商品やサービスを購入する際に、相見積もりをする顧客は多いです。
相見積もりをされることで他社と比較され、取引の機会を逃してしまうこともあるでしょう。
今回は、相見積もりで顧客に選んでもらうためのポイントを押さえていきましょう。
相見積もりとは
まず、相見積もりは、個人や法人がモノやサービスを購入する際に、同時に複数の業者から見積もりを取って条件や価格、納期を比較することを指した言葉です。
あいみつとも呼ばれています。
リフォームなどの際に、「複数業者に相見積もりを取る」というように使います。
それぞれの業者が提示した見積書を比較検討して、顧客側は発注する業者を決める参考にするのです。
顧客が相見積もりをする理由
では、顧客が相見積もりをする理由はどのような理由があるのでしょうか。
まず誰でも商品を購入する際にはある程度の予算があるはずです。
そのため、予算を踏まえたうえで、それぞれの業者の見積価格を見ることである程度の価格相場を知ることができます。
また、業者ごとにどのような特徴があるのか知りたいという点も挙げられます。
企業の雰囲気や営業担当者の対応の仕方も関係あるものです。
このほか、納期がどのくらいになるか、どんな保証が付いているか、アフターサービスなどといった面も比較検討のポイントとなります。
複数の業者から見積もりを取るだけで、価格だけではなくさまざまなことを把握して比較できるのです。
顧客が相見積もりをするメリット
ではここで、顧客が相見積もりをするメリットをいくつか挙げていきましょう。
条件に近い業者を見つけられる
複数の業者に見積もりを取り比較することで、理想に近い条件で対応してもらえる業者を一度に探すことができるという点です。
価格だけでなく納期なども含めて理想に近い見積もりに出会える可能性が高くなります。
適正価格で発注が可能になる
複数業者の見積もりで比較することで、価格相場がある程度見えてくるので、相場がどのくらいかわかるようになります。
そのため、適正価格での発注が可能になります。
保証やアフターサービスについても比較が可能に
業者によって保証やアフターサービスの有無や内容がそれぞれ異なります。
やはり、充実した保証やアフターサービスがあることで安心感があるものです。
それぞれの業者の対応を比較できる
やはり信頼できる業者が一番です。
相見積もりをすることでそれぞれの業者と連絡を取り合うことになりますが、その時の対応でどのような会社なのかという雰囲気まで掴むことができるでしょう。
顧客が相見積もりをするデメリット
では反対に、顧客が相見積もりをすることで起きるデメリットもご紹介します。
相見積もりがバレると調査が雑になるケースもある
業者に相見積もりしていることが知られると、現地調査が雑になる業者もいますので注意しましょう。
相見積もりをしていると競合他社との競争心で値段を下げることもありますが、相見積もりをしていることは知られると損をするケースもあります。
うまく比較できず選びきれない
似たり寄ったりな見積もりになることもありますので、結局どの業者を選べば良いか選びきれないといったこともあります。
また、良い業者が複数あった場合は断りづらいというケースもあります。
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相見積もりの注意点
ではここで、相見積もりの際に業者側が気を付けておきたい注意点についてご紹介しましょう。
他社に見積もりを依頼しているか確認する
見積もりの依頼をいただいた際には、他社に見積もりをしているかどうかを確認されることをおすすめします。
先ほども紹介しましたが、相見積もりを取ることで断りにくいといった考えを持っている方もいらっしゃいます。
しかし、相見積もりを取ることでお客様自身にはたくさんのメリットがあることをお伝えして、相見積もりは建築業においては日常茶飯事で行われていることなので、問題はないことをお伝えすると良いでしょう。
見積もりの提出期限や予算を確認する
見積もりの提出期限やお客様の考えている予算については、細かくヒアリングしておくと良いでしょう。
いつぐらいに見積もりが必要なのか把握しておくことによって、万が一の発注の際にもスケジュールを合わせやすくなります。
希望の期限までに間に合わないケースや予算内では対応できないこともありますので、要望をしっかり聞いておくことが必要です。
見積もりの条件を確認する
見積もりに必要な条件を事前に確認しましょう。
見積もりの内容がお客様の条件と合致しなかった場合に、他社を選択される可能性が高くなるためです。
相見積もりを取る場合は、他社の見積もりと同等の条件で見積もりを作成するのが望ましいので確認しましょう。
断られた場合も丁寧に対応する
相見積もりということは、顧客側が選択権を持っています。
もし断られてしまった場合でも、相手はあくまでお客様です。
丁寧に対応しないと次回同じような機会が得られないかもしれません。
また、対応が悪いと評判を悪くしてしまう可能性もありますので、どんなケースでも丁寧な対応を心がけることが必要です。
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相見積もりで選んでもらうには?
相見積もりで他社ではなく自社を選んでもらうにはどのようにしたら良いのでしょうか。
そのためには以下のポイントを押さえておきましょう。
入念にヒアリングを行う
顧客の求めているものは、顧客側からしっかり聞き出すことが重要です。
そのため、入念なヒアリングを行わなければなりません。
要望を一つひとつ聞き出すことが大切です。
しかし、中には自分の言いたいことや要望がうまく伝えられないケースもあります。
そういった場合は、会話を広げて深い話へと導くことができるスライドアウトという質問の技法を用いると良いでしょう。
まず、不安や困り事があった際に一つの答えが顧客側から返ってきたら、次に「ほかにはどんなお困り事や不安がありますか?」といった形で聞き出すと「そういえば〇〇といった不安があります」といった回答が得られます。
こういったスライドアウトを使って、しっかりヒアリングを行いましょう。
わかりやすい見積書を作成する
見積もりの内容が見にくいものである場合やわかりづらいものだと、顧客側は比較検討すらもできません。
できれば、誰でも内容を把握しやすく、見やすい見積書を作成するように心がけることが大切です。
見積書は早めに提出する
見積書は、提出期限が設けられていたとしても、早めに提出することを心がけましょう。
相見積もりを取っているケースでは、いくつかの会社の中でも何日経っても届かない企業よりもレスポンスが早く、誠実な業者に良い印象を抱くものです。
内容の質にこだわって、見積書をじっくり作ったほうが良いと思われがちですが、やはり対応はスピーディーなほうが反応が良いものです。
ぜひ期限よりもできれば早めに提出するようにしましょう。
標準原価を見直す
顧客側は相見積もりを取るメリットや理由に、価格相場を知りたい、適正価格を知りたいといったものがあります。
そのため、もし自社の見積もりが他社の見積もりよりも高すぎれば他社が選ばれてしまいます。
反対に下手に見積もりがどこよりも安すぎればそれはそれで不審に思われることもあるかもしれません。
つまり、標準原価が価格相場よりも大きく外れていることは、選ばれない可能性が高くなりますので、標準原価はいつも一定ではなく適度に見直していく必要があるでしょう。
自社の強みをアピールする
他社との相見積もりでは、価格で勝負というだけでなく、自社にしかない強みをアピールすることで差別化を図ることができます。
ぜひ強みがある場合は、全面的にアピールして盛り込んでいきましょう。
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まとめ
建設業において、よくある相見積もりについてご紹介してきました。
他社ではなく、自社が選ばれるためには、顧客側がどうして相見積もりをするかといった理由を知ることが重要です。
また、相見積もりにおいて複数社から選んでもらうためには、スピーディーな対応と自社の強みをアピールすることは非常に重要ですので忘れずに行いましょう。