商取引を行う中で発行されている書類に見積書や請求書があります。
どちらも販売管理業務の中で円滑に業務を遂行するために便利な書類です。
見積書と請求書はどのような目的で作成される書類なのか、そしてそれぞれの書類の違いなどについて解説いたします。
見積書とは
見積書は、依頼先から商品やサービスの検討による依頼を受けて、数量や金額などを記載し、どのくらいの金額がかかるのかを提示する書類です。
特に発行義務が法的に定められている書類ではなく、見積書が必ずしも必要といったわけではありませんが、相手先は見積書の内容を確認しながら契約に関する内容や金額に関する交渉などを行いながら検討していく材料となります。
注文を受ける、つまり契約前に作成される書類となり、商取引においては最初に発行される書類として扱われます。 そして、見積書の内容に納得・合意することで、実際に注文を受けて納品していく流れです。
見積書の記載項目
見積書に最低限必要となる記載項目についてご紹介します。
これらの記載がないと、双方で認識にズレが起きてしまうことがあるでしょう。
①見積書の発行日・見積書番号
いつ見積書を発行したのか年月日を記載します。
また、見積書番号を発行することでより管理がしやすくなります。
②見積書の発行者
見積書を発行者である法人名、個人名、住所、電話番やメールアドレスなどを記載します。
この時、法人の場合、担当者名や担当者の部署名も記載するのが望ましいです。
合わせて角印も捺印してあると会社の信用につながります。
③宛先
請求書を作成する相手先の法人名や個人名を記載します。
部署名や担当者名も記載するようにします。
④取引内容の内訳
商品やサービスの名前や数量、単価などを記載します。
④見積書の有効期限
世界の情勢などによって仕入価格・材料費など変動しているものです。
そのため、見積書には一定の有効期限を設けて作成しなければなりません。
⑤見積金額
こちらは、トータルでいくらになるかの金額となるので、合計金額と同じ金額が入ります。
⑥小計金額
単価×数量をして税抜きの金額を記載します。
⑦消費税額
小計金額×消費税率を計算した額を記載します。
⑦合計金額
小計金額+消費税額を合算した、税込金額を記載します。
見積書の役割
見積書は法的に発行義務があるわけではありませんが、あると非常に便利であることやスムーズに取引を進めることにつながります。
具体的な役割について解説いたしましょう。
依頼内容の検討材料
見積書は、既述の通り見積書の内容を確認することで依頼内容についてや金額に関する交渉を実施して、契約するかどうかを検討していく材料として扱われています。
条件に合意、納得のうえで注文を受けることができますので、じっくり納得がいくまで相手先に検討してもらうためにも必要な書類です。
取引上のトラブル防止
見積書は契約する前に、納得いくまで内容を確認することができます。
見積書がなく口約束だけだと、聞いていた金額と違うといったように認識がズレてしまうことがあり、トラブルになりかねません。
こういった取引におけるトラブルを防ぐために役立てられます。
与信調査として活用
相手先の与信調査として活用することもできます。
取引条件が詳細かつ明確に示された見積書を発行できるということは、適正な経費精算が行えている一つの証拠です。
見積書の内容に不明瞭でわかりにくい箇所があるとそれだけで信用を失ってしまうことになります。
不当な見積もりが作成されていないかなどをチェックするのに役立つでしょう。
見積書に関する記事はこちら
請求書とは
請求書とは、商品やサービスを納品した後、その対価を期日までに支払ってもらうために必要となる書類です。
こちらも特に発行義務があるわけではありませんが、請求書がなければ未払い分のお金を管理できない場合や代金がスムーズに回収できないなどといったことが生じます。
実際に取引が行われた証明にもなり、さらに支払ったかどうかについて互いがトラブルにならないためにも必要な書類です。
請求書の記載項目
ここで請求書の記載項目について解説していきます。
建築業界(リフォーム・工務店向け)の【無料で使える!】請求書エクセルテンプレート集①請求先の名称
請求先がもし法人である場合は、法人名を記載します。
この時に部署名や担当者名も記載しておくとわかりやすいでしょう。
法人名は略さずに、必ず正式名称で記載します。
②請求番号
請求日番号を記載します。
③請求書の請求日
請求日を年月日で記載します。
④請求元の情報
請求元となる法人名、住所、電話番号・メールアドレスなどの連絡先を記載します。
角印を捺印しておくと、正式な書類であることが証明できるので捺印します。
連絡先については、請求書に不備があった場合などに相手先が問い合わすために必要です。
⑤請求金額(合計金額)
当月に請求する代金の税込金額を記載します。
ここで繰越金額がある場合は、当月請求する代金に先ほどの繰越金額を合算した代金を合計金額として記載します。
⑥取引内容と取引金額
品名や作業費など取引の具体的な内容の記載を行い、税率ごとに区分して合計した税込みの取引金額を記載します。
⑦小計金額・消費税額・合計金額
それぞれの金額を記載します。
⑧備考
その他の情報がある際は備考に詳しく記載します。
⑨支払期限
いつまでに支払うべきかを明確に示します。
⑩振込先
支払方法が振り込みの場合は、どこに振り込めば良いかわかるように振込先となる金融機関の口座情報など記載します。
振込手数料もどちらが負担にするのかを明記しておくと丁寧です。
請求書に関する記事はこちら
見積書と請求書の違い
見積書と請求書の違いは、非常に大きな違いがあります。
見積書は、あくまで取引の契約が行われる事前に交わされる書類であり、請求書は取引が完了した後に発行される書類です。
契約前か契約後かといった明らかな違いがあります。
見積書と請求書の金額が異なる場合
一般的には、見積書の金額と請求書の金額は同じであることが多いのですが、見積書の金額と請求書の金額について異なるケースが見られることがあります。
これは、商品もしくはサービスを提供している過程でどうしても見積書と同じ価格では見合わないといったことが生じた場合、金額が上がってしまうことがあります。
ただし、万が一見積書と異なる金額を請求書において請求することになった場合については、必ず金額が変わることを請求先の担当者へ事前に伝えて納得を得てから発行しなければなりません。
見積書と請求書の金額が異なると、ちょっとしたことでトラブルが生じがちですので気を付けましょう。
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まとめ
見積書と請求書について解説してまいりました。
双方とも販売管理業務で必要となる書類ではありますが、見積書は契約前に購入の検討材料として発行される書類であるのに対し、請求書は契約後に商品やサービスの対価の回収を行うために発行される書類です。
どちらの書類も、相手先との誤解を生んでトラブルを防ぐためにも必要な書類ですので、記載項目などに漏れやミスがない見積書と請求書を作成して発行するようにしましょう。
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