NETISとは?目的や活用するメリットを解説

NETISとは?目的や活用するメリットを解説

2020年10月から国土交通省発注の土木工事に対する新技術活用の義務化されることとなり、NETISというワードを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回は、NETISについて種類や仕組みなど詳しく解説してまいります。

NETISとは

NETISは、民間企業などによって開発された新技術に関する情報もしくは提供するためのデータベースのことです。
正式には「新技術情報提供システム」であり、「New Technology Infomation System」を略したもので、頭文字を取って名付けられています。

NETISの目的

工事における新技術は民間企業によって作られています。
この新技術には安全や環境保全、コストダウン、人員削減といったメリットがあります。

国土交通省がNETISに登録された新技術を、あらゆる企業などに使っていってほしいという思いから、NETISというシステムを作って国内に広めているのです。
また、新技術による積極的な開発を促すことや優秀な技術を持つ企業をサポートすることも目的の一つとなっています。

NETISの仕組み

ではここで、NETISの仕組みについて解説していきましょう。

  1. 最初に開発者が公共工事に関する新技術をNETISに登録することで、審査が行われます。
  2. 審査が通ると、条件が合う公共工事などにおいて新技術が活用されていきます。
  3. 新技術を活用した後に、産学官からなる評価会議において、実際の新技術の効果や性能などについて評され、5件以上評価を得た場合、その評価情報がNETISに登録されるという仕組みです。

評価情報が掲載されることによって、高性能な技術が普及することやさらなる技術の改良や開発が行われていくことになるのです。
さらには、業務の効率化にもつながりますし、コスト削減にもつながることでしょう。
また、この中でも特に優れた技術については、「有用な新技術」と認められることになることから、より活用されやすくなりますといった特徴があります。

NETISの種類

ではここで、NETISの種類についてご紹介しましょう。
NETISには、識別番号というものが設けられており、識別番号の末尾がA、V、VE、VRの4種類があります。

NETIS-A

NETIS-Aは、NETISに登録申請後、すぐに新技術として認められたものを指しています。
登録は5年更新となっており、10年まで適用されます。
VEやVRといった評価になった場合、さらに5年間掲載されるという形です。

ちなみに、評価されなかった場合は、Aのままで5年間の掲載のみで終了する仕組みです。
評価されれば追加でさらに5年掲載されるので10年掲載されるという仕組みになっています。

NETIS-V

NETIS-Vは、以前にNETISで評価された技術を指しています。
こちらも登録は5年更新となっており、10年まで適用される仕組みです。
ただ、現状はこのNETIS-Vの評価はなくなっており、次に紹介するNETIS-VEとNETIS-VRの2つで評価されています。

NETIS-VE

NETIS-VEは、今後特に調査する必要がないと評された技術を指しています。
登録してから10年まで適用されるものです。
つまり、実際に活用している企業がみんな良い評価をしている技術なので、どんどん使ってほしいという技術と表すことができるでしょう。
太鼓判を押されている技術だと言えます。

NETIS-VR

NETIS-VRは、今後も調査する必要があると評価された技術を指しています。
登録は5年更新となっており、10年まで適用されています。
つまり、今後も引き続き調査を実施していく必要があるものであり、今後NETIS-VEになる可能性がある新技術だと言うことができます。

NETISを使用するメリット

ではここで、NETISを使用するメリットについて紹介していきましょう。
メリットには、開発者側のメリットと施行者側のメリットがそれぞれあります。

開発者のメリット

先に開発者のメリットについて見ていきましょう。

技術提案での加点評価につながる

総合的に評価し、落札者を決める総合評価入札方式にて受注を目指すためには、技術提案の内容こそが大切です。
NETISに登録された有用な新技術の商品を技術提案に取り入れることによって加点評価につながりやすくなり、落札される可能性が高まります。

技術が活用される機会の増加

NETISに登録されることで、国や地方公共団体の発注者や施工業者、コンサルタントなどに情報が提供されることになるため、新技術が活用される機会が増加する可能性が高くなります。
ただし、国土交通省として技術を認定することや推奨するというわけではなく、登録された新技術は必ずしも公共事業などで活かされるというわけではありません。

施工者のメリット

では次に、施行者側のメリットについて見ていきましょう。

工事成績評定点の向上

NETISに登録された技術を活用して施工が実施されると、完工後に工事成績評表定点の加点対象となります。
また、施工時にコスト削減につながることや工期を短縮できたといったような質の高い実績が残されると、次の入札の際プラスに働く効果も期待できるでしょう。

品質や安全の向上

評価の高い優れた技術というものは、工事自体の品質や安全性の向上につながりますし、業務の効率化、コストダウンにもつながります。
工事は、いかに効率良く作業ができるかということが大切ですが、NETISに登録された評判の高い確かな新技術を活用することでコストダウン、そして施工に大切な工期の短縮にもつなげることができます。
適切なシーンで適切なNETISに登録された技術を活用すると、従来の工法などに比べてコストも品質も安全も改善されることでしょう。

『建設業向けシステム アイピア』

建築業向け(リフォーム・工務店)管理システム アイピア

アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報など工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間が削減されます。
さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。

まとめ

今回は、NETISの目的や仕組み、メリットについて解説してまいりました。
NETISは品質や安全性の向上や業務効率化のために登録された新技術を誰でも活用できるように提供されている情報提供データベースです。
新技術を開発した側も施工者もメリットがあります。
まだご覧になったことがないという方は、ぜひご覧になってみて活かされてみてはいかがですか。

執筆者情報

関連記事

  1. ガントチャート工程表とは?目的やメリットについて解説!

    ガントチャート工程表とは?目的やメリットについて解説!

  2. 原価計算とは?目的や計算方法を詳しく解説

    原価計算とは?目的や計算方法を詳しく解説

  3. 水道施設工事とは?管工事との違いや業種区分について解説

    水道施設工事とは?管工事との違いや業種区分について解説

  4. 【2023年最新版】請求書業務を効率化するおすすめソフト10選

    【2023年最新版】請求書業務を効率化するおすすめソフト10選

  5. 施工体制台帳とは?書き方も含めて解説!

    施工体制台帳とは?書き方も含めて解説!

  6. 見積原価とは?計算方法やポイントをご紹介!

    見積原価とは?計算方法やポイントをご紹介!