撮影から提出までの時間を短縮することができます

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まとめ

工事写真とは、着工前から完工まですべての過程で施工の状況を撮影した写真です。
工事が適切に行われていることを証明するための資料として撮影が必要です。

工事写真の手順は、撮影計画、機材準備、撮影、提出の流れが一般的です。
事前に計画を立てることで、取り忘れを防ぎましょう。

また、工事写真にはスマートフォンやタブレット、工事写真専用アプリの活用が便利です。
ICTツールを活用して業務の効率化をはかりましょう。

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