近年は膨大な量の見積書や請求書などの管理の負担を軽減するために、ペーパーレス化が進んでいます。
そこで、見積書も、ペーパーレス化に伴い、エクセルなどで見積書を作成し管理するケースが増えています。
今回は、見積業務をいかにして効率的に担っていけば良いかについて迫っていきたいと思います。
エクセルで見積業務を行う課題
見積書を作成するにあたって、PCの中にインストールされているエクセルを用いて作成、管理している会社も多いのではないでしょうか。
使い慣れているパッケージソフトで作成するので、作成や管理も簡単なように感じますが意外にもエクセルで見積業務を行うには課題がたくさんあります。
見積もりの精度が低い
エクセルで作成する見積書は、積算に置いて原価精度が低くなってしまいます。
積算を行う際に参照できる価格マスタをエクセルで作成し管理しようとすると、過去の膨大なデータを拾って作成しなければならなくなるため、非常に困難になり、うまく活用できず精度が下がってしまうでしょう。
さらに、価格マスタがないことで作成の手間が増え、打ち込む時間も長くかかってしまいます。
見積書の共有が困難
通常会社の場合は、営業担当などが変わることもしばしばです。
また、休んだ場合、フォローをするのに担当部署内または全社において本来なら見積書は共有されているべきものです。
エクセルで管理していると別の社員の見積書やデータなどを検索する際に、どこに保存しているのかを探し出すのに非常に手間がかかります。
エクセルデータでは、一人ひとりの社員が個別のデータで保管しているからです。
また、通しの管理番号もうまく社内で管理し付与できないといった問題も生じるでしょう。
見積業務が属人化する
見積書をエクセルで管理すると、どうしても営業個人が個別で作成してそれぞれのパソコンで保管して管理してしまうものです。
つまり、見積業務が完全に属人化されてしまうといったケースが生じています。
それゆえに、本来会社の各業務の知識や手順は部署やチームといった組織で共有されていなければならないものであるのにかかわらず、個人ですべて管理しているため、特定の個人でなければ業務を遂行できないような形になってしまう可能性もあります。
見積もりの承認に時間がかかる
見積書は、徐々に電子化される方向に進んでいますが、エクセルでは完全なる電子化が非常に難しく煩雑になってしまう可能性があります。
そもそも見積書のような書類は、承認が必要です。
承認や承認後の押印、そしてPDF化をして押印済の見積書を顧客などにメールで添付するといった複雑なフローが必要になってしまいます。
エクセルで作成した見積書を上長がなかなか確認せずに業務が進まないといったことも生じるでしょう。
見積書の書き方に関する記事はこちら
見積業務を効率化する方法
では見積業務はいかにして効率化していけば良いのでしょうか。
その手段をいくつか紹介していきましょう。
過去の見積もりをデータ化する
見積もりを作成するにあたっては、過去のものに似通った案件などが頻繁に出てくるはずです。
そのような時に過去の見積もりがデータ化されていると、過去に提示した見積もりを簡単に検索することができ、会社全体で見積業務が効率化できるでしょう。
見積もりの承認作業を電子化する
一般的には企業で見積もりを作成する際、承認制が設けられていることがほとんどです。
これは、見積価格を適正化するために必要ですし、個人の勝手な判断で見積もりを提示してしまうことで生じるトラブルなどを防ぐこともできます。
また、取引先への上長印があることで信用にもつながるでしょう。
この見積もりの承認作業は紙ベースで承認を回すよりも見積書を電子化することで、印刷をすることや押印する手間をなくすことができます。
見積提出メールを半自動化する
取引先へ見積書を提出する際にメールを使用する企業も多いでしょう。
この時に、その度に見積もり送付メールを最初から作成しているのでは手間がかかってしまいます。
そのため、見積メールに対してテンプレートをあらかじめ作っておくことで、いつでも簡単に見積もりを送信できることができます。
見積書の電子化にかんする記事はこちら
見積システム導入で見積業務の効率化を実現
このような見積業務の効率化を図るには、エクセルではなく専門の見積システムの導入が必須です。
見積システムにもあらゆる種類がありますので、それらをご紹介しましょう。
見積システムの種類
見積システムには主に3つの種類があります。
専用型
まず専用型の見積システムは、見積書作成に完全に特化されたシステムとなっているものであり、担当者が社外で利用する際に最適なシステムとなっています。
過去の見積もりをいつでも参照して利用することができ、過去の履歴データに基づいて適正な見積書が簡単に作成できます。
販売管理・ERP型
販売管理・ERP型の場合、見積書作成だけではく、出荷・請求管理まで一元管理したい場合に活用できるシステムです。
ERPとはEnterpriseResourcesPlanningのことで、企業の経営資源であるヒトやモノ、カネ・情報を一元管理できる基幹システムを指しています。
業種特化型
業種特化型は、建設業、IT、卸売などそれぞれの業種に特化した項目が組み込まれているシステムになります。
建設業の場合であれば、資材、機材、人件費などの費用を積み上げて工事にかかる費用を出す積算が可能になるといったようなものです。
見積システムの機能
見積システムの一般的な機能について紹介していきます。
基本機能
見積システムには、製品ごとの価格をデータベースで管理して、誰でもできるような簡単な入力操作で見積もりを作成することができるといった機能を兼ね備えています。
原価情報なども簡単に管理することができるでしょう。
このほかにも、見積業務を効率化させるための機能としてPDF化したり、メール送信機能が付いていたりなど、すべてペーパーレスで電子管理を行うことができます。
データベースへいつでもアクセス可能
さらに、モバイル機器を活用して社外からも見積もりのデータベースへいつでもアクセスできることから、出先で見積もりを作成できるといった機能もあります。
また、見積業務の効率化の点でも問題であった承認フローも、見積管理システムから行えます。
全社の各部門よりデータベースへアクセスできることから、上長が見積もりをいつでもチェックし、承認を行うことができます。
つまり、出張先などで見積書を作成してもいつでもタイムリーにデータベースにアクセスできるため、上長からの承認を円滑に受けることができるといったメリットがあるのです。
見積の作成・管理システムに関する記事はこちら
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まとめ
いかがでしたか。
現在、エクセルを使って見積業務を実践している企業は業務効率化を図るにあたって、ぜひ見積システムの導入を検討されてみてはいかがでしょう。
そうすることで、全社で情報が共有できますし、承認フローもスムーズに行うことができます。
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