【建設業】経営事項審査とは?審査の手続きや点数を上げるポイントを解説

【建設業】経営事項審査とは?審査の手続きや点数を上げるポイントを解説

建設業では、民間企業だけでなく国や自治体の公共工事の依頼もあります。
国や自治体となると、どこの企業でもOKではなく経営事項審査を受けていないと入札できません。
自社の売上をもっとアップさせたいと思っているのであれば、経営事項審査にチャレンジしましょう。
こちらの記事では、経営事項審査とは何か、審査の手続きの流れ、点数を上げるポイントを紹介していきます。

経営事項審査とは?

経営事項審査の内容をなんとなくわかっている、もしくはよくわからないと感じている方もいるでしょう。
まずは経営事項審査とはどんなものか知っておきましょう。

国土交通省HP『経営事項審査』

経営事項審査とは

建設業者の力を見るため、経営規模や技術力などを客観的に審査する方法経営事項審査と言います。
国や自治体側は税金を使ってお願いするため、安心な企業にお願いしたいと考えており、経営事項審査の結果を受けて公共事業の依頼先を決定します。

平成6年から法の改正があり、公共工事の場合は経営事項審査を受けなければならないと決められました。
点数を比べ、より安心して公共事業を頼めそうな建設業者が選ばれます。
少しでも点数を上げ、頼んでも安心だと思ってもらえるようにしなければ入札が難しくなります。

もともとは公共工事で大きく活用されていますが、下請業者の経営状況を把握するために使う業者も増えてきました。
そのため、公共工事の入札だけが目的ではなく、経営事項審査を受ける業者が増えています。

経営事項審査の項目

経営事項審査で見られる項目は事前に決まっていますので、対策もしやすいです。
見られるのは大きく分けて4つの項目で、経営規模、経営状況、技術力、その他社会性などがあるかなど見られています。

まずは点数化してそこに一定の比率をかけて計算する方法を採用しています。
経営規模を計算する時には、直近2年か3年の平均のどちらかを業者側で選択をして点数化し、一緒に自己資本額点数や平均の利益額から点数を出して算出も行います。

次の審査項目は、経営状況分析機関で経営規模の算出です。
ここでは、負債抵抗力、収益性、効率性、絶対的力量、財務健全性などが見られます。
元請完成工事高と技術職員数を見て技術力を算出し、さらにそのほかにも、労働福祉の状況や防災活動への貢献状況などさまざまな項目も審査されます。

経営事項審査の手続きの流れ

経営事項審査を行うには、やらなければいけないことがいくつかあります。
自社でまだ建設業許可を受けていない場合は、経営事項審査の前に手続きをしなければなりません。
もう建設業許可は受けている場合は、経営事項審査の審査を行うための準備を行いましょう。

決算報告書の作成

まずは自社の決算報告書を作り、決算終了後の4ヶ月以内に事業年度終了届も一緒に出すようにしましょう。

決算報告書には有効期限があり、決算日から1年7ヶ月となります。
提出する際に金額を記載する欄があるのですが、こちらは税抜きで書くようにしましょう。

経営状況分析

今の経営状況も見られますので、直近1年分の財務諸表など決められた書類を添付します。
客観的に経営状況を審査するため添付して申請が必要です。

その後分析機関が結果が出た後、通知書が届くので確認します。
結果が出てからでないと、この先の手順には進めません

経営規模等評価申請

分析結果が届いた後、ほかにも必要な書類を準備して経営規模等の評価を申請します。
この時には契約書入金通帳消費税納税証明書なども必要になりますので、すべて準備しましょう。

経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書の受領

結果が出たら、経営規模等評価結果通知が届き公共工事に参入できるようになります。
一緒に総合評定値も請求している場合も、このタイミングで送付されます。

約3週間程度で自社宛てに結果が届くので、覚えておきましょう。

評価点数を上げるポイント

点数が出ても、ほかのライバル会社に比べて低いと入札を行ってもなかなか勝ち取れない可能性があります。
少しでも点数を上げて、この建設業者に頼みたいと思ってもらいたいと考えるでしょう。
実際点数が高く優れている建設業者は、入札時にも仕事を得られやすくなります。
自社の実績アピールのためにも、評価点数を上げるポイントを紹介していきます。

ランク付けとは

まずはランク付けを理解し、何が見られているのかしっかりと把握することです。
ランク付けでは、客観的で公平に建設業者を選ぶために同じ条件で審査をし点数化します。

公共工事の発注機関では、自社で請け負いたいと名乗り出てくれた業者を1社ずつ資格審査を行います。
ここで、ランクがほかのライバル企業よりも低いと不利です。

欠落審査の条件に当てはまらないか客観的な事項や発注者別評価を総合的に点数化してランク付けします。
経営事項審査は、客観的事項の中に入りチェックされます。

点数を上げるには

点数を上げるために、まずどんな風に点数を付けられているのか理解しましょう。
少しでもライバル会社よりも点数を高くし、優れている企業だと思ってもらえることが公共事業の入札を勝ち取るコツです。

CHECK01

審査の構造を理解する

どのように審査されているのか、点数化されているのか構造を理解するところから始めましょう。
建設業者によって見方を変えているのではなく、審査の構造は統一されていて客観的に点数化されていきます。
そのため、構造を理解できれば点数アップさせるために力を入れなければいけない部分も見えてくるでしょう。

項目によって、点数に対してどの程度の割合で重視されているかは変わります。
点数が高くても項目によっては100%中15%として見られ、総合的な点数が上がらない場合もありますし、100%中25%と高い割合で評価してもらえ点数がアップするケースもあります。

高い割合で見られるのは、完成工事高評点と技術職員数および元請完成工事高です。
ほかの項目も大切ですが、この2つの点数が高いとさらに割合も25%と高く評価されるため点数もアップします。

CHECK02

完成工事高の試算

完成工事高は、経営事項審査の中でも評価される割合も大きいです。
そのため、2年平均か3年平均で選ぶ時にはどちらが高くなるのか試算することが重要です。
工事の進行基準が見られますので、年度をまたぐ場合はどちらに計上するかも考えながら試算していきましょう。

経営事項審査の有効期間は?

経営事項審査を行ったら、ずっとそのまま利用できれば良いのですが、有効期限があります。
有効期限が過ぎてしまったら、公共事業の入札を行いたいと思ってもできません。
また、新たに同じような手順を踏んで、経営事項審査を受けなければなりません。

ちなみに、有効期限は申請直前の決算日で計算します。
期間は1年7ヶ月で、それを過ぎてしまうと無効です。
知らない間に有効期限が切れていて、いざ公共事業の入札をしようと思ったらできない状態になっている可能性もある為、注意しましょう。

申請をしても次の日にすぐ結果が出るわけではなく、空白の期間ができてしまいます。
チャンスがあったらすぐに公共事業の入札ができるように、決算が終わったらすぐに決算変更届を出し、一緒に経営事項審査も行っておきましょう。
毎年のルーティンにし、定期的に受けていれば有効期限をうっかり忘れる心配もいりません。

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まとめ

自社の仕事を増やすために、公共事業も取り組みたいと考える建設業者は多いでしょう。
入札するためには経営事項審査は必須ですので、手続きを行いましょう。

点数は少しでも高いほうが、評価も高くなり入札も決まりやすくなります。
高い評価を受けるための点数を上げるポイントを知っておき、試算もしましょう。
公共工事に限らず取得するだけでも、普段の仕事にも影響を与えます。
自社のアピールにもなりますので、ぜひ積極的に経営事項審査を受けておきましょう。

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