ビジネスを円滑に進めるために必要なのが報告です。
口頭で適時報告することも必要ですが、後々立ち戻って作業状況を把握する際や問題が起こった際に解決策を導くためには書面として残すことが重要です。
提出先は社内や取引先になることが多いですが、ポイントを押さえた報告書でなければ作成の意義がありません。
ここでは、作業報告書を作成する目的やメリット、作成の注意点などについて解説します。
目次
作業報告書とは
作業報告書はその名の通り、作業内容を報告する書面です。
報告する先は自社内である場合もありますし、取引先や外部組織などの場合もあり、さまざまでしょう。
おおむね、その作業を指示した元、依頼した元に対し、誰がどのようなことを実施し、どのような結果になったかを報告する書面となります。
ビジネスを円滑に進めるうえでとても重要な書類であり、業界業種を問わず広く用いられます。
作業報告書の目的
作業報告書は報告するという目的のほかに、作成する際に実際に業務を行った側が自身の業務や成果を客観的に見直すという目的も持ちます。
また書面は作業の内容や状況、作業を進めるうえでの問題点を関係各所が共有し、生産性を改善する糸口にするために作成されることが大半です。
まずどれくらい時間がかかったか、どこまで進捗したかは作業者でなければわかりません。
その過程でどのような問題点が浮上しているかも関係各所が知ることで、リスクを回避するための情報が得られるのも非常に重要です。
スケジュールの遅延やコストの増加など、作業報告書がなければ発生していた可能性のあるトラブルは無数にあるでしょう。
あらゆる問題点を共有し、未然に防ぐための知恵が作業報告書と言えます。
また、問題点が指摘されれば、報告を受けた側が生産性の改善を見直すことが可能となります。
つまり、作業報告書は進捗と問題を見える化する目的で運用されるツールです。
報告書についての記事はこちら
作業報告書の記載項目
作業報告書が有用なツールとして活用されるためには、基本的な構成を守る必要があります。
それにはまず、必ず記載されるべき項目を把握しておきましょう。
作業者名
誰が作業を実施したのか明記する必要があります。
チームなどの場合はチームリーダーが作成する場合が多いですが、必要な作業者名を明記してください。
日時
作業開始日と終了日を記載します。
件名
どの作業案件なのかを明記します。
誰もがわかっている状況だとしても、書面は独り歩きするものですので、誰が見てもわかるようにしてください。
作業内容
どのような作業を実施したのか内容を明記します。
できるだけ具体的に書くことが重要です。
進捗状況
全体スケジュールと照らし合わせてオンスケジュールかどうか、なんらかの遅延が起こっていないかなどをきちんと明記します。
次回の作業内容
継続的に作業を実施する場合は、次回の予定を書いておきます。
単発の作業の報告書である場合はこの項目は必要ありません。
備考
作業に関して関係各所が知っておくべき事項があればここに明記します。
細かいことでも情報共有は大切です。
作業報告書を作成するメリットと注意点
作業報告書の作成が必須とされるプロジェクトもありますが、特に決まったルールがない場合もあるでしょう。
ただ先にも触れましたが、作業報告書は作業を実施する側にとっても、間違いのない仕事を納めるために活用すべきツールです。
作業報告書を作成するメリットと、作成にあたっての注意点をまとめておきましょう。
作業報告書のメリット
まず作業報告書作成のメリットについて改めてまとめます。
作業内容を把握・共有できる
実際に作業が始まってしまうと、日々目の前の仕事に追われて全体把握が疎かになることが非常に多いです。
自身やチーム全体がどのような作業を行い、どのような段階にあるかを客観的に把握し、それを関係各所と共有できることは大きなメリットです。
また、社外とも同じ情報を共有できるため、お互いに齟齬なくプロジェクトを進められるようになります。
リスクに対して先回りして対処できるようになり、大きなトラブルを未然に防ぐ抑止力になるでしょう。
振り返り・改善に役立つ
特に大きな問題がなかったとしても、プロジェクトの途中でそれまでの作業の振り返りを行うことはクオリティ向上につながります。
誰がどのような作業をどれくらいの時間で行ったかがわかりますので、見落としていた業務の改善に役立てることもできるでしょう。
生産性向上に役立つ
たとえオンスケジュールであったとしても、よりムラや無駄を省くことはビジネスとして重要です。
業務報告書を分析することでさらなる生産性向上を目指せれば、純粋に利益率が上がるでしょう。
作業報告書の注意点
それでは作業報告書を作成し運用していくうえで何か注意点はあるのでしょうか。
作成に手間がかかり負担になることがある
作業報告書の運用ルールで最も難しいのは、どの程度まで掘り下げて作成するかを決めることです。
より具体的で細かい内容が書かれているほうが状況を把握しやすい反面、あまりに詳細な内容をまとめようとすると、作成手間がかかりすぎることになります。
作業報告書を作成するコストがかかってしまい、肝心の作業時間に悪影響を及ぼすようでは本末転倒です。
作成者だけに多大な負担がかかるようでは大問題ですし、いかに手間をかけずスムーズにわかりやすい書面にするかが注意点です。
報告書がゴールになってしまう可能性がある
作業報告書を作成すること自体がゴールにすり替わってしまうと、提出された時点で業務が完了した気になり、そこに書かれている問題が解決されない本末転倒が起こりがちです。
報告書は単なるツールであり、実際には内容を分析して業務向上に役立てたり、リスク回避に活用されたりしなければ作成の意義はなくなります。
作業報告書作成のポイント
作業報告書は多くの関係各所間を独り歩きするため、基本的に誰がいつ見ても書かれている内容や状況を理解できる書面になっていなければなりません。
そのような有用な作業報告書にするための作成ポイントをまとめておきましょう。
読みやすい構成・表現にする
とにかく読みやすいことが最も重要です。
構成がシンプルで、客観的に見て広く一般の関係者が即座に理解できる表現を心がけましょう。
見やすいレイアウトを意識する
たとえば、小さい文字ばかりが切れ目なく並んでいては、目が滑って内容が頭に入って来なくなります。
報告書は作成する側も手間ですが、読んで分析する側も手間がかかりますので、一目で要点が理解できるような見やすいレイアウトを意識することが大切です。
作業後すぐに作成する
作業を実施してから時間が経過すればするほど、内容が曖昧になり意味のない報告書になります。
どのような流れで作業を行ったのか、その中で懸念される事項がないか、作業後の頭のまま流れで作成する必要があります。
見直しをする
作業報告書は誰が読むかわからないですし、正確に書かれていなければ思わぬトラブルに発展しかねない重要な書面です。
誤字脱字がないか、文脈がおかしくないか、論点がずれていないか、関係のない事項が書かれていないか必ず見直しをし、適切な文章に整えることを忘れてはいけません。
作業報告書の作成方法
作業報告書はとても重要な書面ですが、適切な内容を漏れなく記載するのは手間のかかる作業です。
間違いのないよう作成するには、作成をサポートするツールを活用するのが最もおすすめです。
テンプレートを活用する
書類作成は建築業界において非常に重要な業務です。
取引先や顧客と信頼関係を築き、作業の品質向上を確保するためにもテンプレートを活用しましょう。
「建築業向け管理システム アイピア」が提供しているテンプレートは、より簡単に短時間で書類を作成できます。
書類作成がわからず時間がかかって業務が進まないといった問題が起こらないよう、ぜひご活用ください。
アプリやソフトを利用する
現在は手軽に作業報告書を作成できるアプリやソフトが存在します。
フォーマットに従って間違いのない書面が作成できますので、ぜひ活用しましょう。
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まとめ
作業報告書はビジネスをスムーズに進めるために必須と言える書面です。
社内外問わず作業内容を共有できることで、内容を分析しリスクの回避や改善点の可視化が見込めます。
継続作業の場合、次回の作業ポイントがどこなのかが明確になり、スケジュールの先読みができるため品質管理にも役立つでしょう。
作成手間は最低限に抑えつつ有効活用することで、よりよくプロジェクトを進めていきましょう。