社会人として書類は必ず作れるようになったほうが良いでしょう。
とはいえ、中には社会人としていくつものビジネス書類を作っているけどいまだに慣れないという方もいるはずです。
そこで今回は、ビジネス書類の作成方法や作るうえで押さえておきたいポイントをいくつか解説していきます。
ビジネス書類には種類がある
まずは、ビジネス書類には社内文書、社外文書、そして社交文書の3種類があることを押さえておきましょう。
社交文書はパーティーなどの招待状や病気になった社員へのお見舞状のことを指します。
今回は、この社交文書の詳しい解説は省き、特に作成することの多い社内文書と社交文書について見ていきましょう。
社内文書と社外文書の違い
社内文書は会社に向けた文書です。
内輪向けの文書というと肩ひじ張らずに気楽に書けるものなのでは、とイメージする方もいるかもしれません。
とはいえ、ビジネス書類であることには間違いありませんから、きっちりと形式ばった書き方で作る必要があります。
これに対して社外文書は、取引先や顧客などの社外に向けた文書です。
他人に宛てた文書ですから、礼儀を何よりも優先させて文書を書くべきことは言うまでもないでしょう。
文書の具体例
社内文書と社外文書とざっくり分けても違いが見分けづらい人もいるかもしれません。
それよりは、これが社内文書で、これが社外文書という具体例を出したほうがわかりやすいでしょう。
まず社内文書の具体例としては、仕事の内容を上司に知らせる報告書や会議の内容などを記載する議事録などが挙げられます。
このほか、人事の異動や他所への出張を命じる辞令なども社内文書に含まれるでしょう。
これに対して社外文書は、取引の支払いを要求する請求書やこう取引してほしいといったことを書く依頼書が挙げられます。
請求書の書き方に関する記事はこちら
ビジネス書類の基本構成
ビジネス書類は、どの業界も慣例をもとに書いています。
過去に作成された書類を見ながら、ほかの社員はこう書いているのだからそれを真似すれば良いだろう、と考えて作っているのが現状です。
ですので、そういった基本的な構成に従って作れば間違いはありません。
基本的な構成
ここからは、ビジネス書類でよく使われている書式について見ていきましょう。
もちろん、中には会社独自のルールで、ここにはない項目を追加しているところもあるかもしれません。
そういった場合は、社内のルールに従いながら文書作成を行うのがベストです。
管理番号(主に社内文書)
管理番号は、複数ある文書をわかりやすくまとめるための番号です。
かつて、文書番号は必ず記さなければいけませんでした。
現在では文書番号は記す必要はありません。
とはいえ、多くの会社では番号があったほうが管理しやすいという理由で今も記載しています。
日付
この文書を作っている日を記します。
なるべく文書を印刷した日付、もしくは社内や社外に発布する日付を記すようにしましょう。
宛名
誰に向けた文書なのかを明記していない文書は、内容が分かりにくくあいまいなものになりがちです。
社内文書ならば「社員各位」、社外文書の場合は取引先の会社の名前や「お客様各位」などと記すようにしましょう。
作成者
文書を作った人が誰か分からなければ、メッセージが明確に伝わりません。
社内文書の場合は名前を書くようにしましょう。
社外文書の場合は名前だけでなく会社名もあわせて記すべきです。
顧客などに広く文書を発表する場合は会社名のみでも十分です。
タイトル/件名
なんの要件でこの文書を発表しているのか、ということを端的に記しましょう。
たとえば、顧客への連絡をしたいのならば「お客様へのご連絡」と書くべきです。
概要/全文
日本では、挨拶の意味を込めて主題に入る前に時候の言葉を添えるという文化があります。
これがあると一気にビジネス文書らしくなり、礼儀も表現できるのでできれば添えるようにしましょう。
社内文書は社内向けのため前文は書く必要はありません。
一方で、社外文書ならば礼儀を尽くすためにも前文を記しておきたいです。
前文は季節ごとにこう書くべき、というフォーマットが存在します。
たとえば、暑い夏の場合は、「酷暑の候」といった言葉を使うと良いでしょう。
主文
ここまで書いてようやく本題に入れます。
連絡したい事柄をここに漏らすことなく書くようにしましょう。
締めの文言
前文同様、末尾にも定型句を添えることでより礼儀を尽くしている印象を与えることができます。
「敬具」や「何卒よろしくお願いします」などといった言葉を使うと良いでしょう。
追伸・連絡先等
手紙が主流だった頃は一通り文章を書き終えた後で、まだ書くべきことがあったという時に、「追伸」と書いて書き洩らしたことを記すという文化が存在していました。
一方で、今はパソコンなどで文書を作るのが主流でいくらでも修正は利きます。
そのため、追伸の欄は設けなくても良いでしょう。
レイアウトにも注意
ワードなどのソフトで文書を作る際はレイアウトにも配慮したいところです。
たとえば、件名の文字サイズを大きくしたり、主文を真ん中に持ってきたりして、読みやすい文書にするような気配りは欠かせません。
あまり凝ったレイアウトにするのは禁物ですから、ほどほどを心がけるようにしましょう。
社内文書の例
社内文書の例をお見せします。
社外文書の例
社外文書の例がこちらになります。
書類整理に関する記事はこちら
書類作成時のポイント
書類を作るにあたって欠かせない基本構成を学ぶだけでは、良い書類を作れるとは限りません。
ビジネス書類を作るならここは押さえておきたいというポイントがいくつか存在します。
ここからは、これを押さえておくと書類の質がぐっと良くなる5つのポイントをご紹介していきましょう。
簡潔に書く
たとえば、取引先に先月の取引に関する請求書を送るケースを考えてみましょう。
その場合、件名はどのように書けば良いでしょうか。
「請求書」とだけ書くのはあまりに簡潔すぎてぶっきらぼうな印象が否めません。
かといって、要件を長々と書くようではいけないでしょう。
件名が長すぎる文書を見せられると、読む方はそれだけで文書の中身を読む気が失せてしまいます。
こういった場合は、「7月の取引の請求書」と必要な事柄を簡潔に書くだけで十分です。
文体や言葉遣いを統一する
社内文書にせよ社外文書にせよ、「です・ます」調で書くべきか、「だ・である」調で書くべきかは悩ましい問題です。
結論からいえばどちらを選んでも問題ありませんが、一度どちらかを選んだ以上は文体は統一するようにしましょう。
また、細かな言葉遣いもまとめるのが望ましいです。
たとえば、「こと」や「とき」などといった言葉は漢字にするかひらがなにするのかで迷います。
最初は「事」と書き、後で「こと」と書き直すようではいけません。
文法(5W1H)に注意する
文章を書くうえではいつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように、といった5W1Hを必ず意識しなければいけません。
どれか一つでも欠ければあいまいな文章になってしまうのですが、これはビジネス文書においても同様です。
たとえば、入社式の社内文書を作るとしましょう。
ここで肝心の「What」にあたる入社式を開催するといった文言がなくなってしまうと、なんの連絡なのかがわからなくなってしまいます。
結論を最初に明記する
ビジネス文書は基本的に短い文章でまとめられるものです。
とはいえ、結論が明示されないままどうでもいい文章が続くとだんだん読む気が薄れてしまいます。
そういったことを防ぐためにもすぐに結論を書くようにしましょう。
箇条書きを活用する
文章が続くと要点が掴みづらい文書になりかねません。
伝えるべきことがはっきりとしている場合は箇条書きを使うようにしましょう。
たとえば、入社式を開催することを伝える文書ならば、「開催日:令和5年4月2日」といった具合に書くとすっきりした文書に仕上がります。
ビジネス文書のメールでの送付に関する記事はこちら
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まとめ
ビジネス書類は普通の文章とは違って独特な書式にもとづいて作られることが多いです。
最初のうちはそういった書式になれるのが難しいでしょうが、かっちりと決まったルールにさえ慣れればすぐにわかりやすい書類が作れるようになります。
嫌がることなく、これも仕事の一環だと割り切って何枚もの書類を作成して慣れるようにしましょう。
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