建設業を営んでいくうえで、時間や手間がかかるのが見積作成ではないでしょうか。
中小企業の多くは、現場仕事もしながら見積作成も対応しているケースも多く、長時間勤務に拍車をかけています。
現在は、DXによる業務改革や働き方改革が求められている時代です。
そのため、建設業でも使いやすい見積作成システムの導入で、DXを推進してはいかがでしょうか。
この記事では、現状のエクセルでの見積作成の課題と、見積作成のDXを行うメリット、見積作成システムの選び方をご紹介するとともに、2023年最新おすすめ7選をご案内します。
目次
DXとは
DXとは、アプリやシステムなどデジタル技術を活用することで、業務改革や働き方改革に役立て、業務効率化や生産性アップなどを図ることです。
DXを通して会社全体のコストダウンや収益アップ、業績アップなどにつなげていく取り組みです。
単にIT化して業務スピードをアップすることや効率化を図るだけでなく、業務フロー全体が大きく見直されることや仕事の仕方がガラリと変わるような変革をもたらすのがDXと言えます。
エクセルでの見積作成の課題
中小の建設業者を中心に、見積作成はエクセルで行っているケースが多いのではないでしょうか。
手書きや手計算で行っていた時代に比べれば、ひな形があるから便利、自動計算してくれるから安心と使っている方もいるかもしれません。
もっとも、今の時代はもっと技術が進化しています。
そこでまずは、DXが進まず、IT化にとどまっているエクセルでの見積作成の課題を確認していきましょう。
手間がかかる
ひな形があったとしても、一つひとつ入力していくのは手間がかかります。
基本的にチェック機能がないので、スタッフ間でダブルチェックやトリプルチェックを行わないと、入力ミスや入力漏れが起き、正確な見積もりを作成できません。
リアルタイムでの共有が困難
共有ファイルで管理していても、作成時は各パソコンでの作業が基本です。
リアルタイムで共有することは困難なのも課題です。
情報の一元管理が困難
次から次にできていく見積書をどのように管理していますか。
ファイルに月別や年度別に放り込んでいないでしょうか。
後から振り返りをする時や確認を取りたい時に検索するにも、作成年月を覚えていないとすぐに検索することもできません。
管理している部門以外のスタッフはすぐに確認が取れないなど、情報の一元管理が困難です。
属人化
ひな形を作っていても、各人が独自の作り方をすることや形式の統一が図れません。
ひな形を作ったスタッフが退職してしまうと、入れ込んだ数式などがわからなくなり、ファイルが壊れた際に復旧できなくなります。
自動化・データベース化が困難
エクセルで作った見積書は、どんどん蓄積されても自動的にデータベースは作成されません。
作成した見積書に番号などを振り分け、別途エクセルで作った台帳などに記録していかないと管理は難しいです。
見積書作成に加えて、管理台帳への記録が必要となり、手間がかかります。
記録漏れが起きるリスクのほか、管理台帳作成までの見積書を後から大量に登録しなくてはならず、結果として放置されるおそれもあります。
見積書も管理台帳もバックアップを取っておかないと、データが消失するおそれもあり、長期の保管や管理が難しいのが課題です。
見積書に関する記事はこちら
見積作成のDXを行うメリット
では、エクセルから見積作成ソフトへとDXを行うと、どのようなメリットが生じるでしょうか。
見積精度アップ
入力ミスや入力漏れを防いでくれる入力のサポート機能があるほか、自動計算やチェック機能なども備えているので、見積精度が高まります。
受注率アップ
見積書の作成やチェック業務などをスピードアップできるので、営業活動や顧客との商談に、より時間がかけられ、受注率をアップできます。
システムで作成された分わかりやすく、デザイン性にも優れた見積書での提案で、成約までのスピードが高まることや受注率アップするのもメリットです。
脱!属人化
システムで入力から計算、見積書の印刷や送付まで完結でき、誰が作成してもわかりやすく、精度の高い見積書が作成できます。
人によって項目が異なる場合やスタッフが離職すると見積書が作れなくなるような属人化から脱却できます。
コスト削減
見積作成業務がスピードアップするので、残業なども減らせて人件費や光熱費が軽減できるのもメリットです。
印刷して紙で渡さず、PDFファイルで送信できるなど、印刷コストや紙代も削減できます。
見積書に関する記事はこちら
見積作成システムを選ぶポイント
見積作成システムといっても、さまざまなメーカーから提供されています。
自社にマッチした使いやすい見積作成システムは、どのように選べば良いのでしょうか。
そのポイントを見ていきましょう。
必要な機能が使えるか
自社の見積業務に必要な機能が揃っていないと不便です。
機能をチェックしましょう。
見積作成に必要な基本機能
- 見積書テンプレート
- 入力支援機能
- 自動計算機能
- 入力漏れチェック機能
- 印刷機能
- 送信機能
- 保存機能
- 検索機能
クラウド型/インストール型
クラウド型なのか、インストール型なのかも重要なチェックポイントです。
建設業の場合、現場に出ているスタッフも多いので、クラウド型のほうが一般的には便利です。
クラウド型の特徴
- いつでもどこでもインターネットにつながれば使える
- スマホやタブレット、パソコンで利用可能
- リモートワークに便利
- コストが安い
インストール型の特徴
- ライセンスの購入が必要
- インストールしたパソコンが不具合を起こすと使えなくなる
- インストールしたパソコン以外では使えない
既存システムと連携可能か
初めてのシステム導入や見積作成システムの導入でシステムを一新するなら別ですが、既存の顧客管理システムや会計システムなども継続して使いたい場合には、既存システムと連携可能なものが便利です。
帳票のカスタマイズは可能か
帳票に自社に必要な項目がないケースや必要に応じて追加したい場合に、カスタマイズができないと不便です。
簡単に操作できるか
会社には、年代やITリテラシーもさまざまなスタッフがいます。
若いスタッフでも、現場仕事が多いと必ずしもITを使いこなせるとは限りません。
年代や経験を問わず、誰もが簡単に操作できるものがおすすめです。
サポート体制の充実度
いくら簡単に操作できるシステムであっても、慣れるまではわからない点が出てくることもあります。
思わぬ不具合が生じるかもしれません。
そのため、サポート体制が充実していることも大切です。
使い方マニュアルの提供やスタッフへのセミナーや研修の実施をはじめ、使っている間の電話やメールでの問い合わせ対応や遠隔サポートなどがあるか確認しましょう。
サポートしてもらえる曜日や時間帯が自社の業務時間と合っているか、有料、無料かも確認が必要です。
新制度・法律に対応しているか
2023年10月からスタートするインボイス制度への対応は必須と言えます。
インボイス制度に対応しているか、必ずチェックしましょう。
電子帳簿保存法では、大きく電子帳簿等保存、スキャナ保存、電子取引データ保存の3種類が規定されています。
電子帳簿等保存は、見積作成システムや会計ソフトなどで作成した帳簿や決算関係書類などを電子データのままで保存することです。
スキャナ保存は、取引相手から受け取った請求書や領収書などをスキャニングして保存することです。
電子取引データ保存は、領収書や請求書などをデータでやりとりした場合には、そのデータを電子的に保存しなければなりません。
電子データの保存に適しているかもチェックポイントです。
IT導入補助金対象製品か
IT導入補助金対象製品である場合、ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費などの費用の1/2〜最大3/4の補助を受けることが可能です。
かなりの費用の補助が受けられるので、検討している見積作成システムが、経済産業省のIT導入補助金2023のIT導入支援事業として採択されているかもチェックしましょう。
見積作成システムおすすめ7選
見積作成システムの選び方のポイントを踏まえ、見積作成システムおすすめ7選をご紹介します。
特徴や提供形態、価格、体験版の有無などを確認のうえ、自社に合ったシステムはあるか参考にしてください。
アイピア
見積もりや原価管理など、時間がかかる業務を効率化するために開発された、リフォーム・建築業の特化型業務管理ツールです。
建築業務に必要な機能がまとめて搭載されているので、使い勝手に優れています。
煩雑になりやすい進捗状況や書類、ファイルも一元化・見える化できるので、営業、事務、経理、現場、管理者とあらゆる部門やスタッフの生産性をアップしてくれます。
- リフォーム・建築業の特化型業務管理ツール
- PCが苦手でもすぐ使いこなせる
- 幅広い年齢層で使えるわかりやすい操作
- 外出先でも確認・入力・承認ができる
- サポート充実
価格
- ライト
初期費用120,000円、5ユーザーまで10,000円 - ベーシックプラン
初期費用420,000円、5ユーザーまで20,000円 - プロフェッショナル
初期費用510,000円、5ユーザーまで30,000円
(1ユーザー追加につき2,000円) すべて税抜き価格
提供形態
クラウド型
体験版の有無
無料体験デモあり
Misoca
見積書の作成がスピーディーにできるよう支援してくれます。
入力頻度の高い品名や単価を登録しておけば、呼び出して選択するだけですぐに入力ができ、単価の入力ミスも防ぐことができます。
取扱商品数の多い業種や月額料・顧問料など金額が固定されたサービスを提供している業者などに便利です。
- 見積書を1分で作成
- 見積書のメール送付・PDF発行・リンク共有、FAX送信もワンクリック
- 見積書を作り放題&取引先登録も無制限
- インボイス制度・電子帳簿保存法に追加費用なしで対応
価格
- 無料プラン
無料 - プラン15(月間請求書作成15通まで無料)
年間8,000円 - プラン100(月間請求書作成100通まで無料)
年間30,000円
すべて税抜き価格
提供形態
クラウド型
体験版の有無
無料体験あり
board
見積もり・請求・受発注管理・売上予測までワンストップでできます。
見積書や請求書の作成はもちろん、営業管理や支払管理、売上見込の把握、キャッシュフロー予測なども簡単にできるので、業務効率化だけでなく、経営面まで一元管理できます。
- 見積もり・請求・受発注管理・売上予測が簡単に
- 各種書類の作成と案件ごとの管理ができる
- 押印申請もシステム上でできる
- 書類の作成から送付までワンストップで完結
- 案件単位の損益管理
価格
- Personal(利用可能人数1人まで)
月額980円 - Basic(利用可能人数3人まで)
月額1,980円 - Standard(利用可能人数15人まで)
月額3,980円 - Premium(利用可能人数50人まで)
月額5,980円
すべて税抜き価格
提供形態
クラウド型
体験版の有無
30日間無料でお試し
ジョブカン見積/請求書
文字や色、画像を変更するだけで会社オリジナルの請求書を誰でも簡単に作成できる豊富なテンプレートが搭載され、まるで紙に書き込むような感覚でサクサク作成できます。
取引先ごとの請求残高もレポート機能で簡単に作成できます。
入金データや請求金額を自動集計してくれるので、ミスや工数の削減に便利です。
- 低コスト
- 豊富なテンプレート
- 請求書のメール送受信がスムーズ
- 申請/承認ワークフローでスピーディー
- 取引先ごとのレポート機能
- 消費税の自動計算
価格
- 価格
初期費用・サポート費用は無料で、1ユーザーあたり月額500円
すべて税抜き価格
提供形態
クラウド型
体験版の有無
30日間無料でお試し
見積Rich
見積書の作成・承認、納品書、請求書までWebで完結できる、テレワーク率向上をサポートするツールです。
自宅でのテレワークや現場での仕事など、離れた場所からでも、見積書の作成や上司への承認手続き、受注後の納品書や請求書の発行まで、クラウド上でスピーディーに完結できます。
- 見積書などの帳票はすべてPDF発行でき印刷コストを削減
- 外出先からも利用できる柔軟かつ厳格な承認フロー
- 過去見積書やテンプレートで見積時間を削減
価格
- 1ユーザープラン
0円 - 複数ユーザープラン
月額5,000円〜
提供形態
クラウド型
体験版の有無
最大2ヶ月間無料お試し
Sales Quote Assistant
四則演算の設定もでき、自由に見積フォーマットが作成できるフレキシブルな見積書作成システムです。
AI(人工知能)が搭載されており、よく使う項目の商品登録のアシストすることや価格間違いのチェックや販売停止商品のチェックなどを自動でしてくれるので、見積書作成時のミスを予防し、精度を高めてくれます。
- 生産性を高めるためのAI搭載
- 価格間違いや販売停止商品のチェックで見積もりの精度向上
- 見積書を受注伝票にできる
価格
- パッケージ版(ライセンス購入)
5ユーザー150,000円〜 - クラウド版
初期費用50,000円、1ユーザーあたり月額580円
提供形態
インストール型とクラウド型から選択可能
体験版の有無
30日間無料トライアルあり
MakeLeaps
グッドデザイン賞も受賞した、シンプルでわかりやすい操作画面で、書類作成を効率良くサポートしてくれます。
営業活動や経理業務に必要不可欠な各種書類をクラウドで一元管理でき、過去に作った書類の検索も速やかにできます。
2023年開始のインボイス制度にも対応しており、インボイス制度対応の請求書をミスなく簡単に作成できるのも便利です。
- テンプレートへの入力で見積書・納品書・請求書をスムーズに作成
- ほかの書類への変換もワンクリックで完了して転記ミス防止
- 書類の発送もワンクリック
- 連携も承認もクラウドで完結
- グッドデザイン賞を受賞した操作性の良さ
価格
- 無料プラン
無料 - 個人プラン
1ユーザーあたり500円 - 法人プラン
1ユーザーあたり800円 - エンタープライズプラン
25,000円〜
提供形態
クラウド型
体験版の有無
30日間無料お試しあり
見積作成なら『建築業向け管理システム アイピア』
まとめ
DXとは、アプリやシステムなどデジタル技術を活用することで、業務効率化や生産性アップなどを図り、業務改革を通じて、コストダウンや収益アップ、業績アップなどにつなげていく取り組みです。
エクセルでの見積作成の課題は、手間がかかること、リアルタイムでの共有が困難なこと、情報の一元管理が困難なこと、属人化しやすいこと、自動化・データベース化が困難なことが挙げられます。
見積作成のDXを行うメリットは見積精度アップ、受注率アップ、属人化からの脱出ができること、コスト削減です。
見積作成システムを選ぶポイントとして、必要な機能が使えるかをはじめ、クラウド型かインストール型の別、既存システムと連携可能か、帳票のカスタマイズは可能か、簡単に操作できるか、サポート体制の充実度、新制度・法律に対応しているか(インボイス、電子帳簿保存法)、IT導入補助金対象製品かを検討のうえ、チェックすることが大切になります。
見積作成システムおすすめ7選としてアイピア、Misoca、board、ジョブカン見積/請求書、見積Rich、Sales Quote Assistant、メイクリープスをご紹介しました。
特徴やコストなどを確認し、無料体験版を試すなど、参考にしてください。
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