【リフォーム業向け】積算の方法を解説!積算ソフトの活用法も紹介

【リフォーム業向け】積算の方法を解説! 積算ソフトの活用法も紹介

リフォーム業では、顧客に見積もりを提案する前に積算が重要になります。
この記事では、新築工事とは異なる特徴もあるリフォーム業向けに積算の方法を解説していきます。
積算の方法をはじめ、積算ソフトを活用するメリットや活用法もご紹介していきますので、参考にしてください。

積算とは

積算とは工事を行うのにいくらかかるか、費用を算出することです。
工事にはさまざまな費用がかかります。
建築資材や住宅設備などの材料費をはじめ、作業するスタッフの労力、重機などのリース料や燃料費、移送費用など現場での工事に関わる費用から、事務所のOA機器の費用や作業員の福利厚生費など間接的な費用も必要です。

1つの工事を行うにあたり、あらゆる費用をどんどん積み上げ、全体でいくらかかるかを計算するのが積算です。
積算額に利益を上乗せすることで、見積額が算出できます。

工事原価とは?4つの構成要素から管理方法まで解説

リフォーム工事における積算

リフォーム工事における積算は、新築工事とは異なる点も多いです。
建物丸ごと1棟を建てるのとは異なり、顧客によりどの場所をどの範囲でどうしたいのか、一つひとつの案件で異なります。

顧客により求めるグレードが異なり、工法や使用する建材や設備もそれぞれ異なるので、同じ場所のリフォームでもことなる積算を利用することが少なくありません。
リフォームするには、現場の状態の調査も欠かせません
設計図などが残っていればい良いですが、残っていない場合には、積算もより複雑になります。

また、リフォームでは新築と異なり、なんらかの解体作業や廃材の処分も必要です。
クロスや床の張り替えでも、古いクロスや床を撤去して産業廃棄物を収集運搬して廃棄するといった手間とコストがかかるため、この費用も漏れなく積算しなくてはなりません。
新築より規模が小さく、工期も短くなりますが、手間やコストを細かく積算することは欠かせません。

積算でミスをし、実際の費用より積算額が低ければ赤字になってしまいます。
逆に積算額を高く計算してしまうと、リフォームでは相見積もりをする方も多いので、信頼を損ねる場合や依頼してもらえないリスクも生じます。

積算の手順

リフォームをするにあたり、積算の基本的な手順を確認していきましょう。
積算の手順の基本的な流れは、人員の決定資材の選定工事費用の算出書類作成です。
それぞれの手順について、具体的にご紹介します。

人員の決定

まず、リフォームに携わる人員を決定し、その歩掛を求めて労務費を算出しなくてはなりません。

たとえば、洗面所のリフォームを行うにも、洗面台の交換だけでなく、床やクロスの張り替えも行う場合には、内装職人と水道工事もできる職人が必要です。
交換、張り替えの手間だけなく、床やクロスを剥がす手間や古い洗面台を撤去する手間も加算しなくてはなりません。

歩掛では1人の作業員が8時間で行える作業量を指し、これに労務単価を掛けることで労務費が算出できます。
基本的には公共建築工事標準単価積算基準を目安にして、職人の技術や経験レベルに合わせた算出を行うことが必要です。

国土交通省HP 公共建築工事標準単価積算基準

資材の選定

次に資材の選定を行います。
洗面所リフォームの例で言えば、クロスや床材に何を使うか、洗面台はどのメーカーのどれを選ぶかです。

一般的には顧客の希望で選びますが、表に出ない資材などは業者側で決めることになります。
一つひとつの資材の仕入れ単価を細かく積み上げなくてはなりません。

工事費用の算出

人員の選定による労務費と資材の選定による材料費といった直接工事費のほか、事前調査の費用や後片付けの費用、機材の運送費や車や工事の保険料といった間接工事費も漏れなく積み上げ、工事費用を算出します。

書類作成

積算結果を書類にまとめます。
積算が正しく行われないと、会社の利益にも関わることになるため、通常はダブルチェック、トリプルチェックが必要です。

積算額をもとに、協力会社などへの支払額を決定して実行予算書を作成します。
実行予算書から顧客に提案する見積書を作成するといった流れです。

積算の方法

積算を手計算で行うのは基本的に無理で、膨大な時間がかかるので、エクセルを活用するか、専用の積算ソフトを使うのが一般的です。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

エクセルの活用

エクセルを自社で活用する場合、積算の内容に合わせ、フォーマットを作っておくのが一般的です。
毎回一から歩掛や資材の単価などを調べて入力しているのでは手間がかかり、ミスや漏れも生じます。
よく行うリフォームごとに、リスト化数式などを入れてフォーマット化しておきましょう。

積算ソフト

積算ソフトは建築業で行われるリフォームごとに、フォーマットなどがすでに用意されています。
公共建築工事標準単価積算基準や何万点もの資材のデータなどが搭載されており、ワンクリックなどで呼び出すことが可能です。
直接工事費、間接工事費といったリフォーム工事に必要となるあらゆる費用の漏れが出ないよう、入力漏れをチェックする機能なども備わっているのが一般的です。

リフォーム工事で積算ソフトを使うメリット

では、リフォーム工事において、エクセルではなく積算ソフトを使うメリットをご紹介します。
現在、エクセルで時間がかかる、ミスが多い、面倒などと感じているなら、どんなメリットがあるか、しっかり確認していきましょう。

人為的ミスの防止

使用する歩掛や資材の選定、単価の入力ミスや積算漏れなどの人為的ミスを防止できます。
積算ソフトには入力を支援する多くのデータが搭載されており、入力漏れなどを防ぐチェック機能なども搭載されているためです。

歩掛とは?活用するメリットや計算方法を解説!

スムーズな情報共有

エクセルの場合、作成中は作成担当者が1人で抱え込んでしまうケースがほとんどです。
上司などが積算状況を確認したくても、すぐにチェックできません。

積算ソフトの場合、クラウドを利用するタイプなら、よりスムーズに情報共有できます。 作成中の保存データをはじめ、完成後の書類等の書類を、時間や場所を問わず閲覧できるので、スムーズな情報共有ができるのがメリットです。

積算業務の効率化

積算は細かな計算が必要となりますが、リフォームの相談があった場合や現場調査を行ったら速やかに行わなくてはなりません。
リフォームでは見積書を比べて業者を選ぶ顧客も多いので、あまり時間をかけていると、ほかの業者に案件を取られてしまうおそれもあります。
かといって、後から積算が間違っていたからと見積額や契約金額を変更するわけにはいきません。

エクセルでの作業から、積算ソフトを使うようになれば、積算業務のスピードがアップします。
積算業務に多くの時間を割く必要がなくなれば、リフォームの営業活動や顧客の相談により丁寧に応じることなどができるようになります。
業務の効率化により、業績アップにもつなげられるのがメリットです。

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まとめ

積算とは、工事に関わるすべての費用を積み上げていくことです。
これに利益を上乗せすると見積額につながりますが、積算を間違えれば、工事で赤字を出すリスクもあるので正確さが求められます。

リフォーム工事における積算では、事前調査の費用や解体、撤去費用、産業廃棄物の収集運搬処分費用などもかかるので、漏れなく積算しなくてはなりません。
顧客の希望により、リフォームする箇所も目的も資材のグレードも異なるので、その都度細かな計算が必要です。

積算の手順として人員の決定、資材の選定、工事費用の算出、書類作成が必要になります。
積算の方法には主としてエクセルを活用する方法と、積算ソフトを使う方法があります。
リフォーム工事で積算ソフトを使うメリットは、人為的ミスの防止、スムーズな情報共有、積算業務の効率化です。

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