電子帳簿保存法改正で領収書の管理はどうなる?電子化の要件を解説

電子帳簿保存法改正で領収書の管理はどうなる?電子化の要件を解説

決算や確定申告の時期に大切になってくるのが領収書です。
これまでは、毎年三月のために1年分の領収書はしっかりと保存しておかなければいけませんでした。
とはいえ、紙の資料はかさばりやすいのがネックでした。

また、紙はちょっとしたきっかけで紛失してしまいがちです。
それを踏まえて、新たに電子帳簿保存法が改正され、領収書の扱いがしやすくなっています。

電子帳簿保存法の緩和で領収書管理はどう変わる?

電子帳簿保存法とは、その名の通り帳簿を電子化する際のルールを決めた法律です。
従来の法律では、たとえば領収書のような書類を保存する際、あらかじめ税務署に届け出をする必要がありました。

電子帳簿保存法によって、紙の資料を無理に保存する必要はなくなったのですが、一方で電子化するにあたっていちいち許可を取らないといけないというデメリットもあります。
しかし、2021年12月にこの部分の法律が改正され、これまでの規定が緩和されることが決定しました。
では、どこが変わったのでしょうか。

領収書の保存が可能に

今回の改正では、決定的に変化したポイントが一つあります。

それは書類を電子化する際に税務署長に事前承認を求める必要がなくなったところです。
これにより、領収書などの書類の電子化による保存が従来と比べて格段に簡単になりました。

電子保存要件とは

ちなみに、書類を電子化するにあたっては、電子帳簿保存法が定めている電子保存要件を満たさなくてはいけません。
保存要件は4項目設定されています。

1つ目は、必ず訂正や削除の履歴が表示される電子計算機処理システムを使って保存することです。
履歴書などの書類には改ざんがあってはいけません。
仮になんらかの訂正が行われるとしても、いつその追記を行ったかを明記する必要があります。

2つ目は、帳簿システムの説明書を保管しておくことです。
税務署の職員が調査しに来た際にスムーズに帳簿ソフトを利用できるようにしておきましょう。

3つめは、電子化された書類をすぐにディスプレイに表示させたり、コピーしたりできる体制を整えておくことです。
帳簿を電子化したとしてもそれが読めないようでは意味がありません。

4つ目は電子化した書類の検索機能を整えておくことです。
どこにどの書類があるかすぐにわかるシステムを整備しておきましょう。

領収書の電子化に必要な要件

領収書を電子化するにあたっては、真実性の確保と可視性の確保が必要になります。
それぞれ詳しく見ていきます。

真実性の確保

電子化された書類は、改ざんの可能性があります。
手書きの書類などと比べて加工することもできますし、数字をいじるのも容易です。
そのため、真実性の確保は念入りに行わなくてはいけません。

具体的に言うと、領収書を電子化した時のタイムスタンプは必須になります。
このほか、ほかの書類との関連性を確認できるようにすることも重要になるでしょう。

可視性の確保

電子保存要件のところで触れた検索システムも可視性の確保に含まれます。
従来は検索システムには複雑な条件が求められていました。

今回の改正ではそれがだいぶ減って、日付、金額、取引先が検索できれば十分です。
一つひとつの項目をしっかりと入力し、すぐに領収書にアクセスできるようにしておきましょう。

領収書を電子化するメリット

これまで領収書を紙のまま扱っていた会社にとっては、わざわざ電子化する必要があるのかと疑問に思うかもしれません。
そこでここからは、電子化のメリットを見ていきましょう。

紛失リスクの削減

一枚だけならともかく、何枚もの書類が保管してある場所をそれぞれ記憶しておくのは難しいです。
あの書類はどこにやったっけ、と探してもなかなか見つからなくなることも珍しくないでしょう。
その結果、書類の行方がわからないということもままあります。

電子化して保存しておけばそういったリスクを減らすことができます。
電子化すれば検索システムを活用できるので、すぐに書類を見つけ出せるでしょう。

経費精算の効率化

経理にとって経費精算は大変な作業です。
一枚一枚領収書をチェックして、金額を逐一確認しなくてはいけません。

領収書を一通りまとめたけれど数字が合わないという事態に見舞われた経理経験者は多々いるはずです。
電子化すればこうした手間はなくなり、仕事はよりスムーズに行われるでしょう。

管理コストの削減

領収書を保管しておくためにはコストがかかります。
領収書を保管するためのファイルはもちろんのこと、ファイリングを行うスタッフの人件費も支払わなければいけません。
電子化すればファイルなどの物品を買う必要はなくなり、スタッフにほかの仕事を行わせることができます。

領収書を電子保存する際の注意点

このように、だいぶ緩和された領収書の電子保存ですが、依然として注意しなければいけないポイントがいくつかあります。
ここを押さえておかないと、損をする羽目になりかねないので、慎重に電子化を行うようにしましょう。

領収書の原本保管

従来は、領収書を電子化しても原本となる書類は7年間保管しておかなければなりませんでした。
しかし、今回新たに改正された電子帳簿保存法では、原本は破棄しても問題ないことになっています。

そもそも電子化を緩和する目的の一つに、書類の管理コストの削減にありました。
それなのに、原本の保管を義務付けるようでは本末転倒です。
もっとも、これが適用されるのは2022年以降の書類に限られます。

それ以前の書類に関しては依然保管しておかなければなりません。
そのため、領収書を破棄しても良いという文言をうっかり読み間違えてしまって、2021年以前の資料を捨ててしまわないよう注意しておきましょう。

領収書の電子化のタイミング

従来は電子化は3日以内に行わなくてはいけませんでした。
今回の法改正では書類が発行されてから70日以内に電子化を行うこと、と定められています。

つまり、領収書をもらったらおよそ2ヶ月までの間に電子化を行わなければなりません。
猶予期間は長めに取られていますが、できるだけ早いタイミングで電子化を行うに越したことはないでしょう。

罰則に注意

仮に発行から70日を超えた書類を電子化してしまったらどうなるのでしょうか。
その際はいくつかの罰則が適用されます。
具体的に言うと、青色申告の承認の取り消し、そして追徴課税なども行われる可能性があります。

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まとめ

従来の電子帳簿保存法では電子化はあくまで任意でした。
一方で、今回の電子帳簿保存法では領収書などの電子化は義務となっています。
政府は各方面でペーパーレス化を推進していますが、今回の法制化からもその本気度が伝わってきます。

もっとも、そうした義務化にすぐに対応できる企業は少ないでしょう。
そのため、政府では猶予期間として2年を設け、2024年の義務化を目標としています。
この猶予期間の間に、どこが改正されたのか、どのように電子化すれば良いのかをマスターしておきましょう。

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