建設現場において技術者たちを指揮し、建物の工事全体を管理する仕事として施工管理の仕事があります。
この施工管理の仕事の中でも、内装に特化した施工管理を行っているのが内装施工管理の仕事です。
今回は、内装施工管理の仕事内容や必要となる資格について詳しく解説してまいります。
内装施工管理とは

施工管理は、建設現場の監督の立場として取りまとめる仕事を行っていますが、施工管理もいくつか分かれており、そのうち壁や天井、クロスなどのような内装工事に関する施工管理を行っているのが内装施工管理です。
内装を専門とする施工管理を行っているので、建物全体に関する知識よりも内装に関する専門知識をたくさん持っている専門家と言えるでしょう。
戸建て住宅やアパート、マンション、オフィス、病院、商業施設などあらゆる物件における内装施工管理を行っています。
これらの物件の内装工事を指揮し、無事に予定されている納期までに完工できるように工事全体を管理しているのです。
内装施工管理の仕事内容
ではここで、内装施工管理の仕事内容について細かく見ていきましょう。
内装施工管理のお仕事には5つの仕事内容があります。
工程管理
工程管理は、納期までに工事が終了できるように着工から引き渡しまでのスケジュールを作成し、管理する仕事を担います。
工事における塗装、大工、左官といった作業員をいつ配置するべきかを検討して協力業者と日程を調整していくのです。
内装工事では現場が狭いケースも多いため、作業や資材のスペースが確保できないことも多々あります。
そのため、資材などが作業の邪魔になることがないよう搬出入に関するスケジュールも綿密に考えておく必要があります。
また、現場によっては火気や危険物、騒音による作業の日時制限がかかるケースもあります。
そのため、一つひとつの現場の作業条件を考慮しながら、工程管理をしなければなりません。
安全管理
内装施工管理では、工事の際に危険を伴う作業が行われていないかをチェックし、現場で仕事をする作業員の安全を守るために管理をしっかり行う必要があります。
たとえば、ヘルメットや安全帯、安全靴の使用、施工手順などルールにもとづいて、作業ができているかなどを随時チェックし、危険な作業を行っているのを確認した場合はその都度指導を行うのです。
時にはルールが守れていない作業員を出禁にするケースもあるほどで、常に事故を未然に防止するための徹底した安全管理が行われています。
内装工事では、天井などにおける高所作業を行うことや使い方によってはケガをするリスクがある電動工具を使用する機会があるため、安全管理は非常に重要な仕事です。
品質管理
品質管理は、現場の工事が常にルールに則って行われているか、図面通り行われているかなどを厳しく管理する仕事をしています。
内装工事の品質は、完成後の建物の見栄えに大きな影響を与えやすいので、少しでも施工不良が発見されたら、建物の見た目が損なわれてしまい、施主からのクレームにつながってしまうおそれがあり、信用をも失うでしょう。
資材や作業をしっかりチェックして、誤りなどがないかを確認した中で、ミスや問題があれば注意して指導を行います。
原価管理
原価管理は、着工前に計画した予算の中で工事が完了できるよう工事の原価を管理する仕事です。
工事の原価が増えればその分利益が少なくなるので、あらかじめ決めておいた予算内に収める必要があるためです。
予算オーバーした際は、施工方法や材料を改めて見直したり、配置人数を減らしたりなどします。
その他
上記のほかに、パソコンで工事書類を作成し、施主や発注業者、設計事務所との打ち合わせなどといったあらゆる業務もこなす必要があります。
その中でも工事書類は、着工あたって重要な業務で、書類に不備があることで工事に取りかかれず、納期に間に合わなくなる可能性もあります。
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内装施工管理で求められるスキル

次に、内装施工管理において求められるスキルについてご紹介します。
マネジメント能力
また、マネジメント能力=管理能力を持つことも大切です。
現場では、たくさんの作業員の上に立って指揮し、工程管理・安全管理・品質管理・原価管理を適切に実践するためにはマネジメント力が欠かせません。
現場ではいろいろな工種の人たちがそれぞれの工事を担います。
そのため適切な人員配置をすることや安全な作業環境を整える必要があります。
常に先を予測して事前に対策を行うことは非常に重要なスキルだと言えるでしょう。
コミュニケーション能力
内装の工事においては、現場であらゆる作業員、職人の方と接する機会があります。
また、施主と直接関わることもあるでしょう。
現場をスムーズに進めるためには、現場でのコミュニケーションは非常に重要で、事細かなまで気配りをすることや声掛けが重要です。
また、ただ指導や注意をするにとどまらず、相手と信頼関係を築くためには、雑談などを採り入れるなどして和やかな雰囲気づくりも重要なのです。
計画立案能力
施工管理は、納期を守るために引き渡しまでの流れをよく考慮して、安全でいつでも正しい施工が行われるように施工計画を綿密に立てていく必要があります。
ただ、工事期間中のみではなく、引き渡し後の報告書の作成などといったデスクワークも含めた計画を立案しておくことが重要になります。
内装施工管理に役立つ資格

では次に、内装施工管理に役立つ代表的な資格を見ていきましょう。
建築士
建築士の仕事は、建物の設計や工事監督を担うために必要となる資格になります。
1級、2級、木造の3つの資格が存在し、建物の規模や用途、構造に応じ取り扱える業務の範囲が決まっているのです。
内装施工管理者にとって必要な資格ではありませんが、建築士の資格を取得してことで、設計に問題がないかなどに気付きやすくなり、トラブルを未然に防ぐことができます。
また、建築士の資格を持っていることで施主からの信頼も得ることができるでしょう。
建築施工管理技士
建築施工管理技士は、国家資格の一つであり、施工管理技術検定1級または2級の合格者に与えられる資格です。
建築施工管理技士を持っていることで、建築工事の管理責任者になることもできます。
1級と2級があり、1級建築施工管理技士は監理技術者に、2級建築施工管理技士は主任技術者になることができます。
元請けとして施主から工事を受注するような企業では必須の資格となりますので、取得しておくと良いでしょう。
また、2級建築施工管理技士を持っていないと現場の責任者として働くことができません。
内装仕上げ施工技能士
内装仕上げ施工技能士は、国家資格の一つである技能検定制度の一つです。
この資格を持っていることで、床や壁、天井、カーテン、ブラインドなど内装仕上げの施工に必要な知識や技能を持ち合わせていることが証明できます。
3級・2級・1級の3つがあり、3級は実務の経験がない方でも受験できます。
こちらも必須の資格ではないものの、持っていることで職人に対して適切なアドバイスをすることができるようになるでしょう。
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターは、施主にとって快適な空間を提供するため、適切なアドバイスやプランニングを行うプロです。
内装以外にも、家具や照明器具、住宅設備、ファブリックなどといったインテリアに関する知識が必要となります。
こちらも必須の資格ではないものの、施主の要望に合わせた内装をより具体的に提案しやすくなるでしょう。
資格に関する記事はこちら
施工管理なら『建築業向け管理システム アイピア』
まとめ
いかがでしたか。
今回は、内装施工管理の主な仕事内容、仕事するうえで役立つ資格についてご紹介してきました。
内装施工管理の仕事は、仕事内容も非常に内容が濃く、先を読んで行動するべき重要な任務をこなしています。
資格を持っていると仕事に役立つだけでなく、キャリアアップにも有利になりますので、積極的に取っておくと良いでしょう。
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