少しでも自社の利益を上げたい建設業の方は多いでしょう。
利益を上げるためにはコストの改善が必要ですが、その際工事原価管理が重要です。
どの程度の原価かわかっていないと、実際コストがいくらかかっているのか無駄がないかなどは見えてきません。
効率的に原価管理を行うには、原価管理システムを使いましょう。
こちらでは工事原価管理や原価管理システムについても紹介していきます。
工事原価管理とは
工事原価管理とは、無駄をなくすためのコスト改善を目的に原価の計算を行うことです。
利益を上げるためには、無駄をなくして必要なものだけにお金をかけなければいけません。
しかし、原価がわからなければ、漠然とコスト改善したいと思ってもできません。
計算を行う際は、手書きやエクセルなどのソフトを使います。
工事原価管理の必要性
利益がないと企業は存続できないため、工事原価管理は必要です。
工事受注額が適正だったかどうかを後からチェックするためにも、工事原価を知っておかなければなりません。
原価がわからないまま適当に仕入れをしていては危険です。
適切に原価の管理を自社で行っておけば、後から見直しなどもしやすく財政面で大きなメリットが得られます。
無駄も見えやすく、次回からどう改善していけば良いのかも見える化されます。
利益を出す時には、売上から原価を引いたもので計算をします。
いかに必要なものに原価を使うかが勝負です。
工事原価を把握できるようになってくると、自社にとっての黒字と赤字のボーダーラインもわかってきます。
利益がどの程度見込めるのかもわかってくるため、計画が立てやすくなります。
工事原価管理の難しさ
工事原価管理は、一見単純そうに見えて複雑です。
そのため、現場での毎日の仕事に追われてしまい原価管理までしっかりと行えない企業も多くなっています。
やり方がある程度わかっていても複雑ですが、あまりわからないままエクセルで管理しようとすると難しくなります。
簡単ではなくなかなか時間が取れずに、実は原価を把握していない企業が多いのも現実です。
複雑な計算
一度覚えてしまえば簡単な計算であれば、空き時間をなんとか利用して原価管理ができるかもしれません。
しかし、建設業特有の外注費や収益や費用も独自の計算基準などもあり、慣れていない方は迷ってしまうでしょう。
本来、原価の要素は材料費、労務費、経費ですが、建設業では外注費も加わり4つの要素から考えなければなりません。
原価も現場別での計算が必要となり複雑です。
複雑なため計算を正しく行えれば原価管理しながら利益を追求できますが、逆に間違ってしまうと計算していたものと違ったとなりかねません。
自社としての利益も狂ってしまい、赤字になってしまう心配もあります。
ほかにも共通費が建設業にはあり、人件費が原価に入るかどうかを確認する必要もあります。
こちらもしっかりと見なければいけないため大変です。
手入力・手作業の負担
原価管理システムを使っていない場合、手入力や手作業となります。
ほかにも、さまざまな業務があるにもかかわらず、工事原価管理のために手作業で入力するのは大変です。
エクセルで管理をしていると、特に手入力しなければならない場面が増えます。
入力を行う前の、手作業での仕訳も結構大変です。
ミスがないように、現場からの情報を一つずつ確認しながら見ていかなければなりません。
入力する伝票の量も膨大になる場合も多く、ほかの業務にも支障が出てくる心配もあります。
複雑な分エクセルで手入力・手作業となると、時間が足りずに工事原価の管理まで回らない事態となってしまうでしょう。
原価管理に関する記事はこちら
工事原価管理の方法
工事原価管理を行うには、エクセルを使う方法と工事原価管理システムを利用する方法があります。
ここからは、エクセル、工事原価管理システムを利用する方法について説明していきます。
エクセル
普段から業務でエクセルを使い慣れている方も多いかもしれませんが、工事原価管理も行えます。
自分たちで使いやすいように自作も可能ですが、無料のテンプレートもあります。
エクセルを普段から使いこなし、知識が高い方であれば、自作をしてやりやすいように数式やマクロを使いながら作成できるでしょう。
しかし、ある程度は使えても、数式やマクロを使いこなす程の人材が自社にいない場合は難しいでしょう。
エクセルに精通した人材がいない時には、無料のテンプレートがおすすめです。
無料のテンプレートは、いくつかサイトがあります。
選ぶ時には、建設業に特化したものを選びましょう。
無料のテンプレートはほぼ決まってるため、表の体裁を整えるだけで使用できます。
自作では、原価管理の必要事項を入力していき、自分たちで使いやすいように作成します。
計算式やマクロを入力する際は、SUMの数式が便利です。
マスターデータを利用する場合は、Vlookupの数式を使いましょう。
ある程度エクセルの知識があれば、原価導入は取り入れやすいです。
原価管理システムを使えば、便利ですがその反面コストがかかってしまいます。
エクセルは高い導入費用もかかりません。
すでに日ごろからエクセルを使っているので、現場で作業をする従業員も混乱しません。
ボタンを押せば自動計算もできるため、使ってみると便利に感じるでしょう。
ただ、人が入力するためミスが発生しやすい、複雑な原価の計算はしにくいなどの弱点もあります。
工事原価管理システム
工事原価管理システムは、原価計算をシステムが適切に行い、利益につながるかどうかを見える化してくれます。
建設業では、実際にすべて終わり引き渡しの際とはじめに考えている見積もりとでは差が出やすく大変です。
見積もりの段階では問題なく利益も出るはずだったのに、工事していく中で経費がかかり過ぎて赤字になる可能性もあります。
工事原価管理システムは、工事の途中でもどの程度経費がかかっているのかリアルタイムで現状を把握できます。
知らない間に完成した時には、赤字になることを未然に防げて安心です。
原価管理システムは、社内にサーバーやソフトウェアを構えるオンプレミス型と、インターネットを利用してシステムを使うクラウド型があります。
オンプレスミス型は、自社に合わせてカスタマイズもでき、既存のシステムとも連携できて便利です。
ただ、セキュリティ対策は自分たちで構築しなければならず、何かシステムのトラブルがあっても対処もしなければなりません。
クラウド型は、インターネットがつながっていればどこでも使えるため、出先でタブレットなどからも簡単に確認できます。
機能は充実していて建設業に特化しているため、工事を進めていくうえで迅速な判断も可能です。
人件費やミスなどを減らし、効率的な経営ができるようになるでしょう。
おすすめ工事原価管理システム
具体的に、建設業の工事原価管理システムのおすすめが知りたい方もいるでしょう。
ここからは、特におすすめの工事原価管理システムを5つ紹介していきます。
e2movE
特 徴
- 物販と工事、トータルの実績がすぐわかる
- 与信管理を行い、事務コストも削減できる
初期費用 | 記載なし |
---|---|
月額料金 | 5,000円~ |
OSバージョン | 記載なし |
アラジンオフィス
特 徴
- 豊富な外部とのシステム連携事例がある
- 完成度が高くさまざまな業種に対応
初期費用 | 記載なし |
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月額料金 | 記載なし |
OSバージョン | 記載なし |
レッツ原価管理Go2
特 徴
- トータルサポートが充実
- お客様に合わせてカスタマイズも可能
初期費用 | 1ユーザー:11,000円 ご希望の場合は1拠点77,000円(税込) |
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月額料金 | 1ユーザー22,000円~ |
OSバージョン | Microsoft Windows 11 / Microsoft Windows 10 / Microsoft Windows 8.1 |
勘定奉公11[建設業編]
特 徴
- 最小限の作業でさまざまな作業ができ自動的にクラウドへアップロードできる
- 充良の経理業務の流れを変えずに使える
初期費用 | 記載なし |
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月額料金 | 記載なし ※製品価格 勘定奉行i11[建設業編]スタンドアロン740,000円~ Option150,000円~ |
OSバージョン | Windows 11 / Windows 10 |
どっと原価NEO
特 徴
- 自社に合わせてカスタマイズ可能
- 建設業に特化した機能を随時更新
初期費用 | 記載なし |
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月額料金 | 1~5人 20,000円~ |
OSバージョン | Microsoft Windows 11 / Microsoft Windows 10 / Microsoft Windows 8.1 |
工事原価管理システムの選び方
工事原価管理システムも探してみると、さまざまな製品があります。
どれを導入すれば良いのか、悩んでしまうかもしれません。
自社に取って使いやすく今後の利益のために役立つものを選べるように、適切な選び方を知っておきましょう。
一元管理が可能か
1つの現場だけでなく、複数の現場を掛け持つことも多いでしょう。
さらに、事務所での作業ではなく、さまざまな現場で工事をします。
この時、案件が多くなってしまうと、それぞれの現場の把握が困難になりがちです。
原価データの集計もバラバラのままでは、把握しにくいでしょう。
複数の現場のデータを、一元管理できる工事原価管理システムは便利です。
一度にさまざまなデータを確認しながら、全体的な原価の把握が可能です。
クラウド型かオンプレミス型か
工事原価管理システムは、1種類ではありません。
自社としてクラウド型かオンプレミス型か、どちらが使いやすいのか考えておくと良いでしょう。
より使いやすいようにカスタマイズしたいならオンプレミス型が良いです。
ただ、自社にサーバーを設置するため、システムの構築や初期費用が高い問題はあります。
初期費用を抑えさまざまなネット環境の中で使いたい場合は、クラウド型がおすすめです。
しかし、ランニングコストはかかりますので、長期的に利用すれば高あがりに感じてしまうかもしれません。
各メリットとデメリットを比べ、自社に合うものを選ぶと良いでしょう。
サポート体制
工事原価管理システムが問題なく動いている時は問題ありませんが、いつアクシデントが起き困ってしまう事態になるかはわかりません。
いざという時に、サポート体制が整っていると安心です。
特に操作で難しい部分なども聞けばすぐにサポートしてくれる工事原価管理システムを選んでおけば心強いでしょう。
工事原価管理なら建築業向け業務管理システム『アイピア』
まとめ
利益を上げ経営を向上させるためには、工事原価管理が重要です。
原価がどの程度かわかっていないと、工事が完了した時に結局赤字で終わってしまう事態も考えられます。
工事原価管理をしておけば、途中で黒字から赤字に転じそうな時も気が付いて迅速に見直せます。
エクセルでも把握は可能ですが、効率や正確性を考えると工事原価管理システムがおすすめです。
いくつか建設業向けの工事原価管理システムがあるので、自社に合うものを選ぶと良いでしょう。
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