流動比率と当座比率は何が違う?求め方や見るポイントについてご紹介!

流動比率と当座比率は何が違う?求め方や見るポイントについてご紹介!

会社や企業の経営状態を見る指標に流動比率と当座比率があります。
これらの指標は計算によって導き出されますが、計算方法や計算結果はどのようになれば会社がいい状態と言えるのか、など知っていなければ理解は難しいです。

そこで今回は、当座比率と流動比率の求め方やポイントなどをご紹介していきます。

流動比率とは

流動比率とは、会社の資金、財務状態がどれだけ安全かを図る経済指標です。

流動比率は、流動資産と流動負債の割合から求めることができます。
計算方法や見るポイントについて以下で見ていきましょう。

流動資産 1年以内に現金回収される予定の資産
例)現金預金、受取手形、売掛金、棚卸資産など
流動負債 1年以内に返済する予定の負債
例)支払手形、買掛金、短期借入金など
安全性を見る指標。当座比率・流動比率とは?違いも含めて解説。

計算方法

流動比率は以下の計算式で求められます。

流動比率(%) = 流動資産 / 流動負債 × 100

流動比率を分析するポイント

流動比率を分析する際のポイントを2つご紹介します。

POINT1

安全性の目安

一つ目は、安全かどうかの基準です。
一般に、流動比率は100%を下回ると危険で、200%以上が良い状態だとされています。
流動比率が200%では、流動負債の二倍の流動資産がある状態を意味するからです。

しかし、流動資産にはすぐに現金化ができない在庫などの資産も含まれているので、流動比率が高くても油断は禁物です。

POINT2

流動比率の上げ方

二つ目は、流動比率の上げ方についてです。
流動比率を上げるには、「流動資産を増やす」こと、「流動負債を減らす」ことが必要です。

企業のお金の使い方を見直し、必要のない資産は売却したり、資金繰りの方法を工夫したりすることで改善が見込めます。

当座比率とは

当座比率とは、流動比率と同様に、企業の財務状況の安全性を図る経済指標です。

流動比率と異なる点は、流動資産よりも換金性の高い資産のみで計算している点です。
当座比率は、流動負債と当座資産の割合から求めることができます。
以下で、詳しく見ていきましょう。

当座資産 流動資産の中でも短期間で容易に現金化できる資産
例)現金、普通預金、受取手形など

計算方法

当座比率は以下の計算式で求められます。

当座比率(%) = 当座資産 / 流動負債 × 100

当座比率を分析するポイント

当座比率を分析する際のポイントを2つご紹介します。

POINT1

安全性の目安

一つ目は、どのくらいの値があれば安全と言えるのかです。

当座比率については、100%以上あれば比較的安全な状態だと言えます。
逆に、100%を大きく下回っている時は危険な状態なので、早急な対策が必要になります。

POINT2

短期的な指標

2つ目は、当座比率の性質についてです。
前述の通り、当座資産は流動資産の中でも現金化しやすい資産を指します。
つまり、当座比率とは短期間での債務返済能力を図る指標なのです。

そのため流動比率で大まかな返済能力を確認し、より厳密に返済能力を見たい時に使うことを推奨します。

流動比率と当座比率の違い

上記の情報を元に流動比率と当座比率の違いについてまとめます。

流動比率は企業の流動性全体を評価し、流動資産全体が短期の負債をカバーできるかどうかを確認することができます。
一方、当座比率は、在庫を除いた資産で短期の負債をカバーできるかどうかを確認することができます。

つまり、流動比率に対し、当座比率はより保守的な指標であり、在庫の流動性に関してより現実的な評価を可能にします。

その他の指標

流動比率と当座比率以外にも企業の安全性を図る指標はいくつかあります。
ここでは、自己資本率について軽くご紹介していきます。

自己資本率

自己資本率は、自己資本と総資本の割合から求めることができます。

自己資本とは、返済の必要のない資本金と資本剰余金のことです。

この率が高い状態は財務上安定している状態を意味します。
しかし、業種によって基準は異なるので注意が必要です。

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まとめ

いかがでしたか?
企業の安定性を図る流動比率と当座比率は似ていますが、異なります。
どちらも高い値が望ましいですが、高いからといって完全に安心できる訳ではありません。

また、指標は今回ご紹介したもの以外にもたくさんあります。
それぞれのポイントを理解して指標を使っていきましょう。

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