管工事とは?水道施設工事との違いや建設業許可の要件を解説

管工事とは?水道施設工事との違いや建設業許可の要件を解説

快適に生活ができるのは、さまざまな管があるおかげでもあります。
ガスや空調をはじめ、生活をするうえで重要な部分に配管などが使用されています。
実は、管工事とは具体的にどんなものかピンとこない方も多いかもしれません。

こちらの記事では、管工事についてよくわからないと感じている方にも理解してもらえるように、管工事と水道施設工事の違いや管工事の種類、必要な資格から建設業許可の要件について解説していきます。

管工事とは

快適に建物の中で暮らせるように設備を設置する際、必要となる管を通す工事管工事と言います。
調理やお風呂を沸かすためにガスを使いたい、飲む水を確保するために水道を使いたいとなった場合、供給する道筋がなければ必要な場所まで届きません。
使いたい時にガスや水が快適に使えるようにするためにも、管は重要です。

ガスのほかにも、快適な空気や室温にする空調・冷暖房設備や給排水設備などもすべて管を使っています。
必要な液体や気体を送ることで、効率的に使用できるのも特徴です。

管工事は建物がすべて完成した後に行われるのではなく、施工途中で床下や基礎の上に造ります。
普段の生活の中でなくてはならないものですので、今後も管工事は重要なものとなるでしょう。

水道施設工事との違い

管と聞くと、真っ先に水道をイメージする方も多いでしょう。
決して間違いではないのですが、一般の管工事と公共団体が行う水道施設工事は異なります。
ここでいう管工事に、水道施設工事は入りません。

水道施設工事は、私たちが安心して水を使えるようにするために管理している大元の施設です。
管工事は大元の施設ではなく、住宅や店舗で使うものを指します。
安心な水を大元である水道施設から住宅や店舗につなぎ、使いたい時に使えるようにする工事を管工事と呼んでいます。
一見似たようなものに感じてしまうかもしれませんが違うので、一緒に覚えておくと良いでしょう。

管工事の種類

管工事は生活にとって重要な役割を果たしていますが、その種類もいくつかあります。
ここからは、種類ごとに詳しくどんな工事を行うのか説明していきます。

ガス配管工事

ガスコンロをはじめ、お風呂を沸かす時にも使用している家庭も多いのではないでしょうか。
床暖や給湯器に使用している場合もあるでしょう。
ガスは生活に欠かせませんが、使用するためにはガスを通す管と設備が必要です。 工事では、管を引き込んでガスメーターの取り付けをします。 ほかにも、ガス栓の交換をするなど、皆が安全に使用できるようにメンテナンスも行います。

ガスの配管工事は、誰でも気軽にできるものではありません。 一歩間違ってしまうと火災や人の命に関わってきてしまうので、必ず資格があって技術がある人しか作業できません。
さらに、ガスはLPガスと都市ガスがあり、扱い方も変わります。
両方について知っておかないと、ガス配管工事はできません。

給排水配管工事

水やお湯をスムーズに使うためには、給排水配管工事が必要です。
給排水配管工事では、給水管を引き込むほかに、屋内の配管や下水道排水設備の工事も行います。
このすべてを建物の中で工事が終われば、水やお湯の利用が可能です。

管はどの箇所でも同じ素材を利用するわけではなく、給水や給湯ではポリエチレン管を使うのに対して、排水では塩ビ管を使います。
排水ではスムーズに流すために、勾配も考えなくてはなりません。
逆流するような角度で塩ビ管を取り付けてしまうと、大変なことになります。

空調設備工事

空気が古くなってしまい閉じこもったままだと、体に良くありません。
病原菌なども滞りやすくなり、そこに人が密集していれば集団感染してしまう危険性もあります。
建物において空調は大切で、流れを計算して空調設備を工事します。 工事の作業の中では、空調機の設置やメンテナンスを主に行うことが多いです。

ほかにも、使い込んで古くなった空調設備を交換し、新しいものを取り付ける場合もあります。 空気の流れだけでなく、室温や湿度を適温に保つためにも重要な工事です。 冬暖かく夏は涼しくしてくれるエアコンも、空調設備工事の中に含まれます。

ダクト工事

空調設備工事の中の一つでもあるダクト工事では、お部屋の中の空気をきれいに保つために行います。 空気が汚れたままだと、居心地が悪くダルくなってしまうことや変な臭いが充満してしまいます。
料理などで煙が出る場合にもダクトがないと、部屋に充満してしまい健康被害が出てしまう可能性もあり危険です。
特に飲食店でのダクト工事は重要で、建物の構造なども考えながら計画的に設置が必要になります。

衛生設備工事

衛生設備工事とは、必ず毎日利用するトイレをはじめ洗面台なども含めた衛生設備を設置する工事を言います。 特にトイレは住まいの中でも必要不可欠なもので、重要な部分です。
衛生設備工事では、まずはじめにトイレや洗面台本体を設置してその後配管を工事します。

給排水設備工事に似ていますが、目的が違います。 衛生設備工事では、水を衛生に使えるように工事することが目的です。 配管だけでなく、利用設備までをひっくるめた工事を行います。

浄化槽工事

建物に下水道がない場合は、使った後の水を流すために浄化槽を利用します。
利用後の水は汚れていますので、浄化槽を利用してきれいにします。
この工事が、浄化槽工事です。

簡単な工事ではなく専門性も高いため、誰でもできる仕事ではありません。
まず、国家資格でもある浄化槽設備士を取得した人が監督が必要で、何の資格もない人だけで浄化槽工事はできません。

管工事に必要な資格

ガスや空調、排水などどの管も設備として重要な役割を果たしますので、素人が片手間でできるようなことではありません。
知っているつもりで工事を行い万が一不備があると、命に関わる危険性も出てきます。
気軽にDIYを行うような感覚ではできず、管工事の種類によっては必要な資格を取得しなければなりません。

国家資格となり難しいのですが、配管技術士の資格はあると良いでしょう。
レベルも3つに分かれていて、比較的3級は技術のみで合格でき、難易度も高くありませんが、特に1級ともなると難しいです。
管工事全体的に見れば必ず資格がなければいけないわけではありませんが、取得しているに越したことはないため勉強し取得しておくと良いでしょう。

ほかにも、国家資格の管工事施工管理技士もあり、こちらを取得しておけばさまざまな工事現場の施工管理に携われます。 受験資格もあり難しい資格ですが、持っていればメリットも多いです。

管工事の建設業許可の要件

管工事の中でも、金額によって許可が必要な場合があります。
500万円以上の管工事の場合は、許可が下りないと工事ができません。
許可が下りるための内容の中にはいくつか要件があり、従業員が何人いて実務経験は何年あるのかなど見られます。
要件をクリアしていないと、500万円以上の工事は難しくなります。

誠実性や欠格要件に当てはまっていないこと、専任技術者を配置できるかなどさまざまな決まりがあるので、まずはチェックしておきましょう。
許可を取得できるようになれば、より大きな管工事にも携われるようなり業績もアップします。

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まとめ

管工事は、生活に必要不可欠でさまざまな種類があります。
特にガス配管工事は一歩間違うと命に関わりますし、浄化槽工事も特殊なため専門的な知識や資格が必須です。
ほかの管工事に関しては、必ず資格を取得していないと働けないわけではありませんが、関連する資格を持っている方が有利でし信頼を得られます。
500万円以上の管工事を行う際には建設業許可が必要ですが、要件をクリアできるように頑張っておけば売上アップにもつながります。
もっと企業を拡大し売上アップを狙っている場合は、取得するために要件をチェックしクリアできるようにしましょう。

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