ウッドショックとは?原因や建設業界への影響、2026年現在の状況を解説

ウッドショックとは?原因や建設業界への影響、2026年現在の状況を解説

2021年頃から世界的な木材不足と価格高騰によって発生した「ウッドショック」は、住宅業界や建設業界に大きな影響を与えました。

現在では木材供給は徐々に正常化しつつあるものの、円安や物流費の上昇、人手不足などにより建築コストの高止まりが続いています。

この記事では、ウッドショックの概要や発生した原因、建設業界への影響、そして2026年現在の状況について解説します。

ウッドショックとは

ウッドショックとは、世界的な木材不足や木材価格の高騰によって発生した社会・経済現象を指します。
1970年代に起こった原油価格上昇のオイルショックになぞらえて名付けられました。 ウッドショックは、これまで度々問題となってきました。

たとえば、1990年代は絶滅危惧種のフクロウを保護する目的で森林伐採による規制が強化されたことが影響し、アメリカを中心として木材の供給が不足したことで第一次ウッドショックが起こりました。
また、2008年のリーマンショック直前の好景気の最中も急激な住宅建設の需要が急増したことで第二次ウッドショックが起こっています。

そして2021年頃から発生したのが第三次ウッドショックです。

住宅需要の急増や物流の混乱など複数の要因が重なり、世界的な木材価格の高騰が発生しました。現在は当時ほど深刻な供給不足は解消されつつありますが、建築資材価格への影響は現在も一部残っています。

ウッドショックの原因

2021年頃に発生した第三次ウッドショックは、単一の要因ではなく複数の要因が重なって発生しました。

ここでは、木材価格の高騰や供給不足を引き起こした主な原因について解説します。

新型コロナウイルスの影響

第三次ウッドショックの大きな要因の一つが、新型コロナウイルス感染症による世界的な物流・生産体制の混乱です。

感染拡大に伴う工場の稼働停止や物流の停滞により、木材の供給量が減少し、世界的な需給バランスが崩れました。

経済産業省:新型コロナがもたらす供給制約;ウッドショックの影響

アメリカでの新築住宅・リフォームの需要

新型コロナウイルス感染症の拡大により、アメリカではテレワークの普及や低金利政策が進みました。これに伴い住宅需要やリフォーム需要が急増し、木材需要も大幅に拡大しました。

この住宅需要がアメリカのみならず日本や世界にも大きな影響を与えました

現在では新型コロナウイルスによる生産停止や物流混乱はほぼ解消されています。しかし、当時の供給不足や価格高騰の影響は住宅業界全体に大きな爪痕を残しました。

【リフォーム業界】課題は?今後は?生き残るための経営ポイント

物流網の混乱と輸送コストの上昇

ウッドショック発生当時は、海上輸送用コンテナ不足により輸送コストが急騰しました。

現在はコンテナ不足そのものは改善していますが、燃料価格の上昇や国際物流コストの高騰が続いており、輸入木材価格に影響を与えています。

ロシアによるウクライナ侵攻

そして、新型コロナウイルス感染拡大の中、巻き起こったロシアによるウクライナ侵攻も大きな影響を与えていると考えられています。

ロシアは、もともと世界における木材の輸出量の2割を占めるほどの森林資源大国として知られていました。
ロシアに対し、欧米諸国が集まって経済制裁を行ったことで供給量が激減したのです。

そして、ウクライナも木材輸出国の一つだったのですが、ウクライナ侵攻をして戦争が始まったことで、双方の国からの木材の供給がストップしてしまうことになりました。

現在では当時ほど供給不安は大きくありませんが、地政学的リスクは依然として存在しており、世界の木材市場や物流網に影響を与える要因の一つとなっています。

日本に及ぼす影響

では、第三次ウッドショックにより日本に及ぼす影響はどのようなものがあるのでしょうか。

資材価格上昇による利益圧迫

ウッドショック発生当時は木材不足による工期遅延が多発しましたが、現在では供給状況は改善傾向にあります。

一方で、木材を含む建築資材価格は依然として高い水準にあり、建設会社や工務店の利益を圧迫する要因となっています。

そのため、原価管理や利益管理の重要性は以前にも増して高まっています。

国産材の高騰

日本は国土の67%、およそ3分の2が森林であるため、国内で自給できるのではないかと考えられる方も多いことでしょう。

確かに、かつての日本は木材自給率が100%に迫っているほどでありましたが、現在では40%程度に減少しています。
実は、国内の森林面積の半数は「保安林」と呼ばれるものであり、土砂災害防止などの目的で指定された森林であることから伐採制限がかけられています。

ウッドショック発生時には輸入材価格の高騰を受けて国産材の需要も増加し、価格が上昇しました。

現在は価格上昇の勢いは落ち着いているものの、以前と比較すると高い水準で推移している木材もあり、建築コストへの影響は続いています。

農林水産省:木材価格統計調査

ウッドショックは現在どうなっている?

2026年現在、木材の供給不足そのものは大幅に改善されており、2021~2022年頃のような深刻なウッドショックの状況は落ち着いています。

しかし、建築業界では円安やエネルギー価格の上昇、物流費の高騰、人手不足などの影響により、建築コスト全体は依然として高い水準で推移しています。

そのため、建設会社や工務店には、資材価格の変動を踏まえた原価管理や利益管理がこれまで以上に求められています。

今後も世界情勢や為替相場の変動によって木材価格が影響を受ける可能性があるため、継続的な情報収集と経営管理が重要です。

ウッドショックへの対策方法

2021年頃から続いたウッドショックは落ち着きを見せていますが、建築業界では依然として資材価格の高止まりや物流費の上昇、人手不足などの課題が続いています。

こうした経営環境の中で安定した利益を確保するためには、適切な原価管理や見積管理、仕入れ体制の見直しが欠かせません。ここでは、建設会社や工務店が実践したいウッドショック対策について解説します。

原価管理を徹底する

資材価格の変動に対応するためには、案件ごとの原価をリアルタイムで把握することが重要です。

見積もり価格を定期的に見直す

長期間有効な見積もりは利益圧迫の原因となるため、資材価格を反映した見積もり管理が必要です。

複数の仕入れルートを確保する

特定の仕入先に依存しない調達体制を整備することで、供給リスクを軽減できます。

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まとめ

ウッドショックは2021年頃から発生した世界的な木材不足・価格高騰問題であり、住宅業界や建設業界に大きな影響を与えました。

現在では木材供給は改善傾向にあるものの、円安や物流費の上昇、人手不足などにより建築コストは依然として高い水準で推移しています。

そのため、建設会社や工務店には原価管理や見積管理を徹底し、利益を確保できる経営体制を構築することが求められています。今後も市場動向を注視しながら、柔軟に対応していくことが重要です。

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