ガラリとは?役割や種類のほか、設置場所を紹介

ガラリとは?役割や種類のほか、設置場所を紹介

ガラリという言葉をご存知ですか?
住まいを快適に保つには、空気の循環をスムーズにさせることがとても重要です。

建物にはさまざまな設備が設置されていますが、室外と室内の空気の入れ替えを行う役割を担っているのがガラリという設備です。
ガラリは、空気の循環を行うだけではなく、さまざまな役割を担っています。
また、タイプも多岐にわたり、設置場所によって形が異なります。

この記事では、建物の欠かせない設備として重要視されているガラリについて解説します。

ガラリとは

ガラリとは?役割や種類のほか、設置場所を紹介

ガラリとは、建物の外壁に取り付けられている空気の入れ替えを行う設備です。
室外と室内の空気をスムーズに循環し、快適な空間を作り出すだけでなく一酸化炭素中毒やハウスダストのほか、カビやダニの繁殖を抑えるなどさまざまな効果を発揮します。

また、効果的な結露対策や暑さ・寒さ対策を行うのもガラリを設置する目的です。
建物の外壁だけでなくドアや窓に設置されることもあり、24時間にわたって快適な空間づくりをサポートしています。

ガラリといってもドアガラリやガラリ戸、換気ガラリなどがありますが、その中でも重要視されているのが換気ガラリです。
現代の建物では、換気ガラリの役割が重要視されており、快適な住まいを維持するために欠かせない設備となっています。

ガラリの仕組み

ガラリには、屋外と室内の空気をスムーズに入れ替えできるよう羽根板が取り付けられています。

羽根板の幅は狭く、さらに斜めになっているのも特徴です。
ガラリは、平行に羽根板を何枚もつなげて取り付けており、美観性を保ちながらもスムーズに空気の入れ替えができるよう設計されています。

また、風や光も上手に取り入れることができます。
その一方で、雨や埃を遮ることができるのも羽根板を枠に斜めに取り付けるメリットです。

ガラリの役割

ガラリは、戸建て住宅やマンションだけでなく、ビルや大型施設などさまざまな建物に設置されています。
空気の入れ替えを目的としているほか、排熱を行うために設置されることも少なくありません。

きれいな外の空気を取り込む役割がある一方で、室外からの粉塵の侵入を防ぐことができるなどさまざまな効果があります。
ガラリは、近年の建築された建物に欠かせない設備です。

従来の建物は、木材を使用し建築されることが主流となっており、木材そのものが住まいの快適性を維持していました。
しかし、近年の建物は、木材を使用して建築されていても断熱性能や気密性が高くなっているため、あえてガラリを取り付けて空気の入れ替えを行う必要があります。

室外と室内をつなぐガラリを設置することで空気をスムーズに入れ替えることができるのはもちろん、排熱効果を上げるなどさまざまな役割を担っています。
換気扇もガラリと同様に空気の入れ替えを行いますが、こちらはファンを使って換気する仕組みです。
ガラリは、換気や廃熱の出入り口を作り、自然に空気を循環している点に大きな違いがあると言えるでしょう。

ルーバーとガラリの違い

建築用語の中には、ガラリのほかにもルーバーという言葉もありますが、一度は耳にしたことがあるという方も多いかもしれません。

ルーバーとガラリは、一見違う役割を果たしているものなのではと思われがちですが、実際には役割や構造は同じです。 ルーバーもガラリと同じように換気を行い、さらに日の光の入りを調整する役割を担っています。 実際にルーバーやガラリをチェックしてみると表面部分が斜めになっていて隙間ができています。

この部分が空気の通り道となっていますが、羽根板が取り付けられているため、雨や虫のほかに埃も寄せ付けにくくなっているのも嬉しい特徴です。 ルーバーとガラリは同じ役割や構造となっているものの、呼び方や手法に違いがあります。

基本的にルーバーは手法を指し、機能面に対する呼び方としてガラリという建築用語で示されています。

換気ガラリの種類

換気ガラリには、設置する場所や設備の形状によってさまざまな種類があります。
ここからは、換気ガラリの種類について解説します。

早速確認していきましょう。

丸型ガラリと角型ガラリ

丸形ガラリは、戸建て住宅やマンションなど多くの建物で採用されています。 シンプルな形をしているのも特徴となっており、見た目は丸くコンパクトな形状です。
制気効果があるだけでなく給気のために使用されることもあります。

角型ガラリは、長方形や正方形など見た目が四角い形をしていて開口口が狭くなっています。
デザイン性には優れていますが、空気の入れ替えが少なくなるのがデメリットです。

羽根の形による種類

ガラリは、室外と室内の空気の入れ替えをスムーズに行うために、羽根版と呼ばれる狭い板が取り付けられています。
ガラリの種類の違いは、羽根の形で見分けるとわかりやすいです。

ここからは、ガラリの羽根の形による種類について解説しますので参考にしてください。

V型

V型は、羽根が縦に取り付けられており、空気の入れ替えがしやすくなっています。
羽根の形から縦型と呼ばれることもあります。

パンチング型

金属製の板にたくさんの穴が開けられています。
同じ形状の穴がいくつも開けられているのも特徴です。

メッシュ型

メッシュ型には、ほかの羽根の形とは違い、メッシュ状になった金網が取り付けられています。

片流れ型

片流れ型は、羽根を横向きにして斜めに取り付けており、片側が高くなっているのも特徴です。

山型

山型は、横側から見ると、まるで山の形をしたような形をしています。
中央部分が両脇よりも高い位置に羽根が取り付けられているのも特徴です。

フラッティー型

外側に深い溝を作り、溝の内側に穴を開けて空気の入れ替えを行います。

自然吸排気と強制吸排気

自然吸排気は、機械の力に頼るのではなく自ら吸排気を行います。
室外と室内の温度に差が生まれると気圧も変化しますが、自然吸排気の場合、気圧の変化により自然に空気が換気される仕組みです。
入口部分を狭く小さくし雨水や虫の侵入を防いでいます。

強制吸排気は、換気扇の力により排気します。
入口部分を広く大きくし、より多く排気できる構造となっているのも特徴です。
キッチンに設置されている換気扇と同様にニオイだけでなく湿気も効率良く排気するなどさまざまな効果があります。

そのため、キッチンや浴室などニオイや湿気の気になる場所に設置されることも少なくありません。

丸形フードとU字フード

フードの形状には、丸形フードとU字フードがあります。

丸形フードは、需要が高く多くの建物で採用されています。
シンプルな形状をしており、丸くコンパクトな形になっているのも特徴です。

一方、U字フードは通気口部分をしっかりと覆っているため、雨や雪が入りにくいのがメリットです。
現在、多くの戸建て住宅に丸形フードとU字フードが設置されており、さまざまな換気ガラリがある中でも一般的なタイプとなっています。

ガラリの取り付け場所

ガラリとは?役割や種類のほか、設置場所を紹介

スムーズに室外と室内の空気を入れ替えて快適な空間を作るには、適した場所にガラリを設置することが大切です。
ここからは、ガラリがよく設置されている場所について解説します。

キッチンや浴槽

キッチンや浴槽は、湿気や臭気がこもりやすい場所でもあるため、こまめに換気しなければいけません。
キッチンは、臭気が気になるだけでなく熱気もこもりやすい場所です。

そのため、換気扇による換気を行うほか、ガラリを設置して効果的に空気の入れ替えを行う必要があるでしょう。
浴槽は、湿気が溜まりやすい場所であることから、換気を怠るとカビが発生しやすくなります。

ガラリを設置することで湿度を効率よく調整でき、快適な空間を維持することにつながります。

換気扇の外側

換気扇の外側にガラリを設置すると、雨水や虫の侵入を防いで効率良く換気することができます。
通常は、ガラリの設置に関係なく換気扇を取り付けてスムーズに湿気や室内の臭気を換気します。

しかし、換気扇を使用していない時には、開口部は閉じられており、換気効果を発揮することはできません。
ガラリを設置することで、換気扇を使用していない時であっても換気を補助する役割を担い、効率良く湿気や臭気を換気することができます。

部屋の壁・天井・床

近年建築された住まいには、24時間空気を入れ替えられる換気設備が設置されるようになりました。
それに伴いガラリを設置し、スムーズに換気できる仕組みを取り入れています。

部屋の壁や天井のほか、床にガラリが設置されることも多く、部屋のどこかに取り付けることで換気性能を高め24時間にわたり快適な室内環境を作り出すことができます。

屋上

屋上部分にガラリを設置することで屋根裏の換気を行います。
寒くなると室外と室内の気温差により結露しやすくなります。
そのため、こまめな換気を行うことが必要です。

また、暑い夏には屋根からの熱が屋根裏にこもりやすくなるため、ガラリを屋上に設置して暑さ対策を行う必要があります。

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まとめ

建物の換気や排気をしっかりと行うことで快適な空間を維持することができます。
断熱性能や気密性の高い住宅が増えたこともあり、近年ではガラリの設置は欠かせないものとなっています。

ガラリといってもさまざまな種類があるので、それぞれの特徴を踏まえ目的に合わせて最適なものを選んでみると良いでしょうでしょう。

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