作業を進めるうえで利用する工程表には、ガントチャートやバーチャートなどさまざまなものがあります。
特にガントチャートとバーチャートは似ている部分があるため、どう違うかよくわからない方もいるのではないでしょうか。
こちらでは、ガンチャートとバーチャートの違いやそれぞれの特徴やメリット、作成をする際のポイントについて紹介していきます。
ガントチャート工程表とは
ガントチャート工程表は、1つだけでなくさまざまな作業を一緒に進めていく際に利用する工程表です。
工事をする時には、同時に複数の作業を進行させてどの程度進んでいるのか確認しながら行う場合が多くあります。
その際、複数の作業の進捗状況を一気に確認できるため、スムーズに進めやすくなります。
特徴
工事現場では、さまざまな作業を皆で協力し合いながら行います。
作業も1つを皆で行う時ばかりでなく、複数の作業を同時並行して行われる場合も多々あります。
今自分たちが行っている複数の作業がどの程度進んでいるのかわかりやすいのがガントチャート工程表です。
作業がスムーズに進んでいないと判断した時には、人員の配置を再検討して対応します。
わかりやすいガントチャート工程表を作成するのは、工事完了日から逆算して最良な計画を立てる必要があります。
メリット
作業を複数同時進行で行わなければならない時、お互いの進捗状況を把握しやすいのが最大のメリットです。
皆で作業する現場は多いですが、ガントチャート工程表があるだけでプロジェクトの全体像も工程表を見て一目でわかります。
どんな流れで進んでいって作業が完了するのかが理解しやすくなります。
工程を皆で把握できれば、いざ何かあった時にもお互いにコミュニケーションも取りやすくスムーズです。
トラブルが起きた時にも対処しやすく、工事の管理者も作業をしながらトラブルや遅れを把握できます。
デメリット
スムーズにガントチャート通りの作業ができている時は良いのですが、いざトラブルがある時や遅れができた時には作り直さなければいけない場面も出てきます。
そこには手間が出てきてしまうため、時間もかかります。
ほかにも、複数の工程の量が多くなってしまうと、実際に何々を進めていけば良いのかわかりにくくなってしまうのもデメリットです。
よく理解しないまま進めていくうちに、もっとやらなければいけない工程に気が付いてしまう工期が遅れるケースも考えられます。
バーチャート工程表
バーチャート工程表は、縦軸が作業項目を表して横軸は作業を行う日付を表しています。
工事に必要な作業がいつ始まって、どの程度日数がかかり終わるのかすべてをバーチャート工程表の中で確認できます。
特徴
工事を行う際、どの作業をいつ行うかは重要です。
計画もなく進めてしまうと、納期に間に合わなくなってしまいます。
バーチャート工程表の特徴として、作業を行う人たちが見た時にいつまでに作業項目を終わらせれば良いのかすぐにわかります。
複雑な工程表ではないため、まだ経験が浅い人が見ても何を表しているのかがわかりやすく便利です。
作る際も難しくないため、バーチャート工程表は初めて作成する方もわかりやすいでしょう。
パっと視覚的に見て把握できるため、皆迷わずに今日やるべきことがわかります。
メリット
グラフに必要な図形なども必要ないので、作成の仕方を覚えたら簡単に作れます。
これまでバーチャート工程表を一度も作成したことがない方も、一度作り方を見れば簡単に作成できます。
工事で必要な作業項目を縦軸に入れて、横軸には日付を入れるだけです。
現場で働いていると、予想もしなかったトラブルに遭うこともあります。
その際、工程表を修正しなければなりませんが、バーチャート工程表は簡単に修正ができてしまうのもメリットです。
工程表に表示されているバーを動かすだけで、簡単に修正できます。
デメリット
バーチャート工程表は簡単でわかりやすく良いのですが、複雑な工程を表で表そうとするとできません。
作業は単純に1つだけでなく、別にも複数同時進行しなければいけない時もあります。
工程同士の連携ができず、管理できない部分も出てきます。
工事の内容から工数が多い場合や長期間の管理が必要な場合は、バーチャート工程表ではないほうが向いていることもあるため覚えておきましょう。
ガントチャートとバーチャートの違い
似たような表にも見えますが、横軸が違う点が一番大きいです。
ガントチャートは、作業がどこまで進んでいるのか横軸の進捗状況から容易にわかります。
それに対してバーチャートは、日付が横軸にくるため工事に必要な日数がわかる表です。
単純な工事作業であればバーチャートでも十分ですが、複数の作業を行う場合は向いていません。
ガントチャートは、同時にさまざまな作業を平行して行わなければならない時に向いています。
複数の同時進行で進捗状況を表さなければならない時は、ガントチャートがおすすめです。
ただ、実際には現場で大きく区別をされていないのも現状です。
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工程表作成のポイント
ガントチャートやバーチャートなど、工事をする際の工程表は非常に重要です。
作成者だけがわかれば良いものではなく、工事を行うすべての人が一目見てわかるようなものでなければいけません。
工程表はポイントを押さえておかないと、理解できない作業員も出てきてしまう可能性があるため注意しましょう。
ここからは、行程表作成のポイントについて紹介していきます。
POINT!
余裕を持った期間設定
作業が多いと、詰め込んでなんとしてでも日程までに終わらせたいと考えてしまうかもしれません。
しかし、その日ギリギリに終わるような日程で工程表を作ってしまうと、後からトラブルになった時に対処ができなくなってしまいます。
工事ではさまざまな作業が多いため、確かに予定も詰まってしまうでしょう。
それでも、何かあった時に対応できるように、日程には余裕を持たせておいたほうが安心です。
理想は、最初に決めた工程表通りに進むことです。
確認して作業をしている側も段取りがつけやすく、次にやることが明確になります。
何回も日程を更新してしまうと、その度に皆が把握し直さなければいけません。
工程数を一気に増やすことのないように、事前に余裕を持った期間を設定しておきましょう。
POINT!
工事内容に沿った工程表
工事内容によって、ガントチャートが良い場合とバーチャートが見やすい場合があります。
その工事内容に適したものを利用しないと、作業員には大変わかりにくい表になってしまいます。
しっかりと理解しないまま作業を進めてしまうと、ミスにもつながりやすいです。
工程表を作成する時には、全体としてわかるものと細部に分けるものなど見やすいように工夫をしましょう。
POINT!
見やすい工程表にする
自分だけが理解できる工程表にしてしまうと、特に新人や経験が浅い人が見た時に理解できないものとなります。
ある程度ベテランになってくれば多少わかりにくい部分があっても、経験から大まかにはわかります。
しかし、新人などは経験も浅くわかりません。
慣れている人が見ればわかる工程表ではなく、初めて現場に入って作業をする人でもわかるものを心がけましょう。
誰が見てもわかりやすい工程表が作れれば、見落としなども減りスムーズに作業を進められます。
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まとめ
ガントチャート工程表とバーチャート工程表は、一見似ています。
大きく違う部分は、横軸が日付か進捗率を表しているかどうかです。
ただ、現場で大きくガントチャート工程表とバーチャート工程表を明確に分けていない場合もあります。
工程表を作成するポイントは、余裕を持った期間を設定し、工事内容に合う工程表を選ぶことです。
このほか新人などでもパっと見てわかる、見やすい工程表にすることも心がけましょう。
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