経理DXとは?メリットや進め方、ツールをご紹介

経理DXとは?メリットや進め方、ツールをご紹介

今、多くの企業が経理DXの必要性を感じているはずです。
もっとも、どのように行えば良いのか、どんなツールを導入すれば良いのかなど、悩むことや検討課題も多いのではないでしょうか。

この記事では、経理DXとはなんなのかをはじめ、経理DXが求められる背景、経理DXを進めるメリットなどをご紹介します。
そのうえで、経理DXの進め方やツールもご紹介しますので、参考にしてください。

DXとは?

DXとは、デジタル技術を用いることで組織改革を行い、業務効率化や生産性の向上を図ることです。
単にデジタル技術を導入して利便性を高めるのではなく、会社組織としてコストダウンや収益アップにつなげ、変化の激しい時代に対応していく取り組みです。

DXは、英語の『Digital Transformation』(デジタルトランスフォーメーション)を省略したものです。
日本語では『デジタル変革』を意味します。

経理DXが求められる背景

DXは、会社組織全体をはじめ、職場の働き方改革などでも求められますが、特に今、経理DXに注目が集まるのはなぜでしょうか。
それには以下のような背景があります。

人材不足・属人化

第一の背景は人手不足属人化です。

人手不足はどの業界、どの部署や職種でも問題になっていることです。
少子高齢化で人手が不足している中、特に経理部門は簿記や経理の知識が必要で、経験を積まないとスムーズに仕事ができません。
そのため、簡単に採用してすぐに即戦力となるわけでもなく、人手不足は深刻です。

属人化とは、特定のスタッフに仕事を任せる形となり、仕事のやり方などが、その人に依存してしまうことです。
そのスタッフが定年退職を迎えたり、離職したり、休職したりしてしまうと、誰も仕事ができなくなるなど、困ることが少なくありません。

中には、属人化を放置したために、会社のお金を1人のスタッフに使い込まれるなど、大きなトラブルが起きることもあります。

属人化とは?あなたを苦しめる原因と簡単な標準化手順

改正電子帳簿保存法・インボイス制度への対応

改正電子帳簿保存法とは、電子データでやりとりした注文書や契約書、見積書、領収書などは送信側も受取側も、電子的に保存しなければいけないというルールです。
これまでは、電子データをプリントアウトしたうえで紙で保存することも認められましたが、2024年からは電子取引における電子データ保存が義務化されます。

国税庁『電子帳簿保存法関係』

また、インボイス制度は適切な消費税率を伝えるために2023年10月からスタートした制度です。
買い手は、仕入税額控除の適用を受けるためには、登録事業者である売り手からインボイスを交付してもらって保存しなくてはなりません。
売り手は、登録事業者となったうえでインボイスの発行が必要です。

インボイスの内容は細かく、条件なども多いので、アナログでの作成や従来のシステムでは対応が複雑化するため、DXによる運用の必要性を感じる企業が増えてきました。

国税庁『インボイス制度の概要』

リモートワークの促進

感染症対策にとどまらず、子育て支援人手不足の解消の観点からも、リモートワークの促進が求められています。
経理業務はセキュリティ対策などを整えれば、自宅やサテライトオフィスなどでも行うことが可能です。

近隣で人材を見つけられなくても、リモートワークが導入できれば、遠方に住む経理経験者を採用することも可能になり、人手不足が補えます。

経理DXを推進するメリット

経理DXを推進するメリットは、以下の通りです。
DXは面倒、システムの導入コストや教育コストなどがかかると難色を示している企業も、メリットを知れば、経理DX推進の方向に動くかもしれません。

コスト削減

紙の請求書の送付書類の保存にはかなりのコストがかかります。
プリントアウト代、紙代、封筒代や郵送費、ファイリングをするスタッフの費用、ファイル代、書庫の場所代も必要です。
電子化できれば、こうしたコストを大幅に削減可能です。

属人化防止

大企業は経理部門があっても、中小企業ではたった1人のスタッフが経理を担当しているようなケースもあります。
電子化により見える化を図ることや経理の知識が少ない人でも、システムに従って仕事ができるようになれば、属人化防止につながります。

急にスタッフが辞めても問題がなくなり、金銭の使い込みといったトラブルも防げるのがメリットです。

属人化とは?リスクや原因・解消方法までご紹介!

生産性向上

紙の書類のチェックをはじめ、金銭や数値を扱う経理部門では間違いが起こらないよう、ダブルチェック、トリプルチェックが必要になります。
多くの人手が時間をかけて処理していた業務も、経理DXで業務がスピードアップし、正確性も増して生産性向上につながります。

ペーパーレス化の実現

紙の請求書を送ったり社内の経費精算を紙の書類で行ったりしている企業も、電子データでのやりとりやシステムを通じた経費精算を導入すれば、ペーパーレス化が実現します。
紙代やプリントアウト代が不要になり、書類を保存する書庫の場所代などのコストもカットできるのがメリットです。

建設業のペーパーレス化!導入方法や成功のポイントを徹底解説

経営状況を可視化できる

システム上でキャッシュフローをはじめ、日々の売上状況やコストなどをすぐに確認できるので、的確な経営判断をスピーディーにできるようになります。

経理DXの進め方

では、経理DXはどのように進めていけば良いのでしょうか。
簡単に凝縮すれば、3ステップで進められます。

ステップ① 帳票をペーパーレス化する

まず、現在使っている契約書や見積書、請求書や経費精算書類などの帳票をペーパーレス化しましょう。
電子データ化システム化を行います。

ステップ② 業務を自動化する

経理業務で何度も繰り返していることの自動化を進めましょう。

たとえば、伝票を入力して、それを別の書式に転記して、請求書を作成する際はまた転記してといった業務を繰り返していませんか。
転記のたびに入力ミスなどが生じるおそれがあり、チェック業務も大変です。

一度入力したらすべてに反映され、電子データから自動で読み込んで請求書の作成から入金管理までできるようにすれば便利です。

ステップ③ 情報を一元化し、経営状況を可視化する

これまで使ってきたシステムなども統合し、情報を一元化しましょう。
これにより経営状況を可視化し、リアルタイムでスピーディーな経営判断ができるようになります。

経理DXに役立つツール

経理DXに役立つツールをご紹介します。
必要に応じて一つから始める、複数のシステムを組み合わせて使う方法のほか、すべてが一つで済むツールを導入するのもおすすめです。
ただし、費用の問題もあるので、できるところから始めていくのも良いでしょう。

電子帳票システム

電子帳票システムは、これまでの紙の帳票を電子化したうえで、データの入力から、送受信、保存などが一元管理できるシステムです。

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ワークフローシステム

ワークフローシステムとは、経理業務をはじめ、特定の仕事をシステム化できるものです。
いつものルーティーンワークの流れや紙ベースでやりとりしてきたことも、システム化できます。
業務効率アップや人手不足対策におすすめです。

ワークフローとはどういう意味?システム導入でできる改善

RPAツール

RPAとは、業務を自動化することです。
伝票を入力してダブルチェックして、請求書を作成して発送してといった業務を、できる限り自動化できれば、スピードアップや人手不足の解消に役立ちます。

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経費精算システム

経費精算システムとは、出張費用や交通費、接待費など従業員が立て替え払いした経費の精算を自動化するものです。

これまで紙の精算書に必要事項を記入し、レシートや領収書などを付けて経理スタッフに提出するなどして、アナログで精算していたものをシステム化できます。
たとえば、スマホでレシートの写真を撮ってアプリで送信すると、経理スタッフが確認して承認し、次回の給料日に給料に含めて支払われるといった仕組みです。

会計システム

会計システムは経理をはじめ、財務部門などの役割も入り、日々の取り引きの記帳から決算、税務申告までシステム化できるものです。
最新のシステムは、インボイス制度にも対応しています。
クラウド型を選べば、税制改正などもリアルタイムで反映されます。

ERP

ERP基幹系情報システムのことです。
経理にとどまらず、会社全体のDX化を図りたい時に役立ちます。

ERPとは?基幹業務を改善したいと思っている方必見!

経理DX成功のカギ

経理DX成功のカギは、以下の点に気を付けることです。

目的に合ったツールを導入する

経理DXを何のために行うのか、自社が掲げた目的に合ったツールを導入しましょう。
コスト削減や属人化防止など特定の目的のこともあれば、複数の目的を達成したいこともあるはずです。
目的達成や課題解決につながるツールを選びましょう。

ステークホルダーの協力を得る

請求書の電子化を図っても、取引相手が紙で欲しいというと、成り立ちません。
すべての取引先や顧客に一気に対応してもらうのは難しくても、なるべく自社に合わせてもらえるよう、ステークホルダーの協力を得ることも大切です。

セキュリティ対策を整える

金銭が関わる業務ですので、取引データが流失したり、金銭を横領されたり、取られてしまっては大変です。
リモートワークをしても万全のセキュリティで対応できるよう、セキュリティ対策を徹底することが求められます。

一元管理が可能!『建築・リフォーム業向け管理システム アイピア』

建築業向け(リフォーム・工務店)管理システム アイピア

アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報など工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間が削減されます。
さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。

まとめ

DXとは、デジタル技術を用いることで組織改革や業務効率化を図ることです。
経理DXが求められる背景として、人材不足・属人化、改正電子帳簿保存法・インボイス制度への対応、リモートワークの促進などが挙げられます。

推進するメリットには、コスト削減や属人化防止、生産性向上、ペーパーレス化、経営状況の可視化があります。
進め方は、帳票のペーパーレス化→業務の自動化→情報の一元化・経営状況の可視化の流れです。

経理DXに役立つツールとして、電子帳票システム、ワークフローシステム、RPAツール、経費精算システム、会計システム、ERPがあります。
成功のカギは、目的に合ったツールを導入すること、ステークホルダーの協力を得ること、セキュリティ対策を整えることです。

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