施工管理システムは、工事に関する様々なデータを一元管理できるシステムです。
業務の効率化のために導入を検討している企業も増えていると思います。
しかし、どんな製品があるのか、どの製品が自社に合うのか、など悩むこともあるのではないでしょうか。
今回は、施工管理システムの概要や機能、選定のポイントを解説し、おすすめの製品を紹介します。
施工管理システムとは
施工管理システムとは、工事の契約から進捗管理、売上金の回収まで工事に関するデータを一元管理するシステムです。
工事管理システムとよばれることもあります。
手書き伝票など紙媒体での管理や手入力による管理を面倒に感じたり、ミスを減らしたいと考える方も多いのではないでしょうか。
施工管理システムを導入することで、こうした作業を効率的に行えるようになります。
また、バラバラに管理されていた情報を集約することによって、企業内、協力会社との連携がスムーズに行えます。
システム上で進捗状況をリアルタイムで確認できるため、変更やトラブルにも迅速に対応することができます。
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9つの基本機能
実際、施工管理システムにはどのような機能があるのでしょうか。
以下では、代表的な9つの機能を確認していきます。
1.受注工事管理
工事の受注が発生すると、工事ごとの契約内容や予算、工期などの情報を登録し、管理することが必要です。
受注工事管理の機能では、これまで手入力で行っていた登録や管理といった作業を簡略化することができます。
入力した情報は現場で確認することもできるため、引継ぎ漏れなどのミスの防止につながります。
2.実行予算管理
工事は案件ごとに受注金額などが異なります。
そのため、各案件ごとに実行予算を作成する必要があります。
実行予算管理の機能を用いて工事の手段や費用、工期などを具体的な数字で入力することで、案件ごとの売り上げや利益を可視化することができます。
また、施工中に発生した原価と実行予算をリアルタイムで比較できるため、コスト管理がスムーズに行えます。
3.発注管理
発注管理の機能を利用すると、実行予算データに基づき、発注金額の管理をすることができます。
実行予算に自社の利益を加えた掛け率を算出し、発注金額を決定します。
4.請求管理
請求管理の機能を利用すると、請求情報を工事や工種で分類して管理することができます。
原価情報なども自動的に更新されるため、作業の手間が省けます。
また、発注元ごとに請求書の発行ができ、入金予定日や明細情報などの管理も簡単に行えます。
これにより、事務作業の効率化を実現できます。
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5.支払管理
工事の施工計画書をもとに必要な資材などの仕入れを行うと、それに応じた支払いが発生します。
支払管理の機能を利用すると、支払いに関する管理が効率化されます。
仕入れ先別に支払日を登録し、支払依頼書などの書類作成や支払方法の調節を行えるほか、支払額の仕訳を自動作成することもできます。
さらに、業者別の集計表示をすることも可能です。
支払管理・支払管理システムについてはこちら
6.入金管理
入金管理の機能を利用すると、発注元からの入金情報を管理することが可能です。
これは、経理作業の効率化につながります。
また、入金管理の機能では、請求金額に対する現時点での入金額と残金の明細を管理することができます。
特に受注金額の大きい工事では、一括入金にならない場合が多々あります。
この機能を用いることで、重複請求などのミスを防止することができます。
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7.工事原価管理
工事原価管理の機能を利用すると、工事の案件ごとに仕入れなどの原価管理を行うことができます。
これに加えて、今後の支払予定の管理や売り上げ全体に対する原価率の管理も可能です。
複雑になちがちな工事原価管理を簡易化し、徹底的に管理することで、想定外の外注費などが発生した場合にも迅速に対応することができます。
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8.工程管理
工程管理の機能では、工事案件ごとの進捗状況を管理することができます。
工事をスムーズに進めるためには、進捗と工程の管理が重要です。
工程管理の機能を利用することで、現場も状況をリアルタイムで可視化でき、計画とのズレに気づくことができます。
このため、工程や人員配置の見直しなどに迅速に対応することが可能です。
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9.作業日報管理
作業日報管理の機能では、工事案件ごとに作業日報を管理できます。
原価や追加発注の要請報告などを記録しておくことで、実行予算との比較や原価管理の見直しが可能になります。
また、日報報告によって作業の進捗状況や問題を確認することができます。
その他の機能
導入する製品によっては、以上9つの機能の他にもいくつかの機能が搭載されています。
ここでは、顧客管理、情報共有機能、営業支援機能について紹介します。
顧客管理
施工管理システムには、顧客管理の機能が搭載されているものもあります。
顧客との関係は一時的なものではなく、修繕作業の依頼や問い合わせなど、工事終了も続く場合があります。
点検予定日や修繕履歴などを記録することで顧客関係管理(CRM)に役立ちます。
記録した顧客情報を全体共有することで、各担当者への伝達漏れを防止し、業務をスムーズに行うことができます。
情報共有機能
チャットの機能を用いて情報共有が可能な製品もあります。
チャット機能を利用すると、変更点や確認点などをその場で簡単に共有することができます。
進捗報告や日報もチャット機能を用いて現場から送信できるため、報告書を作成するために事務所に戻るといった手間を省くことができます。
営業支援機能
施工管理システムには、営業支援機能が搭載されているものもあります。
営業活動や経理作業の作業を一元管理することができ、スマートフォンやタブレット端末から作業の完了処理を行えます。
また、営業案件の進捗情報を一覧できる機能や、過去の提案書などを管理する機能もあります。
案件ごとに住所を登録することで、ルート営業にも活用できます。
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施工管理システムのメリット
これまで施工管理システムの多様な機能を確認してきました。
以下では、システムを導入することによるメリットを4つのポイントから説明します。
データを一元管理
施工管理システムの導入による最大のメリットは、工事に関するあらゆるデータが一元管理できる点です。
工事の情報を部署ごとにまとめていると、会計処理や経営判断に必要な情報を抽出する際に、手間と時間がかかります。
施工管理システムを活用することで、必要なデータを簡単に取り出すことができるため、ミスの防止にもつながります。
また、情報管理に携わる人員を減らすことができるため、コストの削減も見込めます。
スムーズな情報共有
施工管理システムを用いデータを一元化することで、社内だけでなく、外部のクライアントや発注業者との連携がスムーズに行えます。
現場の状況がリアルタイムで可視化されるため、現場ごとの進捗報告を確認する手間も省けます。
情報共有や連絡の手段が一元化されるため、情報の伝達ミスや遅れ、認識のずれなどが生じにくくなります。
また、プライベートの電話やメール、その他の連絡手段を利用する必要がなく、個人情報漏えい防止にも役立ちます。
意思決定の迅速化
施工管理システムの導入によって、原価や売り上げの見込みなどもリアルタイムで把握でき、予実管理を正確に行うことができます。
経営判断を下す層が、こうした精度の高いデータを把握しておくことで、意思決定の迅速化につながります。
意思決定が迅速に行われることで、業務効率化や生産性の向上を実現できるでしょう。
ペーパーレス
工事現場では、工程管理表や日報など、紙で管理されている情報が多くあります。
施工管理システムを導入することで、情報を紙に出力する必要がなくなります。
また、ペーパーレス化により、印刷にかかる費用や手間を削減できます。
施工管理システムのデメリット
これまで、施工管理システムを導入することによるメリットを確認しました。
良いことばかりに思える施工管理システムですが、デメリットは存在するのでしょうか?
ここでは、想定される2つのデメリットを説明します。
使いこなせない
施工管理システムを導入する前には、現場での管理体制を整えておく必要があります。
体制が十分に整っていない状態で導入してしまうと、現場で混乱が生じる可能性があります。
自社内の管理体制や業務の見直しを行い、管理システムを導入するタイミングが適切かどうか判断することが重要です。
操作が複雑
システムを導入したはいいものの、操作が複雑だと感じる場合があるかもしれません。
紙での作業に慣れていると、電子機器の使用に抵抗感を覚えることもあるでしょう。
パソコンやスマートフォンなどの機器に関する知識や、インターネットなどの情報を扱う能力のことをデジタルリテラシーといいます。
導入したシステムを使いこなすには、デジタルリテラシーが高い社員を常駐させる、必要な操作や知識を学ぶ機会を作るなどの対策が必要です。
操作がなるべく単純な製品を選ぶのも良いでしょう。
施工管理システムの選定ポイント
先ほど説明したデメリットに対処するには、自社に合った施工管理システムを選ぶことが不可欠です。
ここでは、システムの選定ポイントを4つ紹介します。
自社の課題を整理
施工管理システムを導入する前に、現場管理や経理作業に関する自社の課題を整理しましょう。
自社の課題を克服するためには、どんなシステムが必要なのかを分かっておくことが重要です。
搭載機能が豊富なシステムを導入すると、コストがかかる一方で、使わない機能が出てくるなど無駄が多くなります。
自社にとって不可欠な機能を見極め、適切なシステムを選びましょう。
カスタマイズ可能性
多くの施工管理システムは、搭載機能があらかじめ決まっています。
特に、クラウドで提供されるシステムは、導入後に機能の変更ができない場合があります。
導入後に機能のカスタマイズが必要になることも想定されるため、カスタマイズ可能なシステムを導入しておくと良いでしょう。
提供形態の確認
施工管理システムには提供形態に違いがあります。
この違いは導入後の運用に影響するため、自社に適したものを選びましょう。
提供形態は、大きく分けてクラウド型とオンプレミス型の2つがあります。
以下では、それぞれの特徴を確認します。
クラウド
クラウドは、インターネット環境を利用して導入する方法です。
自社でシステムを構築する必要がないため、すぐに利用開始することができ、運用もスムーズです。
導入時のコストも比較的抑えられます。
しかし、製品によってはシステムの仕様があらかじめ決められており、カスタマイズが難しい場合があります。
また、長期的にみるとコストがかさむ可能性があります。
システムを運用する期間や予算を十分に検討する必要があります。
オンプレミス
オンプレミスは、サーバーやソフトウェアをユーザ担当者が管理できる施設の中に設置する方法です。
自社運用といわれることもあります。
購入後は自社所有となるため、自由なカスタマイズが可能です。
また、社内の既存のシステムとの連携も比較的簡単にできます。
他のシステムと共有する必要がないため、セキュリティが守られ安全に運用できることもオンプレミスの特徴です。
初期費用はかかりますが、購入型のため長期的にみるとコストを抑えらます。
サポート体制
システム導入後のサポート体制も、導入前に確認しておきたいポイントです。
特に、スマートフォンやタブレットなどの操作に不慣れな場合、操作方法の確認やエラーが出た時の対処法など、サポートを求める場面が増えることが予想されます。
サポート体制は、電話やチャットなど製品によってさまざまに異なります。
時間帯が限られている場合もあるため、自社に合ったサポート体制が用意されている製品を選ぶと良いでしょう。
おすすめの施工管理システム 5選
ここまで、施工管理システムの基本的な機能や導入のメリットなどを確認してきました。
以下では、おすすめの施工管理システムを5つ紹介します。
導入を検討する際の参考にしてみてください。
アイピア
アイピアは、建築・リフォーム業向けの一元管理システムです。
顧客管理や請求管理など、工事に関する情報を一括で管理することができます。
特 徴
- 書類の作成が簡単
工程表や見積書など、工事に関する書類を短時間で簡単に作成できます。
工程表は、工程を一括で動かすことができるため、急な日程変更にも迅速に対応することが可能です。 - 工程の管理や共有が簡単
工事ごとに工程の管理が可能で、各工事の工程は全体工程表にも自動で反映されます。
また、外出先からでも工程の確認や変更ができるため、情報共有がスムーズに行えます。 - 写真や書類の共有ができる
工事に関連する資料を、工事のデータに紐づけて管理することができます。
データの保管にはGoogleドライブを使うので、外出先からも共有データを確認することが可能です。 - 経営状況を把握・分析できる
経営情報をリアルタイムで把握することができます。
この情報をもとに、迅速かつ柔軟な経営判断を下すことが可能です。
提供形態 | クラウド |
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参考価格 |
ライトプラン:120,000円~ ベーシックプラン:360,000円~ プロフェッショナルプラン:450,000円~ |
体験版 | 無料デモあり |
ANDPAD
ANDPADは、施工管理業務を一元管理できるシステムです。
不動産やゼネコン、設備工事など、建築・建設業界の様々な分野で利用されています。
特 徴
- まとめた情報がいつでもどこでも閲覧可能
工事に関する情報を案件ごとにまとめて管理することができます。
案件に関する注意事項や近隣情報なども閲覧でき、社内外のメンバーの間での情報共有がスムーズに行えます。 - 工程の管理や共有が簡単
工程変更の更新が簡単にできます。
工程ごとに担当者を設定しておくと、更新が自動で通知されるため、連絡漏れがなくなります。 - 案件ごとのチャットルーム
案件ごとに、関係者全員が参加するチャットルームを立ち上げることができます。
業務専用のチャットなので、個人用のSNSを利用する必要がなく、セキュリティーが守られます。 - 写真の管理と共有ム
スマートフォンで撮影した写真をそのままクラウド上で管理できます。
ANPAD上の写真は全員が閲覧できるため、メールやFAXを使う必要がありません。
提供形態 | クラウド |
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参考価格 |
初期費用10万円+月額費用+オプション費用 (月額、オプションはプランによって異なる) |
体験版 | - |
ダンドリワーク
ダンドリワークは、新築・リフォーム・専門工事など建築事業者向けの一元管理システムです。
施工現場に必要な情報や図面などをクラウド上で管理することができます。
特 徴
- 1人1ID付与
元請会社だけでなく、協力会社であっても利用者1人ひとりに個別のアカウントが付与されます。
このため、個別の閲覧履歴や利用率を把握でき、現場全体での運用を円滑に進めることができます。 - まとめての通知が可能
情報の更新を一斉共有できる一方で、共有範囲を制限したり、更新した情報をまとめて通知したりすることができます。
- 権限設定が可能
情報の公開範囲や編集権限を詳細に設定できます。
このため、内部統制や情報セキュリティーを強化することができます。 - 既読ボタンの搭載
既読ボタンを押すと「既読」と表示される機能が搭載されています。
コメントを開くと自動的に既読になるわけではないため、未読者の特定が容易です。
提供形態 | クラウド |
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参考価格 | 初期費用10万円~、月額利用料19,800円~ |
体験版 | - |
Photoruction
Photoructionは、施工管理の業務プロセスを効率化する建設生産支援クラウドです。
ソフトの導入支援だけでなく、建設DX戦略の支援も行っています。
特 徴
- 写真の管理
アプリで撮影した写真を直接アップロードすることができます。
「撮影階」や「通り芯」など様々な属性情報を写真に付加することが可能です。 - 工事黒板機能
アプリには黒板機能が搭載されています。
使用した黒板は履歴として保管され、改ざん検知機能も備わっています。 - 外部への共有がスムーズ
ワンタイムパスワードや有効期限のついたURLで情報を共有できます。
共有した写真へのお絵描きやコメントを追加することが可能です。 - 建設DXプロフェッショナルサービス
ヒアリングをもとに、建設DX実行のための継続的な支援を受けられます。
提供形態 | クラウド |
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参考価格 | お問い合わせ |
体験版 | 無料トライアルあり |
建て役者
建て役者は、建設業向けの総合管理システムです。
部門を超えた情報共有を可能にし、業務の効率化を実現します。
特 徴
- 柔軟なカスタマイズ性
企業ごとの業務の変化や経営方針の変化に沿ったカスタマイズが可能です。
企業の要望に柔軟に対応できるため、長期にわたって利用することができます。 - グラフ集計
システム上に蓄積されたデータをグラフで可視化できる機能があります。
新規顧客の流入数や、引合の前年比、部位別の工事依頼集計などを集計することができます。 - 強固なセキュリティ
24時間365日のデータセンターの監視体制に加え、提供元のコンプライアンス遵守など、情報管理のサポート体制が整っています。
提供形態 | クラウド |
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参考価格 |
ライト:30,000~ スタンダード:350,000~ プレミアム:580,000~ |
体験版 | デモサイト無料体験あり |
まとめ
今回は、施工管理システムの概要や機能、選定のポイントを解説しました。
自社に合ったシステムを導入すれば、手間のかかる作業を効率的に行えます。
まずは自社の抱える課題を整理し、課題解決のために最適な製品を選ぶようにしましょう。
弊社が提供する『建築業向け管理システム アイピア』は、建築業に特化した一元管理システムです。
工事ごとの原価管理をはじめ、見積機能や案件進捗管理機能、発注管理機能などをまとめて管理できます。
「工事に関するデータを効率的に管理したい!」という方は、ぜひ一度アイピアをご検討ください。