見積書はPDF化しても有効なのか?電子化の要件や注意点について徹底解説

見積書はPDF化しても有効なのか?電子化の要件や注意点について徹底解説

近年は、IT化によってビジネスにおいても文書の電子化が大きく進んでいます。
受発注する前に必要となる見積書もPDF化して、ペーパーレス化を図ろうとする企業が増えていますが、見積書はPDF化しても有効なのでしょうか。

今回は、見積書のPDF化について解説していきます。

見積書はPDF化できる?

ペーパーレス化が進む現代の日本では、見積書などの書類も電子化を検討されている方が多いでしょう。
見積書はPDF化できるのでしょうか。

PDF化した見積書は法的に有効か

まず、見積書がPDF形式で保存、活用できても、実際にそれが法的に有効でなければ意味がありません。
結論から見ると、見積書をPDF化したものでも特に法的に何の問題もなく、有効だと言えます。

そもそも見積書というものが実際の契約を結ぶ前段階の、受発注前に発行されるという文書であることから必ずしも発行する義務は生じません。

つまり、見積書はなくても受発注の取引を行うことが可能です。
紙媒体の見積書であろうが、PDF形式の見積書であろうが特に問題はなく、どちらも法的に有効だと言えるのです。

電子帳簿保存法における電子化の要件

電子帳簿保存法が改正されたことで、2024年1月以降は電子データでやりとりした見積書や控えなどは、保存要件を満たしたうえで適切なデータ保存が義務化されることになっています。

見積書の場合、原則法人の場合は7年、個人事業主の場合は5年の保存期間が必要になりますが、もし法人が赤字決算となった場合については、欠損金の繰越控除を受ける際、見積書を10年保管しなければなりません。
これは紙媒体も同じ保管期間であり、電子データの場合も同じ期間での保存が義務となります。

見積書をPDFデータとして送る場合には、次の要件を満たしてデータ保存されていなければなりません。

  • タイムスタンプの付与など改ざん防止を施すこと
  • 日付や金額、取引先の検索可能性
  • ディスプレイ、プリンターなどの備え付け

電子データとして贈られてきた見積書に関しては、今後データを紙媒体に印刷して保存することはできなくなります。
基本的に見積書は電子データで保存し、紙媒体で受け取った見積書の場合だけ、紙媒体のまま保存できます。

見積書をPDF化する方法

ではここで、見積書をPDF化する方法について紹介していきましょう。

エクセル・ワードで作成しPDF形式で発行

まず、最も簡単にできるのは、エクセルとワードで作成した文書をPDF形式で発行する方法です。
現行提供されているエクセル、ワードそれぞれ、ファイルをエクセル文書、ワード文書からPDF文書へ変換する機能が備わっています。

その方法は非常に簡単です。

今回は、代表してエクセルを紹介しましょう。

  1. ファイルタブをクリックし、名前を付けて保存をクリックします。
  2. 参照をクリックすると、名前を保存ウィンドウが開きますので、ここで「ファイルの種類」を「エクセルブック」から「PDF」へ変更しましょう。
  3. 「保存」をクリックするとPDFファイルが作成できます。

また、このほかにももう一つ方法がありますので、紹介します。
これは、ファイルタブのエクスポートを使った方法です。

  1. ファイルタブのエクスポートクリックします。
  2. 「PDF/XPFドキュメントの作成」-「PDF/XPFの作成」をクリックすることでファイルの種類が自動的に「PDF」となり、ファイル名を付けて保存できます。

紙の見積書をスキャンしてPDF化

紙媒体で取引先から受領した見積書をPDF化してデータとして保存する方法についてご紹介します。

  1. 複合機もしくはスキャナへPDF化させたい紙媒体の見積書をセットします。
  2. メニューでスキャンを選びましょう。
  3. PDFファイルの保存先を指定して、スタートボタンでスキャンを開始します。
  4. 見積書がPDF化され、保存先に保存されます。

見積書をPDF化する際の注意点

ではここで、見積書をPDF化する際に気を付けておきたい注意点についてチェックしていきましょう。

ファイル名と内容の相違に注意

PDFデータとして送付する際は、ファイル名と内容に相違がないように気を付けなければなりません。
取引先に送付する前に、見積内容に記入漏れがないか、取引先名を誤っていないかなどに注意しましょう。

ファイル名と内容が異なっていると、相手先の求めている内容でない可能性もあり、正式な受注を受けることができなくなり、大きな損失となるかもしれません。

セキュリティ対策を万全にする

見積書は、簡単に情報が流出してしまうリスクがあったり、データをコピーされたり改ざんされてしまうリスクがあります。
そのため、セキュリティ面の対策はしっかり採っておく必要があるでしょう。

たとえば、PDFファイルに対してパスワードをかけることやZipファイルとして圧縮した状態にしておいてパスワードをかけるなどの工夫が必要になります。

また、パスワードを相手先に知らせる場合、見積書を送付したメールに合わせて記載するのではなく、改めて別のメールでパスワードを送付することでセキュリティを高めることができます。

原本の保管方法の確認

先ほども紹介しましたが、見積書は国税関係書類になりますので、法人の場合最低でも7年間の保管が必要です。
保管期間は、見積書発行日から起算するのではなく、事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間の期間です。
紙媒体の見積書を保管する場合は、時系列に分けて事業年度ごとに保管すると便利です。

そして、2024年1月以降はPDFで受け取った見積書は印刷して保存ができないので、電子で保存する必要があります。
電子メールで受け取った見積書は、メールで保存するだけではNGです。

見積書の電子データは、パソコンのハードディスクやDVDなどの記憶媒体クラウドストレージサービスなどに記録や保存しなければなりません。

管理の方法として最も簡単なのは、見積書や請求書などを合わせて専用管理サービスで管理するという方法です。
特にクラウド型の専用管理サービスであれば、社内のみならず社外からでもアクセスが可能になりますので、コロナ禍で話題となったリモートワーク、テレワークでも役立てることができます。

印鑑の必要性の有無

PDF化された見積書に対して、印鑑は絶対に必要といったことはありません。
近年は契約書や請求書、稟議書、行政サービスなどで必要とされる押印の廃止に向けて脱ハンコが進んでいます。

ただし、日本ではいまだにビジネス状で印鑑が押印された書類の信用度は非常に高いものですので、押印されている文書である方が会社の信頼にもつながります。
もし印鑑を検討されている場合は、電子印鑑の導入を検討されてみることをおすすめします。

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アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報など工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間が削減されます。
さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。

まとめ

今回は、PDF化した見積書について解説してまいりました。

PDF化した見積書は法的に有効ですので、活用することはできますが、2024年からは電子取引データとして受け取った見積書データ(PDFデータ)については、プリントアウトしての保管は認められず、電子データで保存が義務づけられますので注意しなければなりません。

2023年12月までは紙媒体でも保存が可能ですが、できれば2024年度に向けて、専用管理サービスの導入も検討しながら電子取引データは電子データで保存するように転換していかれると良いでしょう。

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