建設業を営む場合や建設工事を行う場合には、さまざまなルールに則る必要があります。
また、時代の変容に沿って、ルールがどのように変わったかについて知ることも大切です。
まずは、建設業の基本的な規則を定めた 建設業法について、理解を深めましょう。
併せて2023年1月1日施行の改正建設業法施行令についても紹介します。
建設業法とは
建設業法とは何でしょうか。
建設業法は、 建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護し、建設業の健全な発展を促進することを目的とする法律です。
そのため、建設業法では、建設業の許可制度や、見積や請負契約のルール、技術責任者の配置等について定めています。
内容を順番にみていきましょう。
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建設業法の内容
建設業法は次の4つの柱から構成されています。
順番に説明していきます。
- 建設業の許可制度
- 請負契約のルール
- 見積のルール
- 技術責任者の配置
建設業の許可制度
建設業法の1つ目の柱は、建設業の許可についてです。
主に、建設業法第3条に記載があり、許可の種類や金額下限について定められています。
許可の種類
建設業を営むには、軽微な工事を除き、工事種類ごとに一般建設業の許可が必要 です。
ただし、4,500万円以上の下請契約(建築一式工事の場合は7,000万円)を施行する元請け業者は、特定建設業の許可を受けなければなりません。
その際、1つの都道府県に営業所を設けるには、都道府県知事の許可が必要です。
複数の異なる都道府県に営業所を設ける場合は、国土交通大臣の許可が必要です。
法許可が不要な工事
次のような軽微な工事では、許可をとる必要がありません。
- 工事1件の請負代金が500万未満の工事である
- 建築一1式工事1件の請負代金が1,500万未満の工事である
- 請負代金にかかわらず、木造住宅工事の述べ面積150㎡未満である
請負契約のルール
2つ目の柱は、 請負契約の内容 についてです。
建設業を行う場合は、当事者が互いの合意に基づいて契約を結ぶ必要があります。
その契約書には署名、もしくは記名押印をして、それぞれ契約書を所有しなければなりません。
契約の内容
契約書には、下記の内容等を記載する必要があります。
- 工事内容
- 工事場所
- 工期
- 工期の変更
- 請負代金
- 支払の時期
- 代金の変更
- 契約に関する紛争の解決方法
不当に低い請負代金や、著しく短い工期は禁止されているので注意しましょう。
工事請負契約書の作成方法について徹底解説!見積のルール
3つ目の柱は、見積書についてです。
建設業者は、請負契約の前に見積を作成する必要があります。
見積書には、材料費や労務費等の内訳を記載しなければなりません。
注文者から請求をうけた場合は、請負契約前の見積書交付が義務になるため注意しましょう。
【建築業】リフォーム工事の見積書の書き方を徹底解説!技術責任者の配置
4つ目の柱は、主任技術者・監理技術者等の設置についてです。
建設業を実際に施工する場合は、技術面の管理担当者として、主任技術者を置く必要があります。
ただし、下請代金が4500万円以上の工事の場合、元請業者は監視技術者を置かなればなりません。
主任技術者は、工程の管理だけでなく、施工管理を作成したり、現場を指導したりします。
監視技術者は、これらに加えて下請業者の調整も担当します。
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建設業施工法令の改正
上記で、下請代金が4,500万以上の場合は、特別建設業許可や監理技術者の配置が必要と述べました。
この金額は、2023年1月1日の改正によって、4,000万円から引き上げられたものです。
その背景には、工事費の高騰や監理技術者の人員不足があげれらます。
下限引上げのメリットは、一般建設業許可、および主任技術者の配置で施工可能な工事の範囲が広がったことです。
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まとめ
建築業を始めたり、建設工事に携わったりする場合、まずはさまざまなルールを知ることが大切です。
建築業法には、建築業を始めり場合の基本ルールが記載されています。
また、見積や契約内容に関する細かいルールも知ることができます。
いずれも、契約が適正に行われ、下請業者や発注書を守るための仕組みです。
建築業を行う際に、不当な扱いを受けたり、トラブルを起こしたりしないようルールを守っていきましょう。