現場の施工管理をより効率的にこなすためのツールとして、工事管理システムは各企業でずいぶん普及してきました。
特に近年では、気軽に導入しやすいクラウド型工事管理システムが高い需要を集めています。
今回は、クラウド型工事管理システムについて特徴と選び方、おすすめのシステムをご紹介していきます。
クラウド型工事管理システムとは
そもそも工事管理システムとは、工事の受発注や図面や工程の管理、経理業務、売上金の回収などといった工事に関するあらゆるデータやプロセスを一元管理することができるシステムです。
かつては、PCなどにインストールして使うオンプレミス型のものが主流でしたが、近年はインターネットを通じて工事管理を行うクラウド型工事管理システムが主流となってきています。
クラウド型工事管理システムはオンライン上でデータを管理できるため、現場など出先からでもスマホやタブレットを使って利用することが可能で、さらなる業務効率化を図ることができる画期的なシステムです。
工事管理システムの基本機能
工事管理システムには複数の機能を持ち合わせています。
CHECK①
受注工事管理
受注した工事の案件に対して、物件名や契約日、受注金額、入金予定日、工期といった工事案件の内容を管理する機能です。
このデータをもとにして、契約書が作成するのに役立てたり、他部門へのスムーズな引継ぎに役立てたりすることができます。
CHECK②
実行予算管理
見積書やこれまでの実行予算などをもとに実行予算を作成することや管理する機能です。
何度も同じ内容を入力しなくてもよくなるのでミスを防止できます。
実行予算と実績とを即座に比較することができ、コスト管理もよりスピーディーに行えるでしょう。
工事は案件によって受注金額が異なるものです。
実行予算管理を使うことで、工事一つひとつの案件ごとの予算が立てやすくなるため、利益が可視化できるようになります。
CHECK③
発注管理
実行予算管理のデータにもとづいて、発注先の情報や発注金額の管理を行うことができる機能です。
工事における推奨予算を提示することや利益も加味して算出してくれますし、発注書の作成も可能になります。
CHECK④
業者&得意先請求管理
仕入先からの請求情報を工事、工種などの分類をしたうえで管理して自動的に原価情報を更新できる機能です。
このほか、発注元への請求書の発行が可能になることや回収予定日や入金予定などの管理もできます。
CHECK⑤
業者支払管理
業者それぞれの支払日や支払方法、支払依頼書など書類作成を実施できる機能です。
自動的に仕訳の作成も行えます。
この機能によって、支払期限の延長や漏れを未然に防止ことができます。
CHECK⑥
入金管理
発注元からの入金の管理や残高管理が行える機能です。
CHECK⑦
工事原価管理
工事原価管理は、工事案件ごとの支払いの予定、仕入れの原価管理、総売上に対する原価率などを管理することができる機能です。
CHECK⑧
工程管理
工事案件ごとの日程の確認や工事の進捗状況をチェック・管理できる機能です。
CHECK⑨
作業日報管理
工事案件ごとに工事期間中の日報の入力・管理を行う機能です。
その日その日の作業内容、作業にかかった原価などを管理できます。
紙媒体で保管すると、作業日報は非常に膨大な量になり、保管スペースに問題が出ますが、データで保管することでスペースが有効に使え、検索も便利になります。
クラウド型工事管理システムのメリット
では、クラウド型工事管理システムを導入することで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
導入コストが低い
パッケージで購入していたオンプレミス型の工事管理システムは、自社でサーバーを導入してサーバーにシステムをインストールしなければなりません。
サーバーの料金は非常に高額なため、導入コストの負担が非常に大きかったのです。
しかし、クラウド型の場合は月額で利用できるものが主流ですから、導入コストを大幅に削減できます。
すぐに導入できる
自社のPCにインストールするオンプレミス型のシステムとは異なり、クラウド型工事管理システムはインターネットを通じて使用することができます。
クラウド型は、クラウドサービスを提供している企業と契約をし、アカウントを作成すれば即座にシステムを使用することができるので、スピーディーな導入を叶えられます。
どこでも利用できる
クラウド型の工事管理システムは、インターネットが利用できる環境下にいればいつでもどこでも利用することができます。
これまでは、帰社後にPCでシステムを起ち上げて管理していたものが、現場などの出先からでもスマホ、タブレットを使うことで24時間いつでもデータ入力、管理することが可能です。
また、承認作業なども出先から実施できるので業務を効率化できます。
クラウド型工事管理システムの選び方
クラウド型工事管理システムは、国内で非常に多くの商品が提供されていますが、どのようなシステムを選ぶと良いのでしょうか。
自社に必要な機能があるもの
工事管理システムは、非常に幅広い業種で活用されているシステムになります。
幅広い業種で使えるシステムのほかに、特定の業種に特化して作られているシステムも販売されていますので、自社にとって必要となる機能を持ち合わせたシステムを選ぶようにしましょう。
誰でも操作しやすいもの
近年はIT化がかなり進んではいるものの、PCやタブレットなどの端末の利用に苦手意識を持っている方や初心者の方もいらっしゃいます。
そういった方でも簡単に操作できるようなシステムを選ぶと良いでしょう。
持続して利用できる料金
クラウド型工事管理システムは、月額料金が発生するため、運用コストがかかってしまいます。
一般的にクラウド型の運用コストはシステムによってまちまちですが、月1~5万円ほどかかります。
運用コストをしっかり比較して、持続して利用できる無理のない料金設定のシステムを選ぶと良いでしょう。
業務改善に関する記事はこちら
おすすめのクラウド型工事管理システム5選
最後に、おすすめのクラウド型工事管理システムを厳選してご紹介していきましょう。
アイピア
アイピアは、建築業に特化して作られた工事管理システムです。
顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報を一元管理することができます。
工程表や必要書類をどなたでもエクセルのような感覚で簡単に作成できたり、工程や写真、書類の管理・共有が簡単にできたり、経営状況を一目で確認できたり分析も可能です。
ANDPAD
協力会社と情報共有ができる工事管理システムで、原価管理、営業管理も同時にできます。
ANDPADチャット機能が付いているので、協力会社とのやりとりをリアルタイムで行うことも可能です。
関係者全員が現状をリアルタイムで把握することでスムーズな施工が可能となり、工程の短縮にもつながります。
こちらのシステムは国土交通省NETISに認定された信頼できるシステムです。
ダンドリワーク
元請会社と協力会社の情報共有がスムーズに行える工事管理システムです。
写真や図面、資料などを関係者同士がいつでもリアルタイムに共有できるうえ、閲覧権限の設定もでき、必要となる人にのみ情報を共有させることも可能です。
Kizuku
こちらは、ほかとは異なり、手軽なチャット機能をベースとして利用できる施工管理アプリです。
また、施工管理アプリとしては業界初の「Windows OSで利用できるPC版のトークアプリ」となっていて、スマホだけでなく、PCでも利用できるアプリが配信されているので、あらゆる端末で利用することができます。
チャットを活用した現場の進捗報告を随時行うことができ、最新のデータを共有できるでしょう。
図面や写真の共有、報告書の作成、入退場管理など現場管理や施工管理が一元化できるアプリです。
Sitrom-CC
中規模土木建設業向けに作られた工事管理・管理会計システムです。
経営分析や原価管理に必要な情報について一元管理できます。
システム連携によって勤怠管理から労務費の計算までオートで行うことができます。
専門家による改善提案によってユーザーである企業の業務に適合させることができます。
システムに関する記事はこちら
業務改善するなら『建築業向け管理システム アイピア』
まとめ
クラウド型工事管理システムは、現場でリアルタイムでやりとりができることや入力やデータ管理ができるとても便利なシステムで、より高い業務効率化を図ることができるシステムです。
皆さんも気になるシステムがありましたら、ぜひ導入を検討されてみてはいかがですか。
工事管理の基礎に関する記事
工事管理システムに関する記事
- 工事管理システム(ソフト)とは?人気製品10選を機能・選び方とともに紹介
- 施工管理システムとは?機能の解説とおすすめ5選
- 【リフォーム・工務店向け】顧客管理システムの選び方は?おすすめ5選
- 工事原価管理とは?おすすめの原価管理システムも紹介!