【建築】工程管理とは?目的や手順、方法まで解説!

【建築】工程管理とは?目的や手順、方法まで解説!

建築工事を行うにあたって、工程管理は重要な位置を占めています。
納期や品質の確保など、お客様との信頼関係を築くうえでも、工程管理はしっかりと行いたいですよね。

この記事では、工程管理に関して、その目的や手順、方法まで詳しく解説いたします。
これを機に、今行っている工程管理の方法を見直してみましょう。

工程管理とは

施行管理において4大管理と呼ばれる、「工程管理・原価管理・品質管理・安全管理」のうち、工程管理は工事の過程に注目したものです。
ここでは、工程管理とは具体的にどういったものなのか、ご説明していきます。

工程管理の必要性

工程管理とは、建物の建築が工期に間に合うように、資材や労働力などを管理し、計画・運営する業務を指します。

建築工事には、多くの工程があることに加えて、多くの人員が工事に関わります。
現場の安全確保や、予定通りに効率よく作業を行うためにも、作業の手順や日程を調整した、適切な工程管理が求められています。

「工程管理」と「生産管理」の違い

工程管理と混同しやすい言葉に、「生産管理」があります。
工程管理と生産管理の違いは、簡潔に言うと管理の範囲です。

工期内の達成に重点を置くのが工程管理であるのに対し、数年先の業務まで視野に入れて長期的に管理するのが生産管理です。

つまり、生産管理の業務において、各工程が滞りなく進行しているか管理する業務が工程管理であると言う事ができます。

▼国土交通省による土木工事施工管理基準 土木工事施工管理基準及び規格値(案)

工程管理の目的

工程管理には、工期通りの工事の完了や品質の確保、生産性向上といった目的があります。
以下ではその他の目的も含めて具体的にご説明いたします。

工期の遵守

建築工事において、工期に遅れを生じさせないことはとても重要です。
お客様との信頼関係に影響を与えかねないのはもちろんのこと、工期が長引くことによってさらにコストがかかる場合も考えられます。

そこで、工程管理が重要な役割を担います。
工程管理を適切に行うことにより、何の作業をいつまでに完了させれば良いのか、正確に把握し管理することができます。

このように、把握と管理がされていることにより、納期に間に合うように工事を完了させるための、確実なスケジュールを立てることが可能です。

品質の確保

品質の確保も工程管理業務における大きな目的のひとつです。
しっかりと工程管理を行うことができれば、工事に必要な材料や人員も把握することができるため、資材や人員不足を防ぐことができ、高い品質の確保に繋がります。

工程管理をきちんと行い、お客様に提供する品質を維持することは、顧客満足度を高めることができます。

高い品質の商品を提供できるということは、従業員に負荷の少ない作業が行われていることを意味します。
より良い労働環境を作るためにも、工程管理は必要な作業であると言えます。

生産性の向上

建築工事の際に、工期通りに行うために材料や人材がどれほど必要になるか、正確に把握することによって、生産性を高めることができます。

商品の発注から納品までにかかる時間のことをリードタイムと呼びますが、工程管理を行うことにより無駄な時間を削減することが可能なので、このリードタイムを短縮することができます。

このように、無駄な作業を省くことができれば、そこに割かれていた資源や人材を別の作業へ回すことができるため、生産性の向上に繋がります。

コスト削減

コストの削減もまた、工程管理を行う目的のひとつです。
工事に使用する材料や機械を正確に把握することができれば、無駄な経費を削減することができます。

また、先述したように、リードタイムを短縮し、工事における生産性を高めることによって、労務費の削減も可能です。

きちんと工程管理を行い、品質の確保とコストの削減の両方を達成することにより、コストパフォーマンスの高い商品をお客様に提供することができます。

工程管理の手順

工程管理を効率的に行うためには、PDCAサイクルを回していくことが重要です。
PDCAサイクルは、計画(Plan)、実施(Do)、検討(Check)、処理(Action)の4段階で構成されています。

それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。

Plan(計画)

工程管理は、まず工事の計画を立てることから始まります。
そのために作成するものが工程表です。

工程表の作成では、全体の日程を把握するための「全体工程表」に加えて、より具体的な作業を記載した「部分工程表」、業者を把握するための「横線式工程表」なども作成します。

一般的な工程表の作成手順は以下の通りです。

  1. 施工手順の決定
  2. 施工期間の決定
  3. 作業完了までに必要な期間の決定
  4. 各工事の配分の調整
  5. 工程表の作成

この段階で無理な計画を立ててしまうと、スムーズに工事が進まず、納期やコストに影響がでる可能性があるため、行程の全体を把握しながら慎重に工程表を作成するようにしましょう。

Do(実施)

次の段階では、作成した工程表をもとに工事の指示、監督をします。
計画の段階でどれだけ緻密な計画を立てたとしても、実際に着工しないとわからないことも多くあるでしょう。

工事の課題にいち早く気付くためにも、現場の様子をしっかりと把握しておく必要があります。

また、万が一トラブルが発生したり課題を発見した場合は、きちんと対処した上で、次の「検討」の段階で活用できるよう、記録して問題点を整理しておくと良いです。

加えて、必要な資材や重機の手配も工程管理では行います。

Check(検討)

次に、工事の進捗を確認します。
計画通りに進んでいるか、現状と比較しながらその差異を正確に確認することがここでは重要です。

何か問題が生じた場合には、実施の段階で記録した問題点をもとに、現状の課題を把握し、原因を追究して解決策を練るようにしましょう。

また、天候や資材不足など、工事が遅れる可能性を考慮しながら計画を検討することによって、不測の事態に備えることもここでは必要です。

Action(処理)

最後に行うのが、工程表や工事の問題の改善です。
工程表と実際の工事の進捗にズレが発生した場合、遅れた部分を改善したり、工程表を作成し直したりする必要があります。

改善策を練る際には、先述したように天候の悪化や資材不足などを考慮したり、工事を実施してきたなかで発見した課題を踏まえながら、状況に応じて臨機応変に対応できるようにしましょう。

PDCAサイクルは繰り返し行うことによって、継続的に工程を見直し、改善していくことが重要です。
これらの手順を一度だけでなく、何度も行うことによって、より効率の良い生産的な工事が行えます。

工程管理の方法

工程管理をするためには、いくつか方法があります。
ここではExcelを用いた管理と、工程管理システムを用いた管理について詳しく解説していきます。

Excel

手軽に工程管理ができるのがExcelを利用した工程表の作成です。
関数やマクロを使用することにより、作業の一部自動化が可能です。

また、無料のテンプレートも多くのサイトで配布されているため、コストをかけずに工程管理ができます。

しかし、手作業による入力ミスや、計算ミス、さらには情報漏洩の危険性もあるため、デメリットを考慮しながら使用する必要があります。

工程管理システム

工程管理システムを用いた工程管理の方法も近年主流になりつつあります。
工程管理システムを利用することによって、これまで手作業で行っていた業務を自動化することができます。

またクラウド型のシステムであれば、情報の共有もスムーズに進むため、進捗状況をリアルタイムで把握することも可能です。

様々な業務を一元管理することができるシステムであれば、工程管理や労務費管理などを一元で管理できるため、スムーズな業務が期待できます。

工程管理システム導入による改善事例

工程管理システムを導入することによって、実際に業務は改善されるのでしょうか。
以下では、弊社の提供する「施工管理システム アイピア」の導入による業務改善の事例をご紹介します。

CASE01

事例1

案件の状況が一覧で表示されるうえに、工程ごとにブロック分けしてくれます。これならわざわざ口頭で報告したりしなくても「見れば分かる」状態になるので、手間が省けて助かります。

どんな進捗を記録するかは自由に設定できるので、細かな進捗管理も思いのままで使いやすいですね。

引用元:『アイピア』設計 導入事例インタビュー

クラウド型の施行管理システムである『アイピア』では、工程表をリアルタイムで共有することが可能であるため、スムーズな進捗管理ができます。

CASE02

事例2

案件の進捗が今どの段階にいるのか、次に何をすべきなのか分かりやすい。

ベロシティ管理機能も便利です。

これを通じて「2時間の会議にどれくらいコストがかかっているのか?」など普段何気なくやっていることにもコスト意識を持つことができるようになりました。まさに業務改善!って感じですよね。

引用元:『アイピア』IT 導入事例インタビュー

『アイピア』では、工程管理の他にも顧客管理や原価管理など社内の情報を一元管理することができます。
一元管理が可能なシステムであれば、このように日々の業務の課題も見直すことが可能です。

CASE03

事例3

これまで担当者1人に任せていると失注していたような案件でも、リアルタイムで営業マンや現場のフォローが出来るようになったことで受注に繋がるようになりました。

様々な情報がしっかり残せるので、あとから振り返る時にも具体的な対策を立てられるようになります。これを通じて、契約率だけでなくも高められつつあります!

引用元:『アイピア』新築 導入事例インタビュー

工程管理システムでは、過去のデータとの比較も容易にできるため、情報を蓄積させるほど、より生産性の高い業務を行うことができます。

工程管理なら『建築業向け管理システム アイピア』

建築業向け(リフォーム・工務店)管理システム アイピア

アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報など工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間が削減されます。
さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。

まとめ

工程管理は、工期の遵守や生産性を向上させるために重要な業務です。

PDCAサイクルを繰り返しながら、工事における課題を改善していくことによって、効率の良い業務ができます。
さらに工程管理システムを利用することによって、さらなる生産性の向上が可能です。

自社に合った工程管理の方法を探しながら、業務改善を図りましょう。

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